風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

ウサギ耳御一行さま、ふたたび。

2023年10月15日 | 蝶の観察や飼育
庭で育てているジュズダマの葉に
2匹のクロコマノチョウの幼虫がいて
その子たちが蝶になって旅立ってから、わずか3日後の朝
水やりの時に、ジュズダマをふと見ると・・・
え?なんでまだいるの?


前に見つけた2匹と一緒に生まれた兄弟?
一瞬そう思いましたが
この子はまだ終齢前の黒いお面をつけています。
見つけた3匹を部屋につれてきました。
夕方にも1匹発見して、ぜんぶで4匹になりました(^^ゞ


2日後には、各自思い思いの場所で脱皮をしました。
幼虫の脱皮時には、体を固定するための「糸座」というものを作ります。
この子は飼育ケースの壁面を選んだようです。
裏側から見ると、かなり広範囲に糸を張り巡らせているのが分かります。


1時間半後、脱皮が完了しました。
糸座に抜け殻を固定して前進することで
スムーズに殻を脱ぐことができるそうです。
黒ウサギのお面もカパッと外れています(^m^)


4匹とも、無事に終齢幼虫になりました。



翌朝、水まきしながら
この子たちがサナギになるまでエサの葉は足りるかなぁ
なんて思っていたら・・・
なんと!また見つけてしまいました。
数日前、あんなに葉の裏をよく見ても居なかったのに、どうして?
3匹追加になりました(ll゚д゚)


そして夕方、もう1匹の子と目が合って(笑)
幼虫は8匹になりました。
成長具合が同じなので
たぶん一緒に産卵された兄弟でしょう。
お母さんは、最初の2匹と同じかな。


**
前回、飼育が2匹だった時は
エサの葉もそれほど食べないし
大食いのスズメガに比べたら楽勝!と思っていたのですが
さすがに8匹となると、夜に入れた葉が朝には葉脈だけになっていて
「お腹空いた~、ご飯はまだか~」の圧力が凄い(^^ゞ
そこで、試しにイネ科の植物の葉を何種類か与えてみることにしました。
結果は、ススキはよく食べるが葉の面積が小さいので、すぐ無くなる。
チジミザサは大量に庭にあるけど、それほど好きではないみたい。
その他、ヌカキビやエノコログサは、葉の上に乗るには柔らか過ぎるのか
不人気で、誰もかじりませんでした。


うちに来て約10日後、4匹が揃って前蛹になりました。
誰がいちばん長くぶら下がっていられるか!
腹筋自慢のようで、可愛らしい光景です(^m^)


サナギになって9日後、ぶら下がった中の1匹に
羽化の兆候が現れました。


同じ日の午前中、ススキの葉の葉脈でサナギになった子と


どうしてフタ裏を選ばなかったのか?
飼育ケースの壁面でサナギになった子が
同じタイミングで黒く変色していました。


その日の夕方、5時頃に3匹とも羽化しました。


サナギから出てくるところを見たくて
午後からも見張っていたのですが
夕方の忙しい時間に、みんな羽化していました(^^ゞ


きれいなメスです。


庭の奥の、日陰で湿っぽい場所に3匹を放しにきました。


ケースのフタを取ると、蝶が歩いて出てきます。
羽化したばかりなので、まだボンヤリしているのです(^m^)


クロコノマチョウは成虫で冬を越します。
チジミザサに止まって、こちらをみている子に
これから来る寒い季節を想って
どうか無事でね、とお別れを言いました。


***
3羽を見送った2日後
ぶら下がった残りのサナギ3匹と・・


割りばしの子が黒くなりました。


今回も1匹、サナギになる時に落下した子がいて(^^ゞ
前の時と同じように、ボンドでくっ付けて割りばしにぶら下げました。


でもこのサナギ、左右対称でなくていびつな形をしているのです。
大丈夫かな?
羽化不全も覚悟していたのですが


仕事から帰って急いで部屋へ行ってみると
無事に羽化していました!


サナギから出てきたら、カーテンに移動できるようにセットして
出掛けたのですが、上手く羽化できて本当にホッとしました。


指を出すと、迷いもせずスッと乗ってきます。
蝶や蛾、もしかしたら他の昆虫も羽化したばかりのときって
翅のある新しい体と、幼虫時代の記憶がごちゃ混ぜになって
ボーっとしているのかもしれないです(^m^)


翅のふちを指先でそっと触ると
そこがスイッチかのように翅をパッと開いて
美しい模様を見せてくれます。


この日羽化した4匹は、雨が降っていたので一晩お泊りで
翌朝庭に放しにいったのですが・・・
もうボーっとしてはいず、フタを開けた途端
一目散にみんな飛んで逃げていきました(^^ゞ

****
残るのは、飼育ケースの壁面でサナギになった2匹のうちの1匹です。


夕方6時頃、翅の部分だけ薄っすら茶色になってきました。


6時間後、夜中に撮った写真を見てみると
翅の目玉模様が浮き出ているように見えます。
この子はメスかな?


