呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

自社ではなく相手先の現地化

2009年10月05日 | 未分類
  高価格ながら品質の良い部品を販売している会社がある。日系企業にはよくあるケースだろう。そこの総経理の話を聞いたのだが、金融危機及び現地化が進んでいることから駐在員が減少してきており、営業の対象となる相手が駐在員から現地スタッフに代わってきている企業が増えてきているとのことだ。これ自体は別に普通の話であり、現地化が進むのは良いことだと思う。しかしながら、この流れの中で私があまり想定していないことが起こっている。今まで相手をしてくれていた顧客先の駐在員は高価格ながらも品質が良いことを認めてくれていたのだが、現地化されたことにより現地スタッフに相手をしてもらうようになると品質の良さを理解してもらえず、価格だけで商品を比較され、結果として価格競争に負けてしまうというケースが出てきているとのことだ。商品のレベルを理解できる人材を相手先が現地化し切れていないのだ。こうなると、自社が現地化しているだけでは足りない。買ってもらうために現地化しきれていない相手のレベルをこちら側から引き上げていく必要が出てくる。自分の会社だけでも大変なのに他社の現地化までサポートするというのはなかなか遠大な話だ。とはいうものの現実的に起こっている話だ。そうなるとこちら側の現地化のレベルもより一層上げていく必要が出てくる。現場は思っている以上に大変だ。現地化は一朝一夕では行かないものなのだ。

日系企業にとっての現地化とは?

2009年10月04日 | 未分類
  日系企業が中国でどこまで現地化が進んでいるのか、現地化していかないといけないという言い方よくされる。ずっとずっと以前からいわれている問題で、今もなおいわれている問題である。要するにまだまだ現地化が進んでいないがゆえにいつまでたっても問題とされているのである。では、そもそも現地化とは何か?ヒトの現地化、モノの現地化、カネの現地化、色々な現地化がある。ここでは現地化という言葉から最も容易に想像されるヒトの現地化について考えてみることにする。

 そもそもヒトの現地化とは何か?単純に考えれば元々駐在員に任せていたポストを現地人(ここでは中国人)に任せることに異論を唱える人はいないだろう。しかしせっかく中国人を配置してもなんでもかんでも本社が管理して権限が下ろされなければ本当の現地化とはいえないだろう。おや?そもそも駐在員には権限があるのかな?もちろん人事制度がしっかりしている会社では駐在員もいて中国人もいて各々に相応の見合った権限が与えられている立派な会社もある。しかしながら、駐在員にすら権限が十分に下ろされていない会社も少なくない。ほんのちょっとしたことでも本社にお伺いを立てなければならない会社は決して少なくないのだ。このような会社は駐在員による現地化すらできていないと言うことなので、いわんや中国人による現地化などまだまだ先の話だ。まずは駐在員に権限をおろして現地に任せるという意味での現地化、そしてその次のステップとして中国人に任せるという意味での現地化、この2ステップが必要になってくるだろう。現地化現地化と言う割には中国は日本から距離が近いこともあってか本社がついつい干渉したくなってしいがちだ。日系企業の現地化の道のりは決して簡単ではなさそうだ。どうですか~、本社の皆さん?

どんどん高齢化していく上海

2009年10月03日 | 未分類
  「区域人口コントロール都市調和発展フォーラム」というものが開催され、その中で上海の高齢化がかなり深刻であるとしている。全国平均の倍近くだ。

 2008年の上海戸籍の人口うち60歳以上が300.57万人と上海戸籍の21.61%を占めている。世界の高齢化が最も進んでいる国の場合で23~25%なので、いかに高齢化が進行しているかがわかる。上海の高齢化はどんどん進行しており、2030年に上海は老年人口が500~600万人のピークに達すると言われている。2008年の上海戸籍人口の予想平均寿命が81.28歳だが、80歳以上の人口はどんどん増加しており、2008年において53.44万人と60歳以上人口の17.78%を占めている。

  一人っ子の上海人口高齢化社会の主役だ。上海市の一人っ子家庭は305万戸あり、上海市家庭戸数の60.2%。つまり610万人の父母が一人っ子の親と言うことであり、これは上海戸籍人口の43.9%を占める。予測によると2013年にあらたに老年になる人口の80%以上が一人っ子の父母であり、2018年以降は、前上海に毎年24~34万の一人っ子の父母が老年になる。

 このように、高齢化がどんどん進んでいるわけだが、日本でおなじみとなっている年金問題の構造も同じだ。要するに人口の少ない世代で人口の多い世代を支えていくという構図だ。問題の一切ない完璧な国などなく、どんな国にも問題はある。中国の場合は人口が多すぎるがゆえに一人っ子政策を採用したが、その結果として高齢化の進展と年金財政の困窮という問題が既に発生している。高齢化はますます進展していく。年金財政もどんどん困窮していく。日本でもなかなか解決の道筋が見えていない問題だ。中国でもこの問題の解決は一筋縄ではいかないだろう。

外商投資企業の破産

2009年10月02日 | 未分類
  以前『中国で日系企業の破産は増えるのか』というタイトルの記事を書いたことがある。2008年10月に書いたものだ。このときは日系企業の破産は増えるのかという内容だったが、どうも日系企業の破産の実例が出てきているようだ。企業が自ら申し立てするケースもあれば債権者が申し立てるケースもある。銀行が債権者として申し立てするケースもある。企業が自ら申し立てするケースはどうしても出資者のイメージダウンにつながることから敬遠されがちだが、最近ではそのような考え方にとらわれず申し立てを行っているケースも出てきている。また、清算手続きを面倒がり破産に持っていくケースもあるようだ。どちらも時間を要する手続きだが、清算の場合税務局や税関の調査がかなり厳しく行われるためにいつ終わるか見えにくいというのに対し、破産の場合は裁判所が片付ける話なので却って楽だと言う考え方もあるようだ。ちょっとモラル的にはどうかと思うが、いずれにせよ破産に対する考え方が以前ほどジメジメしたものではなくドライになってきているようだ。

上海在住の外国人は2008年は15.21万人

2009年10月01日 | 未分類
  上海在住の外国人は2008年は15.21万人、主として日本、韓国、アメリカ、シンガポール、ドイツ、カナダ、フランス、オーストラリア、イギリス等からだ。外国人留学生及び家族は14,655人いる。また、国際旅行入国客は2008年は640.37万人、平均毎日17544人来ていることになる。東京都在住の外国人が2009年4月時点で41万人と、これに比べるとまだまだ少ないが、十分に国際都市であるといえるだろう。これだけ外国人が増加していることもあり、国際結婚するカップルも増加している。上海市民と外国人(香港・マカオ・台湾も含む)の国際結婚カップルは2008年で2,626組いる。ちなみに2004年の東京都は8,047組もいる。これはまたなんと多いことか。日本の場合は定住外国人がいることも多いのだろうが、それにしても多い。

  今日は単なる事実の紹介だけで、特に締めの言葉はないので悪しからず。