M4A6への改造工作の最終ステップは、上掲の実車後部天板の独特の形状に合わせる作業です。御覧のように、シャーマン系列の他の各種の車輌には見られない楕円形の丸い盛り上がりがあり、M4A6の外見上の特徴の一つとなっています。
ステップ5にて不要モールドを削ってフラットに仕上げてあった天板A9に、楕円形部分の基盤をブラ板でこしらえて貼り付け、2ヶ所のヒンジと6ヶ所の方形金具をブラ板で再現しました。
続いて、不足するリベットの位置を鉛筆でトレースしました。
次に、リベットを各所に追加しました。全部で26個を取り付けましたが、そのうちの14個は基盤周縁部に並べました。
組み立てガイドに示される小部品類も取り付けておきます。バックランプとそのガードです。
全て取り付けました。
ついでに、塗装後に取り付ける車外装備品類の仮組みを行ないました。
劇中車のシーンでは、これらの車外装備品類が見えません。なので、その配置は実車の記録写真を参考にして決めました。
楕円形の丸い盛り上がり部分を作ります。左は車体に貼りつけた基盤の原板です。右は1ミリ厚のブラ板を重ねたもので、これを盛り上がり部分にします。
エポキシパテで丸く盛り上げた形に作りました。幾分厚めに作っておき、二日ほど置いて乾燥して固まった後にナイフやヤスリで削り調整を行いました。
この盛り上がり部分は、M4A6が搭載するキャタピラー・トラクター社のD200Aエンジンが大きくて車内空間から少しはみ出すのをカバーしたものだそうです。このD200Aエンジンは、空冷星型のガソリンエンジンをディーゼル化しており、先進的かつ性能的にも有望とされましたが、M4A6の生産が始まった1943年10月には既にM4A3が主力生産車種になっていたため、M4A6のほうは僅か75両の生産に終わり、米国本土で訓練にだけ使用されたということです。
なので、M4A6は母国での知名度も低く、プラモデルキット化も未だになされていません。そんなマイナーな車種まで登場させてしまうガルパンというアニメは、本当にマニアックですね・・・。
削ってヤスって整形したものを基盤上にセットしました。サイズ的にはややオーバー気味ですが、独特の盛り上がり形状が具現出来れば良いので、これで完了としました。
砲塔を仮セットしてみました。ほぼ実車の姿にまとまりました。ガルパンプラモデルの難関の一つと言われていたM4A6でしたが、作ってみると意外にもアッサリ出来てしまった、というのが正直な実感です。
ともあれ、これで塗装前の組み立て及び改造工作の全てが終了しました。 (続く)