気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

けいおん!の聖地をゆく10 その5 軽音部部室の長椅子

2017年07月25日 | 洛中洛外聖地巡礼記

 今回は、劇中の軽音部部室のモデルとなった、この会議室の細部や調度品などを細かく見学し、色んな角度からの写真も撮りました。日本一の聖地中の聖地とうたわれる場所なので、長い事見物していても飽きませんし、何枚写真を撮っても足りないという気がします。


 黒板は木枠の古風なスタイルで味わいがありますが、脇の掲示板は後から追加されたものらしく、スチール枠です。


 黒板の上にはロールスクリーンが設けられますが、いまは軸部のみです。スクリーン本体は取り外されて転用されたのでしょうか。


 床からロールスクリーンまでの高さはかなりあります。欧米の教育施設では縦長のロールスクリーンが一般的であったらしいのですが、日本では割と横幅のあるスクリーンが多かったと聞きます。その意味ではここのロールスクリーンは洋風であった、ということになるでしょうか。


 黒板に面して置かれた長椅子です。木製で、劇中に出てくる椅子のモデルになったとみられますが、外見や構造はかなり異なります。実物の方が長く、構造もかなり複雑です。


 よくみますと、背もたれ部の後ろには書類棚が設けられています。教科書やノート等を並べて収容出来る幅があります。


 壁際に配列される長椅子は長さがやや短いです。部屋の寸法に合わせて作ってあるようです。


 細部を見ますと、どこにも角ばった所がありません。隅部は丸く仕上げられ、生徒がぶつけたときに怪我をしないように配慮されています。見た目にも優雅なスタイルです。椅子一つとっても、この学校のしつらえの細やかさが感じられます。教育施設としての理想の姿がいかにして追求されたか、が伺えます。


 背もたれ部は後ろに傾けられていますので、ゆったりと腰かけることが出来て体への負担も軽いです。生徒が楽な姿勢で授業を受けられるように、という配慮が細やかに行き届いています。戦前の日本の小学校の直線的な作りの椅子とは全然違います。こういうところに、文化力の差が浮き彫りになって見えます。


 大学で建築文化論を学んだ際に、あるべき建築の意匠は内包する調度や建具にも一貫して表される、という意味の概念があったと記憶しています。豊郷小学校を設計したヴォーリズもその理想像に忠実であったのに相違ありません。椅子一つとっても、日本風のそれとはまったく異なる思想に裏打ちされています。


 劇中の長椅子は、この半分ぐらいの長さだったかな、と思います。三人が座って埋まっている、という公式イラストを見たような気がしますが、いずれにしてもHTTの5人全員が揃って椅子に並んでいるシーンを見たことがありません。 (続く)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする