気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

知波単学園チームの特二式内火艇カミのキット

2019年07月04日 | ガルパン模型制作記

 御存知、知波単学園チームの特二式内火艇カミです。帝国海軍が九五式軽戦車をベースにして開発した水陸両用車輌の一種です。設計にあたった陸軍技術本部第四研究所の上西甚蔵技師の名前にちなんで「カミ車」と呼ばれ、そのまま制式名称になっています。

 

  

 ガルパンの知波単学園チームにおいては、海軍の車輌であった史実にちなんでか、実際の車輌には無かった海軍式の対空対潜迷彩が施されています。プラモデルで再現する場合においても日本海軍艦艇用の塗料が必要になります。
 帝国海軍の対空対潜迷彩の基本カラーは6種あったとされ、このうち、航空母艦や輸送船などに塗られた緑の「外舷21号色」、薄緑の「外舷22号色」、波涛を表した一号色こと「白色」、海面を表した五号色こと「深青色」の4種が戦後の米軍撮影のカラー映像などから確認出来ます。
 さらに、航空母艦の飛行甲板の対空迷彩には茶色や焦げ茶色もあったようで、乗組員の証言では「土色」と表現されています。いわゆるリノリウム板のカラーを応用したものと推定されます。

 上図の知波単学園チームの車輌においては、カミングタワーおよび通気筒の傘部は白く塗られ、前部フロートおよび車輌本体の上半分、後部フロート全体に「外舷21号色」および「外舷22号色」が配されています。舷側には白波が引かれています。
 そして、前部フロートおよび車輌本体の下半分は上図では黒っぽく見えますが、地面をあらわす焦げ茶系のカラーになっています。リノリウム板のカラーよりは暗めの色です。

 したがって、基本的にはミスターカラーの604番「外舷21号色」、605番「外舷22号色」、606番「リノリウム」、62番「つや消し白」の4種の塗料を揃え、それぞれのお好みで色の明暗を調節すればよいかと思います。

 

 続いて、適応キットですが、現時点では1/35スケール、1/72スケールともにドラゴンおよびサイバーホビーから発売されている製品のみです。ここでは1/35スケール品を紹介しますが、内容は1/72スケールも同じになっています。
 特二式内火艇カミは、前部フロートの形式によって前期型と後期型とに分類されます。違いは、前部フロートが一体式か分割式か、です。上図のキットは前部フロートが一体式になっている前期型です。
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 特二式内火艇カミは、戦時中に前期型と後期型あわせて約180輌が製造されたそうですが、昭和19年頃の太平洋諸島各地での戦闘に投入されたのは殆ど後期型であったようです。

 関係者の証言等によりますと、昭和17年の制式採用後の内地での運用実験および輸送艦への積載時に、前部フロートが一体式だと色々と手間取ることが判明したそうです。例えば前部フロートを外すと、そのまま前に落ちるので、それが車輌の前進を一時的に妨げてしまったりするわけです。
 そこで、左右分割式にすると、外した時に左右に転がるので、前方は開けて車輌の前進もスムーズに出来ることになります。何よりも左右分割ですと、フロートの重量も半減されますから、着脱作業がより楽になります。
 それで左右分割式の前部フロートを正式に採用した上で量産を展開し、昭和18年以降より南方の島嶼地域の陸戦隊に順次配備した、ということです。そのためか、各地の戦跡に現存する実車も後期型が多いようです。

 

 そして、上図のキットが後期型にあたります。前部フロートの中央に分割線が入っている点、および戦車本体前面との間に作業用および退避用空間の窪みが設けられている点が、前期型との識別点です。ガルパンの劇中車は、このタイプに相当しますので、これが唯一の適応キットと言えます。

 おそらく、いずれはプラッツより公式キット化が図られるものと予想されますが、現時点ではまだ情報がありません。
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 ドラゴンからは、前後のフロートを外して戦車としての姿になった状態のキットも出ています。ガルパンの劇中車は、2隻のうちの二号艇が大洗女子学園チームとの水際戦にて前部フロートを吹っ飛ばされ、以後は前部フロートが無い状態で行動しています。ただ、後部フロートは維持したままですので、上図のキットにおいては後部フロートのパーツが不足します。
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 ドラゴンの製品群が発売される以前は、上図のようなレジンキットの存在が知られていました。現在ではほぼ入手不可能に近い状態になっているそうです。ごくまれに、中古リサイクルショップや通販サイトで見かける場合があるそうてすが、レジンキットですから、製作するにもある程度のテクニックが必要でしょう。
 なので、現時点では、ドラゴンの製品群を探すか、近々出るであろう公式キットを待つのが良いかと思います。

 


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