呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

国美電器が世界小売業ランキング第11位

2011年07月08日 | 日記

 先日某家電量販店まで掃除機を見に行きました。8年半も使っているのでガタが来てしまったようで、新しく買い換えようと思ったのです。メンテナンスしてくれるところが多い方がいざというときに便利かと思い、メジャーブランドを中心に見ました。そこでとある店員に、

 

私 「このブランドのメンテナンス店はいくつあるか教えてもらえますか?」

 

店員 「自分で調べてください。」

 

 一気に買う気をなくしてしまい、結局ネットで買うことにしました。ひょっとして私のように店舗でいやな思いをして、それが嫌でネットで買う人がいるかもしれませんね。

 

 さて、イギリスの小売業研究会社であるPlanet Retail社という会社が毎年小売業ランキングを発表しているのですが、このたび2011年世界トップ30の電器/娯楽及びオフィス用品の小売業ランキングを発表しました。その中で中国の国美電器が125億米ドルの売り上げで11位にランキングされています。

 

 

 

 日本企業ではヤマダ電機が4位、ヨドバシカメラが19位、ビッグカメラが28位に入っています。報道ではデルやアップルを超えたというように紹介されていますが、そもそも量販店とメーカー小売を売り上げで比べること自体がおかしく、このあたりは少しちょうちん記事的な臭いがしました。

 

 しかしこの国美電器、最近ちょっとのぞいたことがあります。たまたまかもしれませんが、そのときの店員の対応はとてもよかったです。国美電器は中国国内で300以上の年で1400以上の店舗網を築いています。これからは一線都市における業容を維持しつつ、二線都市をもっと攻め込んでいく方針のようです。中国では一般的に接客のレベルは低いため、これを良くするだけで差別化になると思います。多くの外資系小売業もそれを心がけている思いますが、私が国美電器で受けた対応は平均レベル以上のものでした。今のところまだ高いサービスレベルというのが差別化の要素となります(もちろん価格面の要素が大きいことは否定しません)が、時間が過ぎていくうちに中国系企業にサービスレベルでも追い上げてくるでしょう。外資系企業としては追いつかれる前にぐっと突き放してシェアをとって行きたいところですね。でもそれをするとコストが上がり、ベストバイみたいになってしまいかねないので、サービスレベルとそれに要するコストのバランスが難しいですね。