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「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

新潟ビゲン高校 Strv m40L軽戦車 作ります!! その1

2019年11月30日 | ガルパン模型制作記

 最近、交流サークル仲間のモケジョさん達が熱中しているのが、上掲の「リボンの武者」第12巻に登場した「ムカデさんチーム連合」の軽戦車5車種の製作です。理由を聞くと、「軽戦車はカワイイ」「作りやすい」「色んなチームの集まりなので楽しい」等、なるほどな、と納得するものばかりでした。

 同時に、彼女たちの誰もが「ムカデさんチーム連合」の軽戦車5車種を全て製作するのは絶対に無理だ、ということも最初から分かっていました。私自身も「ムカデさんチーム連合」は面白そうだな、と感じてひとまず奈良グレゴール高校の38(t)戦車を作ったのですが、あとの4輌をどう作るかを検討した際に、新潟ビゲン高校のStrv m40軽戦車だけは適応キットが存在しない、と知ったからです。

 ですが、その1輌を欠いたままでは「ムカデさんチーム連合」の再現は永遠に望めません。望むのならば、なにがなんでも再現製作するという方向で取り組まないと駄目だな、と思いました。果たして、モケジョのミカさんからさりげなく訊かれました。
「セムラちゃんの戦車、どうします?星野さんは絶対に作るのですよね?」

「そういう美佳さんは作るんですか?」
「作りますけど・・・、星野さんが作られての記事を参考にしながら、です。エヘヘ・・・」
 その屈託ない笑顔を見つつ、またこのパターンか、と体中の力が抜ける思いでした。

 仕方がないので、とりあえず新潟ビゲン高校のStrv m40軽戦車について調べてみることにしました。

 

 ミカさんの言う「セムラちゃんの戦車」とは上図のStrv m40軽戦車を指します。ですが、ネットで検索してもあまり詳しい情報が集まらず、次善の策として、実車を所蔵するスウェーデンのアーセナル軍事博物館に直接メールで問い合わせました。上画像も送ったところ、Strv m40軽戦車のL型の後期生産型であることを知らされました。

 なんでも、Strv m40軽戦車は、スウェーデンのランズベルク社が生産したL型と、ランズベルク社の子会社のカールスバーグ社が生産したK型とがあり、それぞれに前期型と、改良した後期型とがあるのだそうです。上図のセムラ隊長の搭乗車は、Strv m40Lの後期型にあたり、アーセナル軍事博物館の表現では「2番目の生産タイプ」とされています。

 

 そういえば、新潟ビゲン高校チームも複数の車種を保有していることが月刊戦車道などの公式設定資料類からも知られています。例えば上掲の「リボンの武者」第9巻94ページには、同じStrv m40軽戦車のK型が登場します。
 この図もアーセナル軍事博物館に送って問い合わせましたので、間違いありません。

 

 さらに、第8巻の129ページには、 Strv m38軽戦車も出ています。他にStrv m42中戦車も所有していることになっていますが、まだコミック作中には出ていません。
 ちなみに新潟ビゲン高校チームはアニメ本編には出ていませんので、ここで取り上げている所有車輌は全てコミック「リボンの武者」における設定車輌です。

 

 母国スウェーデンのアーセナル軍事博物館に所蔵される、Strv m40Lの後期型です。これが「ムカデさんチーム連合」に参戦したセムラ隊長の搭乗車の実物です。私が問い合わせメールに入れた作中車画像に対して上図の画像を送って下さったので、これが元ネタなのだと分かりました。

 先方の学芸員にガルパンを御存知の方が居られたので、質疑応答もスムーズに進み、かつ懇切丁寧にアドバイスいただきました。4回の英文でのメールのやり取りにて大体の情報が把握出来ました。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。

 

 さらに、Strv m40Lの開発設計時の略図も数点紹介していただきました。本当はプラモデル製作のために正式な正面、側面、上面、背面の四面図が無いかと問い合わせたのですが、それらは軍事機密図に準ずるのでお見せ出来ない、代わりに俯瞰略図を示します、ということでした。関連するネット上の記事や情報ページなども紹介いただきました。

 

 ですが、こうした略図でも模型制作の参考になります。アーセナル軍事博物館の公式サイトやネット上での関連記事にも掲載されています。
 元記事はこちらこちら

 

 作中車に該当するStrv m40Lの昔の写真です。L型の改良版つまり後期生産タイプの正面の状況がよく分かります。
 アーセナル軍事博物館の御教示によれば、L型の分かりやすい特徴は、砲塔に2つある機銃のうち、主砲の隣のほうがやや下にセットされる点だそうです。K型では2つの機銃が同じ高さに並ぶので、識別が容易である、ということでした。
 そして、車体前面に、中央の前照灯をもカバーする増加装甲が追加されているのが、L型の改良版つまり後期生産タイプの特徴だということです。

 

 こちらもStrv m40Lの昔の写真です。L型の前期生産タイプにあたりますが、側面観は同じだそうです。足回りはランズベルク社が開発したL-60軽戦車のそれをそのまま踏襲し、車体と砲塔のデザインを変更して大型化したのがStrv m40軽戦車の基本形である、ということでした。

 ランズベルク社が開発したL-60軽戦車は、ハンガリーにも輸出されて軍に採用され、「38Mトルディ」の名称でライセンス生産および発展型の開発が図られています。
 この「38Mトルディ」の最初の型であるⅠ型(A20)は、車体前部と足回りがL-60軽戦車そのままなので、同じL-60軽戦車からの発展形であるStrv m40と共通する部分が最も多い、というのがアーセナル軍事博物館からの御教示でしたが、この内容が、結果的には私の再現製作への突破口となりました。

 

 なぜならば、ハンガリーの38MトルディⅠ型(A20)のキットがホビーボスから出ているからです。これを使用すれば、足回りと車体前面部に関してはStrv m40Lと共通ですから、残る部分を改造工作すれば良いことになります。
 最初は全スクラッチでの製作しかないと覚悟していましたから、ベースキットが明らかになったのは大きな前進でした。制作へのモチベーションも大いに上がったのは言うまでもありませんでした。

 

 中身です。細かいパーツ割りで知られるホビーボスの製品にしては意外にもあっさりとした構成でした。38MトルディⅠ型(A20)は軽戦車でも比較的小型に属し、外観が割とシンプルなデザインであるため、パーツ群も複雑にはなり得ないのかもしれません。

 

 左は車体塗装図ですが、これはハンガリー軍のそれなので、今回の再現製作には関連しません。右の組み立てガイドも、関連する部分のみを見て従うことになります。  (続く)

 


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