銀城歌劇団楽屋日記

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1981年のスワンソング・感想前編

2016年03月19日 14時39分43秒 | 劇団楽屋日記
どもども~!寿ぶりにに連休が取れたと言う事でブログに戻ってきました、輪迦です

だけど今日書く事はBUCK-TICKの話ではなく、通勤用に借りた本の中で久々に面白いなと言う1冊があったのでソレの感想です

今日紹介するのは五十嵐貴久著・「1981年のスワンソング(幻冬舎発行・1728円)」↑

話の内容はと言いますと2014年に暮らす平凡なサラリーマン・松尾俊介(29)がある日突然1981年にタイムスリップしてしまい、生活費を稼ぐために普段聞いているJ-POPをアコギでアレンジして路上ライブをする事に(俊介は大学時代にバンドでギターを弾いていたと言う設定)

数日経ったある日、彼の斬新な曲がマウンテンレコードのディレクター・黒川小夜子の目に止まり俊介に自身の担当する売れないデュオ「イエロープードル(以下、イエプー)」のゴーストライターにならないかと誘う。最初は歴史改変になると躊躇した俊介だが、これからの衣食住を確保するためにやむをえず俊介は未来の名曲の数々を「自分の曲」と偽って提供する事に…

その後、俊介は紹介されたイエプーの2人に何曲か聞かせ「これがいい」と選んだ国民的アイドルの大ヒット曲をシングルレコード化(CDはまだ無い!)したら一発大逆転のメガヒットを飛ばし、イエプーはたちまちスターダムに!!

現在のメガヒットの発生源はTVとのタイアップや動画サイトが主だったりするけど、イエプーの場合は深夜放送で注目されてブレイクしたと言うのがいかにも80年代っぽいと言いますか、その後初のメディア出演と言う事でイエプーは俊介や小夜子に付き添われて有楽町のニッポン放送(LF)に行くのだが、かつて五十嵐氏はニッポン放送のANNをモデルにした小説「リミット」を書いただけあって社内の様子がリアルに描かれていましたね

リアルと言えばこの本では物語の登場人物やレコード会社は架空の設定なのに業界内のシーンでは現在も活躍している実在の有名人やスターが大勢登場し、主人公と絡む場面があるのですけど、文中では実在の人物達のセリフの言い回しがかなり忠実に再現されていて作者の観察眼の鋭さが伺えましたね

先のLFのシーンでは放送作家時代の秋元康が登場し、初対面の俊介に「僕は本当は作詞家になりたいんだ。誰か紹介してくれませんか?」と貪欲にせまる場面があるのだがAKB関係の氏のキャリアを知っている俊介は「貴方は日本一の作詞家になってアイドルに死ぬほど詞を書く事になるだろう」と鮮やかに言い放つ

かと思えば、イエプーの快進撃が続いてTBSの「ザ・ベストテン」に出演するためにTV局入りした際に遭遇した、今も見た目が変わらないタマネギ頭の司会者の早口に辟易し、近藤真彦に挨拶するためにリハのスタジオを訪問したらまだ小学生の事務所の後輩が見学に来ていて彼のタルそうな物言いと整った顔立ちにピンと来た俊介は少年に近づき、「君は将来、芸能界を代表するスターになる!」と告げてポカンとされたり…

なんせコッチは未来の彼らを全員知っているだけに、一連の描写には笑いが止まりませんでしたね

しかしその一方で俊介が次のSg用に渡した曲が実は翌年某女性アイドルが歌うヒット曲とは知らずに渡してしまい、TV局にて女性アイドルのディレクターから盗作かと疑われるシーンを読んだ時は結構ハラハラしましたね

そんなこんなで様々な人と出会い、イエプーのブレーンとして81年でたくましく生きていく決意を固めた俊介だったが彼らの今後を決めるマウンテンの会議の席上にて暗雲が立ちこめ・・・・感想の続きはこの次に
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