背（はい）乗りという手口にご注意！

　愛知県警の外事課は先月２７日、同市栄４の

　フィリピンパブ「ＣＬＵＢ　ＷＯＭＡＮ’Ｓ」を摘発し、

　従業員の女５人を出入国管理法違反（不法在留）容疑で

　逮捕したのだそうだ。

　捜査関係者によると、女らは実在する同国籍の

　成人女性になりすまし、日本人と結婚したとする

　虚偽の婚姻届を役所に提出した疑いがあるらしい。

　つまり、なりすましで、就労の年齢制限をクリアし、

　偽装結婚で在留資格を取得していたとみられる。

　こういった手口の事を、背乗り（はいのり）と

　言うのだそうで、もともと工作員が他国人の

　身分・戸籍を乗っ取る行為を指す捜査用語なのだそうだ。

　今は少なくなったが、私が日系人の在留資格を数多く

　扱っていた頃は、いわゆる「偽日系人」や

　過去に強制退去されられた外国人等が、

　他人や親族の旅券で入ってくる「なしすまし」が、

　相当数、実際にあったのである。

　そのため、こういった「偽日系人」や「なりすまし」の

　外国人の手続に関与しない為にも、色々な立証資料を

　あれこれ理由を付けて出して貰っていた。

　それでも、見抜けなかったケースもあり、

　何度か欺された苦い経験がある。

　という訳で、在留資格手続は、一見華やかに見えるが、

　実際は、大変リスクの高い、かつ、大変デリケートで、

　注意を要する手続でもあるのだ。

　それこそ、安易に考えて受任した場合、

　事件に巻き込まれている危険性もあり得る

　決して簡単な業務では無いのである。

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