呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国の中古車市場

2010年10月21日 | 日記

 自動車市場が成熟している国の新車取引量と中古車取引量は1:6近くであるのに対し、中国はわずか1:1から1:1.5の間に過ぎないという。天津を例に取るとたったの1:0.8程度だ。数値だけ見ると、中古車市場の潜在力は非常に大きいということになる。


 中国の中古車市場は、業界構造が不合理(小規模先が圧倒的多数)、市場信用度が高くない、参入条件が欠落している、市場秩序が影響を受けている、ということが取りざたされているが、それよりも特に中国ではまだきちんとした中古車の鑑定評価標準がなく、要するに評価がいい加減で、実際価値からかけ離れた評価が散見されるのが大きな問題といえる。実際に中古車販売に従事している人たちの資質にも問題があり、中古車の品質面での欠陥を故意に隠したり、走行距離をごまかしたりするようなことが非常に多いという。

 
 以上が一般的に言われていることだが、個人的に思うところとしては中古車とはいえあまりにもボロすぎるのが多いように思う。要するにあまり大切に車を扱っていないのである。だから中古車として手放そうというくらいの車になると、品質はかなり劣悪で、その割には値段が高い。個人的には中古車は絶対買いたくない。品質と値段が全くつりあわないのだ。街を走っている車やバイクを見ればそれは一目瞭然だ。

 
 中古車評価を専門的に行うところもあり、消費者によっては主体的に中古車業者に対して中古車評価会社での評価し、国の認定を受けた評価師に車輌状況報告を要求する人も有るようだが、消費者がここまでするのは一般的ではない。そもそも評価師のレベルにも「?」マークがつく人も多いという。でも評価師のレベルが上がってきたとして、そうなるとなにせボロ過ぎる車が多いので評価はメチャメチャ低くならざるを得ないはずだ。大切に使っていると思えない車が多すぎるからだ。いくら中古だからといって、あまりにもボロ過ぎると買い手がつかないだろう。だからこそ、中国の新車と中古車の比率が諸外国と比べて大きく乖離しているのだ。《中古車流通管理弁法》なる通達が2005年より既に施行されているが、どこまでこの弁法に沿ったちゃんとした中古車販売業者が存在し、また中古車マーケットが存在しているだろうか。ということを考えていくと、一時騒がれ始めた時期もあったが、最近では全然聞かなくなった中国の中古車市場って果たしてどこまで成り立つだろうかという疑問がわくのだ。なにせ中古車はあまりにもボロい。。。飽きっぽい人がボロくならないうちにすぐに車を手放し、それが中古車市場に出回るようになるというサイクルでもできれば状況は変わってくるかな。