呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

2008年度の上海百貨店店舗売上げ

2009年09月08日 | 未分類
  この間スーパーのことを書いたので今度はデパートのことが気になった。今日はちょっと古い情報だが2008年のデパートに関する情報をまとめてみた。

  上海市商業信息中心が調べた62店の百貨店データによると、2008年の上海百貨店小売規模は291.6億元に達し、前年比6.95%増加、そのうち、トップ20の店舗の売上げ規模は177.9億元に達し、これは全体の61.0%を占める。そして、店舗売上げベスト3は浦東第一八佰伴、南京東路新世界商城、久光百貨店だ。以下全て2008年の状況である。

  浦東第一八佰伴は初めて年間売り上げ30億元の大台を突破し、32.03億元に達し、引き続き首位の座を守った。確かに店舗は大きいのだが、余りにもぶっちぎりでの1位だとは思っていなかったので驚いた。

  次に南京東路新世界商城が23.54億元で第二位、前年比9.6%増。そして久光百貨店が16.26億元で第三位、前年比15.1%増加しており、ベスト3の中で最も伸び率が高かった。たまたまなのか、これらの店舗はちょうど地下鉄2号線沿線にある。

  それにしても久光百貨店の勢いは凄い。最初の頃は置いてある品物が高級品ばかりなので、買う人がどれだけいるのかと思っていたのだがとにかく好調だ。久光百貨店の好調の原因はどこにあるのだろうか。私が愛読している「RINKOKU(隣国)」で久光百貨店について紹介されている。それによると、好調の原因は徹底的なサービス、接客及び品揃えは当然のことながら、新しいブランド、商品の誘致に注力していることが大きいようだ。また、これとの相乗効果を狙ったイベントの開催も効果があるようで、さらに付け加えるといわゆる日本のデパートと同じようなイメージの「デパ地下」もかなり寄与している。この「デパ地下」をきっかけに久光百貨店のファンになる人も多いようだ。今年4月時点の記事なのだが、それによると平日は約42,000人、休日は約60,000人のお客様もの来店客があるとのことだ。まとめると、キーワードは、サービス・接客・品揃えを前提として上で、さらに「新ブランド」、「新商品」、「イベント」、そして「デパ地下」だ。いわれてみれば当たり前のことなのだろうが、当たり前のこととそれができることとは別の話だ。この当たり前のことができるというのも強みといえる。今後も期待できそうだ。また、純日系デパートの伊勢丹、これから進出する高島屋にも期待したい。