狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

氷壁から(本物のメール)

2006-03-02 10:09:50 | Weblog

 

からまつの林を過ぎて、

  からまつをしみじみと見き。

 からまつはさびしかりけり。

  たびゆくはさびしかりけり。    

  二                 

 からまつの林を出でて、  

からまつの林に入りぬ。 

 からまつの林に入りて、 

 また細く道はつづけり。 

     三   

 からまつの林の奥も

わが通る道はありけり。

霧雨のかかる道なり

 山風のかよふ道なり。

北原白秋 

 

 

 ―十一時に澤渡の西小屋出発。坂巻一時。中ノ湯二時。釜トンネルまでの間の吹き溜まり雪深し。二時半釜トンネル。トンネルを抜けるのに十五分かかる。ツララ予想外に少なし。出口はいつものように雪でふさがっている。この辺りから雪やみ、薄ら陽射す。焼岳見え出す。白煙真直ぐに上がっている。大正池三時四十分。穂高の一部見える。大正池の売店四時五分。ここから林の中の道の道で、多少疲労を感じる。ホテルの番小屋到着五時、いつものことだが真っ暗い中に番小屋の電燈が見えて来たは有難かった。夜はホテルのTさんとストーヴを囲んで歓談。十時に二階に寝る。―井上靖 『氷壁』より

 

帰宅したわが家の庭にはとっくに春が来ていた。

親愛なる愛読者諸君!これはメル友Tさんから送られてきた写真だが、

いずれも本物

のメールです。但しこれは穂高ではありません。林の中は北海道、(中写真)は、はて何処でしょう。小さな人影が、多分服装の色から推して彼と思われます。

 


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