ナイキというブランドは自社工場がないそうです。基本的には委託生産しているということなのですが、その最大の会社は台湾の泰豊企業股份有限公司(以下、泰豊社)いう会社で、実に6足のうち1足が泰豊社の生産によるものだそうです。
今日紹介したいのはナイキのシューズの生産は現在はベトナムが37%に達し、中国を追い抜いてトップになったことです。衣類についてはまだ中国がトップですが、おいおいこれも変わっていくでしょう。
さて、ベトナムがナイキのシューズ生産国のトップに躍り出たわけですが、泰豊社がベトナムに大量に工場を設立したことが影響しているようです。なぜベトナムか。原因ははっきりしています。メディアでも常日頃騒がれていますが、中国の労働コストの上昇と人民元高、そして労働契約法が徹底されていくようになったこと、これらがコスト上昇の大きな要因になっています。泰豊社では自社内のベトナムにおける生産比率が数年内に55%以上になるのではないかと予測しています。台湾で生産していたものが中国生産へ切り替わって言ったのが80年代終わりごろからの動きですが、台湾企業はハイエンド製品の生産と設計、研究開発部門を残しつつ中国へ生産移転し、今度はその流れがベトナムへということですね。ということは、今後中国でハイエンド商品を生産していくことも考えられますね。
ベトナムまで行かないまでも、中西部に移転する動きもあります。安踏(ANTA)は河南省へ、百麗(Belle)は安徽省に工場を設立しようとしています。内陸部は物流が弱いとかいう指摘をする人もいますが、それを踏まえても内陸へ移転せざるを得ないという流れなんでしょうねえ。