■ 竹島問題
政府が、中学校向け学習指導要領の解説書に、竹島問題を記載することを決めて以来、日韓両国で騒ぎが続いています。
韓国政府は駐日大使を召還し、また政府高官を竹島に派遣して日本に対する抗議文を読み上げるなど、騒ぎを拡大させています。
さらには、日本大使館に向かって生卵を投げる市民も現れるなど、思わず眉をひそめてしまうような行動を取る人々もいました。
では、なぜ彼らはこのような反応を示すのでしょうか。それは、彼らが受けてきた教育に原因があると思います。
■ 「恥ずかしい」教育
韓国では、竹島は「独島」と呼ばれていますが、韓国の「国史」の教科書に、この「独島」に関する記述があります。
そこでは、2ページにわたって地理的・歴史的側面から、「独島」が韓国領であることが書かれていますが、とりわけ日本の殖民地支配の歴史と、それが終わったことを意味する「光復」によって、「独島」が取り戻されたこと、そして軍を派遣してこの島の領有権が明確にしたことなどが強調されています。
こうしたことを学校で教えられた子どもたちの心には、一体何が残るでしょうか。
取り戻された「独島」への愛着をおぼえるだけでなく、植民地支配を行った日本への反感も抱くかもしれません。そして、「愛国心」と呼ばれる感情も芽生えるかもしれません。これこそが歴代韓国政府の「狙い」だったのです。
そのような教育の結果、ひとたび今回のような問題が起きれば、市民レベルでも、生卵を投げたり「日の丸」を焼いたり、といった衝動的な行動が繰り返されるようになりました。
政府から受けた教育と、植えつけられた「愛国心」によって、子どもたちが大人になってこのような行動を取るのですから、実に「恥ずかしい」教育だと言わざるをえません。
■ 「恥ずかしい」教育を真似る日本政府
日本ではどうでしょうか。
この竹島問題に見られるように、日本政府はいま領土問題に関する教育を強化しようとしています。
これは、一昨年の暮れに改定された教育基本法に、いわゆる「愛国」規定が盛り込まれたことが、背景としてあります。
子どもたちに、領土問題を教え込んで相手国に対する反感を煽って、「愛国心」を植えつけようとするのですから、日本政府が行おうとしている教育も、韓国と同様の「恥ずかしい」教育に他なりません。
「相手国が言っているのだから、こちらも…」と言うような人々は、教育を行う上で、何よりも子どもたちのことを大切に考えなくてはならないということを見失っています。子どもたちに教えて、領土問題が解決するとでも言うのでしょうか。
そのようなことも分からない人々のご機嫌をとるために、将来、他国の大使館に向かって、生卵を投げたり、門の前で旗を燃やしたりするような「愛国心」を植えつけられようとしている子どもたちが可哀想でなりません。
■ 「子どもたちのための教育」を
では、この問題について両国政府が取るべき行動は何だったのかを考えてみましょう。
今月初め行われた洞爺湖サミットで、韓国の李明博大統領は、日本の福田首相との会談で直接、竹島問題について記述しないよう要請していました。このとき、もし私が福田首相ならば、こう答えたでしょう。
「分かりました。領土問題を子どもたちに教えても何の解決にもなりません。日韓両国が合意できるまで、双方がお互いに教科書から領土問題を削除し、本気で解決を目指して政府間で交渉を進めましょう。」
以前にも書きましたが、政府間の交渉なくして領土問題の解決はありません。
その努力もせず、他国への反感を利用するために、領土問題を教育に持ち込むような政府は、実に「恥ずかしい」政府です。
私は、日本・韓国だけでなく、教育に「愛国心」などというものを持ち込む全ての国々の、「恥ずかしい」教育を改め、子どもたちが未来を展望するための教育を、それぞれの国民の手に取り戻さなければならないと考えます。
政府が、中学校向け学習指導要領の解説書に、竹島問題を記載することを決めて以来、日韓両国で騒ぎが続いています。
韓国政府は駐日大使を召還し、また政府高官を竹島に派遣して日本に対する抗議文を読み上げるなど、騒ぎを拡大させています。
さらには、日本大使館に向かって生卵を投げる市民も現れるなど、思わず眉をひそめてしまうような行動を取る人々もいました。
では、なぜ彼らはこのような反応を示すのでしょうか。それは、彼らが受けてきた教育に原因があると思います。
■ 「恥ずかしい」教育
韓国では、竹島は「独島」と呼ばれていますが、韓国の「国史」の教科書に、この「独島」に関する記述があります。
そこでは、2ページにわたって地理的・歴史的側面から、「独島」が韓国領であることが書かれていますが、とりわけ日本の殖民地支配の歴史と、それが終わったことを意味する「光復」によって、「独島」が取り戻されたこと、そして軍を派遣してこの島の領有権が明確にしたことなどが強調されています。
こうしたことを学校で教えられた子どもたちの心には、一体何が残るでしょうか。
取り戻された「独島」への愛着をおぼえるだけでなく、植民地支配を行った日本への反感も抱くかもしれません。そして、「愛国心」と呼ばれる感情も芽生えるかもしれません。これこそが歴代韓国政府の「狙い」だったのです。
