呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

帰化するということ

2010年10月20日 | 日記
 最近久しぶりに母校である神戸の華僑学校を見てきた。最近の日中間の一連の騒動の影響で、脅迫電話がかかってきたり、窓ガラスが割られたりしていることもあり、四方に警察官が警備しておりものものしかった。確かに、今回の一連の騒動での中国側の発言は日本側から見た場合、理解しづらいほど強硬なものであった。私の華僑仲間(基本的に日本育ち)も今回の中国側の対応にはがっかりしたという声も少なくない。日本において我が母校に対して起こった物騒なことは、これは日本人に対してがっかり感を感じるものであった。そもそも華僑学校に通っているのは今では日本人も少なくなく、華僑の子女やその父母も日本育ちが多く、マインドもかなり日本人化しているので、相手としても間違っている。

 こんなことを友人と話していたところ、その友人のアメリカにいる親戚が「ルーツは確かに中国かもしれないけど、日本に帰化した以上は日本の国益を考えた方がいいのではないか」と言っていたそうだ。アメリカってそういうところなんだと思った。以前に紹介した『官僚たちの夏』というドラマの中で、主役の佐藤浩市がアメリカ側の日系人通訳に対して、「あなたも日本人の血が流れているのだったら、もっとこっちの立場になって考えられないのか」(記憶があいまいだが確かこんな内容)といったのに対し、日系人通訳は、「私はアメリカ人です」と切り返した。アメリカに住んでいる人が言ったこと、ドラマの中の日系人が言ったこと、アメリカという国は一旦アメリカ人となった人がアメリカ人としてのアイデンティティを持つようになるのだと思った。果たして日本はどうだろうか。もちろん、古くから日本で生活している外国人の場合、日本文化のほうが身体に染み付いているので、日本に対する思いは強く持っていると思うが、短期間で日本国籍を取得している人は果たしてどうだろうか。私のような日本での生活がベースとなっている人間ほど日本に対する愛着はないはずだ。また、最近は帰化申請も非常に簡単になってきているという。日本に帰化しても日本に対する思いを持たないような人が帰化しているケースも少なくないイメージがある。あくまでイメージですが、これってどうなんですかねえ?