サークル交流仲間のモケジョさん達がガルパンに目覚めて以来、既に3年余りが過ぎようとしていますが、いまだにガルパン戦車への興味が持続しているのには、驚かされ、かつ感心させられます。
彼女たちは、以前にはガンプラを5年ぐらい楽しんでいたそうなのですが、いまでは目もくれないようで、模型店でもガンプラコーナーは見事なほどにスルーしています。とにかく戦車、戦車と騒いで楽しんでおり、まるでリアル秋山優花里を見ているようです。
ですが、秋山優花里ほどに戦車には詳しくなく、7人全員が軍事や兵器に関しては素人です。ガルパンのアニメを観て、関連刊行物を読んで、得た情報が彼女たちの知識の全てであると言えましょう。
なので、分からない事があると、何でもかんでも私に聞いてきます。電話かメールのいずれかで問い合わせが無い日のほうが少ないぐらいです。
ですが、これまでの3年間、一度も電話かメールでの問い合わせをしなかったモケジョさんが一人だけ居ました。月一度のサークルの定期会合には必ず出席しており、その際に質疑応答をやっていますから、それで充分であったようです。
ですが、9月の初め頃に、そのクミエさんから珍しいことに問い合わせのメールが初めて届きました。最初は「誰かな?と首を傾げてしまいました。
問い合わせの内容は、コミック「リボンの武者」の12巻に登場した、上図の「ムカデさんチーム連合」のカフカの38(t)戦車に関してでした。奈良グレゴール高校の所有車です。
そうか、クミエさんは奈良県民だったな、と思い当りました。地元チームの詳細を知りたくなったか、そのプラモデルを作りたくなったか、たぶん両方だろうな、と思いました。私自身も奈良県に26年間住んでいて愛着がありますから、彼女の気持ちは大変によく分かりました。
上図が、「ムカデさんチーム連合」に参戦した、奈良グレゴール高校のカフカ隊長の38(t)戦車です。大洗女子学園カメさんチームの初期の搭乗車と同じですが、形式は異なります。形状および装備品の状況から見てE型またはF型とみられますが、これは以前に制作した伯爵高校チームの車輌と同じです。
クミエさんは、「リボンの武者」も愛読していますから、地元奈良のチームの戦車が活躍しているのが嬉しい筈です。絶対プラモデルも作るに決まっています。それでメールで説明や質疑応答をやって、適応キットや製作ポイントなどを述べました。
そうこうしているうちに、私自身も作りたくなってしまいました。ではお互いに楽しみますか、ということになりました。
幸い、私の手元には上図のイタレリのキットがありました。以前に伯爵高校チームの車輌を制作したときにも同じキットを使いましたが、その後に中古ショップでまた見つけて買っておいたものです。38(t)戦車に関しては、ドラゴンのキットより楽に組めますので、個人的にはイチオシのキットです。
製作の手順は、制作した伯爵高校チームの車輌と同じでしたので、ここではステップごとの工作記事は省きます。伯爵高校チームの同型車輌の製作記事を御参照下さい。
約3時間で塗装前の組み立てを終えました。車外装備品など、不足するパーツはジャンクから調達しました。
車体色は、上掲のスロバキア陸軍の戦車のカラー図を参考にして、一番上の赤枠の車体色にしました。
クミエさんも、「出身高校の制服の色みたい」と言う理由でこれを選んだそうです。それを聞いて彼女の出身高校を初めて知りました。いい学校出てますねえ・・・。
さて、私の製作においては上図のように、ミスターカラーの119番のRLM79サンドイエローを吹き付けました。前掲のカラー図に合わせての選択でした。
タイヤゴム部分はポスカの黒で塗りました。
装備品類もドンドン塗りました。金属部分は28番の黒鋼色、木製部分は44番のタンで塗りました。
砲塔および車体前面の機銃を28番の黒鋼色で塗り、予備履帯を取り付けました。
排気管は、42番のマガホニーで塗りました。
ガルパンに限らず、アニメでの着彩色は原則として対象が同じなら同じカラーになります。例えばガルパンではヘッツァーおよび38(t)戦車の排気管は同形同位置にあるので、配色も共通になるはずです。
私自身は塗装カラーにあまり細かくこだわるほうではないので、製作するガルパン車輌のカラー配分は基本的に同系であれば充分、と定めています。排気管はだいたい42番のマガホニーで塗るようにしています。
車輌ごとに色が異なる、という概念は、あくまでもガチのAFVモデラーのものであって、アニメの戦車には別の色彩体系があるべきだろう、というのが私の基本理解です。
デカールは、モデルカステンのガルパンデカールセットVol.3に奈良グレゴール高校のそれが入っていますので、その適当なサイズを2枚使いました。コミックの作中車を見ると、校章マークは砲塔左右にのみ認められるからです。
デカールを貼り終えました。厳密には車体前面のエンジン点検ハッチ表面に「毒虫」のマークがあるべきですが、再現が困難なので見送りました。
これで完成です。ですがこれで終わりではありませんでした。もと奈良県民であった私としては、カフカ隊長という個性的なキャラクターにも愛着めいたものを抱いています。
それで、今回は戦車とあわせてカフカ隊長も作ってみるか、と考えました。 (続く)