風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

イラガの成虫

2019年06月18日 | 蛾の観察や飼育
2月のある寒い日に、庭でイラガの繭を見つけました。
うちにもイラガが居たんだ・・・なんだか嬉しい(´ー`)
桜の木や街路樹にくっ付いている、空っぽの繭は何度も見たことがあるけど
こんなふうにフタの開いていない、ツルンとした繭を手にしたのは初めてでした。


「刺されると痛い毛虫」を検索すると
火花みたいなトゲをまとった「イラガ」の幼虫の写真が、画面いっぱいに並びます。
幼虫は有名なんだけど、成虫ってどんなの?
幼虫のインパクトが強すぎて、蛾になった姿を想像したこともありませんでした。
イラガの成虫を見てみたくて、繭の付いた枝を切って「サナギ室」へ連れてきました。


どれくらいで羽化するのかなぁ・・・
イラガの幼虫は、カキ、サクラ、ウメ、カエデ、ヤナギ、クリなど
多くの種類の植物を食べるらしいです。
これらの植物が春に芽吹いて、葉が大きくなる頃に成虫が羽化して、タマゴを産むのかな。
昆虫を育てるとき、幼虫の時はエサを確保するのが大変だけど、サナギになっちゃうと今度は
生きてる?ねえ、死んでないよね!って、羽化するまで心配でたまりません(^^ゞ

冬を越して春も過ぎ、梅雨入りして蒸し暑くなってきた先日
朝起きて飼育ケースを見たら、イラガの繭のフタが開いていました。
繭の中には、サナギの抜け殻が詰まっています。

羽化したんだ\(^o^)/

ケースの底にいた成虫の蛾を、そっと別の容器に移しました。


第一印象は・・・地味、だね・・・
子どもの頃の面影は一切なくて、別人みたいです(^^ゞ


室内で写真を何枚か撮らせて貰ってから、庭へ放すことにしました。
小さい蛾・・・この子から産まれた幼虫が、トゲトゲの戦闘服毛虫になるなんて信じられない感じです。


頭の辺りの毛が薄くなっていて、翅の先も傷がありました。
夜中に羽化して、ケースの中で暴れたのかな?
可哀想に、申し訳ないことをしました。

しばらく葉っぱの上にいましたが、庭の茂みの中へ飛んでいきました。

部屋に戻って、繭の様子を観察しました。
抜け殻と、繭の上部に開いた穴のフタです。
フタは切り取られて下へ落ちるので、野外で見ることは無いと思います。


イラガの成虫が、どうやって硬い繭を、こんなにきれいな円形に切り取れるのか?


どの繭を見ても、この位置に、このサイズの穴が開いています。


イラガの繭は、幾つもの層からできていて、それを作る工程はとても興味深いです。
幼虫は最初に、体を包む荒い繭を絹糸で作って、次に時間が経つと硬くなる液体(笑)を出して
繭の内壁を回転しながら、糸の隙間を埋めるように液を塗り込んでいきます。
この回転時に、幼虫の体にある突起が、繭の内側上部に円周に傷をつけるのだそうです。
だからコンパスで描いたような円形なのですね。


幼虫のまま繭の中で冬を越して、やがてサナギになります。
サナギから羽化した成虫は「キリトリ線」のついた脱出口を、内側から押し上げて出てくるのです。
すごい仕組みです!
もしかしたら、幼虫のトゲの付いた突起は、この穴を開けるためにあるのかも!と思いました(^^)

この繭の殻・・・捨てちゃうのはもったいない気がしてきました(笑)
小さな多肉植物を植えてみようかな、なーんてね(^-^)V

今年、もし庭でイラガの幼虫に出会えたら・・・
繭を作る様子を観察してみたいと思います(^^)
コメント (12)
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