呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

ゆとり教育

2009年09月03日 | 未分類
 日本でゆとり教育という言葉が唱えられるようになって久しい。受験戦争があまりにも熾烈であったり、学校の管理があまりにも厳しかったりしたことを改善するためにゆとり教育なるものが始まったといわれている。ゆとり教育賛成派もいれば学力の低下につながるからだめだという反対派もおり、議論の尽きないところであろう。
 
 さて、中国ではどうだろうか。中国の教育は科挙の名残からか暗記教育、詰め込み教育の印象を持っている人もいるだろう。こんな中で江蘇省が風穴を開けた。なんと、宿題を与えることに対して制限を課す通達を出したのである。その名も《江蘇省学生体質健康促進条例》で、91日からスタートしている。この中で、生徒の学業負担を減らすため、また睡眠時間を確保させるために、以下の制限が設けられた。 
 学年
学校の授業時間
宿題に要する時間
小学生
      12年生
6時間
なし
      3-6年生
1時間以内
中学生
7時間
1.5時間以内
高校生
8時間
2時間以内
  授業や宿題の時間が制限される一方で、学校及び教師は補修クラスのようなものを一切行うことはできなくなった。これらに違反すれば責任者は処罰されてしまう。各科目の先生が宿題を課するような場合、それをどうやって規定時間内に収まる量に調整できるのだろうか、という議論が早速出ている。学力低下を心配する保護者も少なくないだろうが、このように強制化してしまえば不満も出しにくいだろう。こんなことをルールで強制化するところがいかにも中国的だ、と思ったのであった。
 
 
  日本ではゆとり教育の後に
モンスターペアレントと言う言葉も生まれた。中国でもモンスターペアレントなるものが発生していくのだろうか。ちょっと見て見たいような気もする。