ついに中国にも高級老人ホームが出てきたようです。親和源というところです。
同社の代表は2003年からこのビジネスを考え始め、2007年10月より上海でスタートしたものの、当社は全然うまくいかなかったようです。ひとつは老人が老人ホームに行きたがらないこと、もうひとつが会員制老人ホームとしてスタートしたのですが、会員制というモデルが受け入れられなかったことです。では、会員制モデルとはどんなものなのでしょうか。
|
タイプ |
入居一時金 |
毎月費用 |
Aカード |
無記名式(譲渡・承継可能) |
75万元 |
3~7万元/年 |
Bカード |
記名式 |
45~85万元 |
3万元/年 |
入居一時金でこれだけ回収しつつ、毎月これだけさらに収入を上げられるのならば、費用的にはなかなかの水準といえるのではないでしょうか。年間費用7万元のところなんて月平均6000元ですから、高級といえる部類に入るでしょう。また、75万元という入居一時金も当初は50万元だったのがどんどん値上がりして行っています。これだけの一時金を取るということは設備もなかなかのものなのでしょう。好転したのは2009年からで、少ないながらも入居していた老人たちの口コミ効果も大きかったようです。口コミってやっぱりバカにできないですね。
既に一期と二期は売却済みで、300戸あまり700人近くの老人が入居しています。大学教授や、高級エンジニア、退職した公務員といった社会的に地位の高い人が多いとのことです。
上海以外の地域としては海南、黄山、遼寧営口、浙江海寧、青島、北京、武漢といった地域でプロジェクトを立ち上げようとしております。プロジェクトのタイプとしては独自で行うもの、合弁で行うもの、もうひとつが役務提供する形式のものとがあります。役務提供する形式のものですが、ようするに老人ホームサービスを受託するということですが、大体費用の10-20%程度の金額で受けるとのことです。ただし、このスキームはまだまだこれからのものであり、且つこの比率を増やしていこうとしているとのことです。確かにこのスキームだと固定資産投入の資金負担が基本的にはいらなくなりますからね。
上海をはじめとして高齢化社会に既に突入している都市もありますので、こういったものをもっと普及させていく必要があると思います。ただし、日系企業が参入するにあたってはまだまだ様子見が必要かもしれません。たまたまこの会社の場合はうまくいき始めたとのことですが、ファンド等の資金も入っているためその分資金負担を軽減させることができています。そう考えると同社の考えている業務受託のスキームのほうが資金負担もなく、また日本が得意とするきめ細かさで勝負できるのでいいでしょうね。