そのような教育の結果、ひとたび今回のような問題が起きれば、市民レベルでも、生卵を投げたり「日の丸」を焼いたり、といった衝動的な行動が繰り返されるようになりました。
政府から受けた教育と、植えつけられた「愛国心」によって、子どもたちが大人になってこのような行動を取るのですから、実に「恥ずかしい」教育だと言わざるをえません。
■ 「恥ずかしい」教育を真似る日本政府
日本ではどうでしょうか。
この竹島問題に見られるように、日本政府はいま領土問題に関する教育を強化しようとしています。
これは、一昨年の暮れに改定された教育基本法に、いわゆる「愛国」規定が盛り込まれたことが、背景としてあります。
子どもたちに、領土問題を教え込んで相手国に対する反感を煽って、「愛国心」を植えつけようとするのですから、日本政府が行おうとしている教育も、韓国と同様の「恥ずかしい」教育に他なりません。
「相手国が言っているのだから、こちらも…」と言うような人々は、教育を行う上で、何よりも子どもたちのことを大切に考えなくてはならないということを見失っています。子どもたちに教えて、領土問題が解決するとでも言うのでしょうか。
そのようなことも分からない人々のご機嫌をとるために、将来、他国の大使館に向かって、生卵を投げたり、門の前で旗を燃やしたりするような「愛国心」を植えつけられようとしている子どもたちが可哀想でなりません。
■ 「子どもたちのための教育」を
では、この問題について両国政府が取るべき行動は何だったのかを考えてみましょう。
今月初め行われた洞爺湖サミットで、韓国の李明博大統領は、日本の福田首相との会談で直接、竹島問題について記述しないよう要請していました。このとき、もし私が福田首相ならば、こう答えたでしょう。
「分かりました。領土問題を子どもたちに教えても何の解決にもなりません。日韓両国が合意できるまで、双方がお互いに教科書から領土問題を削除し、本気で解決を目指して政府間で交渉を進めましょう。」
以前にも書きましたが、政府間の交渉なくして領土問題の解決はありません。
その努力もせず、他国への反感を利用するために、領土問題を教育に持ち込むような政府は、実に「恥ずかしい」政府です。
私は、日本・韓国だけでなく、教育に「愛国心」などというものを持ち込む全ての国々の、「恥ずかしい」教育を改め、子どもたちが未来を展望するための教育を、それぞれの国民の手に取り戻さなければならないと考えます。
韓国人も愛国心と自国に対する問題意識・疑問の狭間で揺れ動いているのが実情です。
勿論日本でも、歪んだ教育をしてはなりませんが、単に教育でそう簡単に人間の心を変えられるとは思えないんですが。
獨島に関して一言で言えば、私のように、この島が明白な韓国の領土だとわかっている日本人もたくさんいます。韓国領土だと百の承知の上で、特定の政治的意図のために、全く根拠のない不当な要求と挑発を繰り返している日本政府に全面的に非があることは間違いありません。日本人のひとりとしてまことに恥ずかしい限りです、言うまでもなく、獨島が日本領土であるかのような虚偽を日本の教育で教え込むのは絶対許されることではありません。
また、ご経験に基づく貴重なご意見、誠に有難うございます。
さて、ご指摘のとおり、私も韓国の皆さんが全て、ナショナリズム教育を全て真に受けて抗議行動と称して大使館に生卵を投げているとは思ってはおりません。
また、テレビに映る「いつも同じ」20名ほどの「韓国右翼」の皆さんが、韓国の一般的世論とかけ離れた存在だということも、よく分かります。
しかし、「単に教育でそう簡単に人間の心を変えられるとは思えないんですが」という疑問に対しては、私は否定しなければなりません。それは、日本でこうした教育を行おうとする狙いは「人間(子どもたち)の心を変える」ことにあるからです。
考えて頂きたいと思います。「領土問題」を解決できるのは、一人一人の子どもたちでしょうか。
「獨島」でも「竹島」でも結構ですが、歴史研究者の端くれとして言うならば、日韓両国の当該島嶼の帰属問題については、両国とも「決め手」を欠いています。そればかりか、双方とも勝手な言い分を並べているだけで、一向に解決を図ろうともしません。そんな争いを、教育現場に持ち込んで何が前進するでしょうか。
例えば、旧ソ連と中国とは、かつてダマンスキー島の帰属をめぐって争い、武力衝突まで起こしたことはご存知の通りです。この争いは数十年にも及びましたが、二十数年がかりで国境交渉を行い、今年7月ようやく全国境線を画定させました。その間、彼らはその争いを子どもたちの肩に背負わせたのでしょうか。
そうした事例と比べるまでもなく、教育にこのような争いを持ち込み、却って外交的解決の道を閉ざすかのような日韓両国の政府の行為は、実に愚かで浅はかだと思います。
最後になりましたが、諸般の事情により、ご返信が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
goo-needsより