現在、衆議院法務委員会で審議されている
外国人の技能実習の適正な実施及び
技能実習生の保護に関する法律案(189国会閣30)と、
出入国管理及び難民認定法の一部を
改正する法律案(189国会閣31)の質疑を注目しています。
今回の改正概要は、以下のとおりですが、
私達入管申請取次行政書士達が最も注目している点は、
申請取次者としての行政書士や弁護士が罰則の強化により、
安易に逮捕拘留されるのではないかという不安です。
つまり、偽りその他不正の手段により、上陸許可や
在留資格変更許可等を受けた場合の罰則(70条関係)や、
営利目的で上記の実行を容易にした場合の罰則(74条の6関係)
において、不正を画策する外国人や、或いは、日本人を含む
ブローカーなどに騙されてしまい、知らぬ間に関わってしまった
ような場合に、上記の罰則が安易に適用されるのではないのか
という不安が当然ながら起こってきます。
実際、10数年前に、たまたまですが、ある弁護士さんが、
ご本人の知らぬ間に本物と見分けの付かない偽造の婚姻届や
出生証明書の提出を代理してしまったケースを
偶然発見したことがありました。
また、日本人男性側は本気ですが、相手の外国人女性が
どうも在留資格目当ての色仕掛けで、依頼してきた
ではないのかと疑われた事案に遭遇(勿論、お断りしました!)
した経験もあります。
井上入管局長の答弁に依れば、「これらの犯罪の構成要件は、
故意犯であることが必要であり、過失では故意犯に当たらない」
と答弁したものの、例えば、後者のような場合で、
疑わしいと思った事案を仮に扱ってしまった場合に、
故意か、或いは、過失かという判断については、
心の中の問題でもあり、当局側の判断が優先される危険性が
極めて高いように感じます。
勿論、悪質なブローカーやこれらの連中に荷担する
同業者への厳しい処罰は必要だとは私も考えますが、
この条文の運用次第では、疑わしきは、片っ端から検挙
という事態になったら大変怖いような気もしています。
民進党の井出庸生代議士と井上入管局長との質疑応答は、
5月11日の衆議院法務委員会のインターネット審議中継録画の
開始から2時間21分頃の映像で見ることができます。
いずれにしても、継続審議であれば特に罰則規定については、
「恣意的な運用を行わず、慎重に運用する」等の
付帯決議を付けていただくか、或いは、
技能実習生に実習先の選択権が無いことが、
相変わらずの実習先での労基法違反の温床となっている点や、
「他の活動を行おうとしている」というだけで、
在留資格の取消対象となってしまうという
運用次第では、取消権の乱用となりそうな今回の改正案は、
一旦廃案にして欲しいと個人的には思っています。
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外国人の技能実習の適正な実施及び
技能実習生の保護に関する法律案(189国会閣30)と、
出入国管理及び難民認定法の一部を
改正する法律案(189国会閣31)の質疑を注目しています。
今回の改正概要は、以下のとおりですが、
私達入管申請取次行政書士達が最も注目している点は、
申請取次者としての行政書士や弁護士が罰則の強化により、
安易に逮捕拘留されるのではないかという不安です。
つまり、偽りその他不正の手段により、上陸許可や
在留資格変更許可等を受けた場合の罰則(70条関係)や、
営利目的で上記の実行を容易にした場合の罰則(74条の6関係)
において、不正を画策する外国人や、或いは、日本人を含む
ブローカーなどに騙されてしまい、知らぬ間に関わってしまった
ような場合に、上記の罰則が安易に適用されるのではないのか
という不安が当然ながら起こってきます。
実際、10数年前に、たまたまですが、ある弁護士さんが、
ご本人の知らぬ間に本物と見分けの付かない偽造の婚姻届や
出生証明書の提出を代理してしまったケースを
偶然発見したことがありました。
また、日本人男性側は本気ですが、相手の外国人女性が
どうも在留資格目当ての色仕掛けで、依頼してきた
ではないのかと疑われた事案に遭遇(勿論、お断りしました!)
した経験もあります。
井上入管局長の答弁に依れば、「これらの犯罪の構成要件は、
故意犯であることが必要であり、過失では故意犯に当たらない」
と答弁したものの、例えば、後者のような場合で、
疑わしいと思った事案を仮に扱ってしまった場合に、
故意か、或いは、過失かという判断については、
心の中の問題でもあり、当局側の判断が優先される危険性が
極めて高いように感じます。
勿論、悪質なブローカーやこれらの連中に荷担する
同業者への厳しい処罰は必要だとは私も考えますが、
この条文の運用次第では、疑わしきは、片っ端から検挙
という事態になったら大変怖いような気もしています。
民進党の井出庸生代議士と井上入管局長との質疑応答は、
5月11日の衆議院法務委員会のインターネット審議中継録画の
開始から2時間21分頃の映像で見ることができます。
いずれにしても、継続審議であれば特に罰則規定については、
「恣意的な運用を行わず、慎重に運用する」等の
付帯決議を付けていただくか、或いは、
技能実習生に実習先の選択権が無いことが、
相変わらずの実習先での労基法違反の温床となっている点や、
「他の活動を行おうとしている」というだけで、
在留資格の取消対象となってしまうという
運用次第では、取消権の乱用となりそうな今回の改正案は、
一旦廃案にして欲しいと個人的には思っています。
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