ステップ2では、サスペンションを組み立てます。今回の製作におけるヤマ場の一つであり、幾つかの改造および修正作業を伴います。元のパーツに欠陥があるため、そのまま組むと綺麗に出来上がらないからです。
欠陥のあるパーツとは、上図の転輪パーツB30およびB31です。サスペンションの軸部よりも、転輪部分の幅が大きいので、そのままですと組み込めません。
試しに、転輪パーツB30およびB31をそのまま仮組みしてみました。御覧のようにサスペンションのB9またはB11の軸部が完全に転輪の軸穴の中に入ってしまっています。このままだとB9またはB11と、B26またはB34との組み付けが不可能です。
そこで、転輪パーツB30およびB31の中央部分を均等にヤスリで0.3ミリほど削りました。合わせて0.6ミリぐらい縮まる計算です。
削った転輪パーツB30およびB31を仮組みしてみました。御覧のように、今度はサスペンションのB9またはB11の軸部が正しく突き出た状態になりました。これによって転輪も回る状態になりますので、塗装の時にもゴム部分を楽に塗り分ける事が出来ます。
この要領で転輪4つを1基のサスペンションに組み込みました。しかし、この段階では内側の転輪2つが回りません。
なぜかというと、上図のようにB9またはB11、B26またはB34の内側に張り出し部分があり、これが転輪をはさみこむ形で捉えてしまうからです。
そこで、内側の張り出し部分を削って、転輪との干渉範囲を無くしました。
これで転輪は4つとも軽快にコロコロ回るようになりました。私の製作においては、転輪を回しながらポスカの黒で塗装するのが常なので、転輪を可動にする必要があります。それでこのような修正を行うわけです。
なので、転輪を接着して固定する場合は、前述の削り修正は必要ありません。
ここで、劇中車の状態を確認しておきましょう。御覧のように、サスペンションの軸押さえ部の上面に2個のボルトがあります。小さくて見づらいですが、公式設定資料の図面でもボルトの存在がはっきりしています。キットのパーツにおいてはこのボルトが省略されています。
このボルトに関しては、キットに入っているイタレリ製の実車写真解説ガイドの17ページの右中央写真、28ページの写真2枚でも見られます。
また、サスペンションの取り付け軸部のハブキャップにあたるパーツB33の向きに注意しなければなりません。3個のリベットが一直線に並びますが、そのラインが右側面においては右側を下にして約45度傾き、左側面においては左側を下にして約45度傾きます。この点は、キットの指示では触れられていませんから、見落とされやすいですが、劇中シーンや公式設定資料の図面では明確に捉えられます。
これをふまえて、パーツB33の向きは、右側面と左側面とで2つずつ同じ向きにセットしました。
サスペンション4セットが組みあがりました。
最後に、サスペンションの軸押さえ部上面の2個のボルトを、ジャンクパーツのボルトをカットして取り付けました。小さくて目立たないですが、実車にも劇中車にも存在する以上、無視するわけにはいきませんでした。 (続く)