呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

化粧品専門団体購入サイト

2011年03月14日 | 日記

 聚美優品という化粧品専門の団体購入サイトがある。

 

  

   

 20103月にできたばかりのサイトで、最初のころは月商10万元足らずだったのが今では2000万元にも達している。オーナーである陳欧氏は団体購入がブームになって以来参入を考えていたが、結構サイトの同一化が進んでおり、何かしら差別化を図らないといけないと感じていた。以前に化粧品業界にいたことから、あらためて化粧品業界について研究したところ勝算を感じたので化粧品の団体購入事業に参入することに決めた。勝算のポイントは二つあり、ひとつが化粧品の利益率が高いこと、もうひとつが、中国は世界で三番目の化粧品市場となっているが、国内では有名な化粧品専門のネットショッピングサイトがないことであった。また、他の化粧品サイトと違うのは、聚美優品では最もよく売れる20%の商品のみを取り扱うということだ。これにより取り扱い品目は少なくなり、サプライチェーンの管理負担も小さくなる。品揃えを多くすることで人目を引くよりも少数精鋭を選んだのである。また、毎日の団体購入商品を複数取り揃え、高中低の各市場をカバーした。サプライヤーにはLONCOMEEstee Lauder相宜本草等の代理店(総代理または地域代理)、特約店が含まれる。

 

 サービス面では100%本物保証、假一賠三(偽者だったら3倍にして賠償)、30日間無条件返品を行っている。前の二つは当たり前なのだが、中国だとこれは売りになるのだろう。観光地のお土産やでも同じようなうたい文句を見かける。

 

 品質面ではメーカー、正規の代理店、国内外の売り場等の信頼に足るチャネルを通じて商品を仕入れ、更には仕入れ部門に自社の品質検査員まで配置し、品質に対する管理を行っている。そして、最近の流行になるのだが、微博(中国版ツイッター)、SNS等を活用して口コミで評判を広げることも行っている。

 

 個人的には最近微博やSNSを活用した販促に興味を持っている。今まではネット販売で売るということを考える人が多かったと思うが、売る手段というのはネットだけではなく、店舗で買ってもらってもいいのである。SNSを活用することによって来店誘導を図り、来店した人がその次に買うときは店舗で買うかもしれないし、ネットで買うようになるかもしれない。「SNS - 店舗 -ネットショッピングサイト」というサークルを作り上げるというスキームだ。今事例を集めているところで、どこかの段階でフィードバックしていきたいと思っている。今しばしお待ちくだされ。