翌日今度こそは、羽化の瞬間を!
見守って(見張って)いたのですが
ちょっと目を離した隙に・・・


残念ながら今回も見逃しました。
8匹もいたのに、一回も羽化の瞬間が見られませんでした。
でも、無事に羽化してくれて良かった(#^.^#)
網戸に止まらせて、翅をそっと触ると・・
きれいな目玉模様、やっぱりメスでした。


庭に放しにきました。


先に羽化した蝶がまだ庭にいるようです。
この子も仲間に入れるかな。


今まで出会ったことがなかった蝶を
身近に観察することができて
とても楽しい時間を過ごせました。


ジュズダマは最盛期を過ぎてきましたが、
葉で蝶を養って、きれいな実をつけました。
芽生えからずっと私を楽しませてくれて
感謝です(#^.^#)


以上、クロコマノチョウの観察記録でした。
長くなりましたが、最後までお付き合いくださって
ありがとうございました(#^.^#)

クロメンガタスズメの幼虫を貰って

2023年10月05日 | メンガタスズメ
8月のある日の夕方、玄関チャイムが鳴って
いつも野菜をくれる近所の友だちが
今回も新鮮な夏野菜をどっさり持ってきてくれました。
そして野菜越しに、「あのさー、これも要る?」と
小学生のお孫さんの名前が書いてある虫かごを差し出しました。

「トマトを片付けていたら見つけたんだけど」
「うちのダンナが、持っていってあげなって・・・」
前にも何度かこの友人から幼虫を貰ったことがあったので
私の虫好きをご主人も知っていたのでしょう(^^ゞ
見た途端、自分の目が一瞬キラッと輝いたのが分かりました(笑)


これは!スズメガの幼虫です!
「え~~、いいの?♡、お孫さんは欲しがらない?」
「まったく欲しがらないから、大丈夫だよ・・・」
とのことで、遠慮なくいただいてしまいました(#^.^#)

えーっと、この子は誰だったかな?懐かしい模様です。
食草がトマトなので調べたら、2年前に育てたことがある
メンガタスズメの幼虫でした。
2年前の時も、別の友だちから貰った幼虫で
成虫になったけど、残念ながら羽化不全でした。
今回は元気に飛び立てるといいな。
体長が10cmくらいあるので、終齢幼虫です。


スズメガの幼虫は、種類ごとに決まった植物しか食べなくて
例えばオオスカシバは、アカネ科のクチナシや
スイカズラ科のツキヌキニンドウなどを食草としています。

メンガタスズメはスズメガの仲間では、とても多くの種類を食草にしていて
ナス科のナス・トマトなど、ゴマ科のゴマ、シソ科のクサギ
クマツヅラ科のクサギボタン、ノウゼンカズラ科のノウゼンカズラ
マメ科のデイゴ、キリ科のキリ
あとは、ヒルガオ科やモクセイ科の植物も食べるそうです。
生き残るには有利ですが、人間が大切に育てているトマトやナス、ゴマを食べるのは
害虫として駆除される確率が高いので不利です(´A`)

トマトの葉は少し手に入るので、このまま食草を変えず
庭の父親のトマトから、葉を盗んできて育てます(^m^)


うちに来て3日後の朝、幼虫の体が赤茶色に変化していました。
もうサナギになるの?
もっとゆっくりしていけば良いのに。


小さい飼育ケースに今回は、市販の「観葉植物の土」を入れました。
水はけが良いよう粒状なので、地中で繭をつくりやすいかも。

あーじゃない、こーじゃないと
場所を変えたり、潜ったり出てきたりを繰り返して
やっと納得する角度?が見つかったようで
土の中へ姿を消しました。

**
土に潜ってから18日後の夜、9時半頃部屋に行くと
網の中に人影ならぬ「虫影」がありました。


飼育ケースを100均で買った大きな干し網に入れて
部屋に吊るしてあったのですが、ファスナーをそっと開けて中をみると
きれいに翅が伸びた成虫がいました。
良かった!無事に羽化できたようです。
ケースに貼ってある付箋は、蛹化した日と羽化の予想日です。
予想より3日早かったです。


夜行性のスズメガはいつも、真夜中に羽化していたのですが
この子は翅がしっかり伸びていたので
1時間ほど前の、8時半くらいにサナギから出たようです。
まだ寝ぼけてるかな?
寝起きだと、ボーっとしていて手に乗るんです(^m^)
ゴールド&ブラックの、ゴージャスなガウンみたいな翅。


お顔も見せてくれました。


背中の模様は?
黒い部分が多くて黄色い横縞が見えないので
この子は「クロメンガタスズメ」のようです。


ドクロのお面も、面白いことに・・・
メンガタスズメよりもクロメンガタスズメは「タレ目」だそうです(笑)
確かに!比べて見ないと分からないけど、目が笑ってますね。


そして、この角度から見るスズメガの顔は
頭部のほとんどが目なのです!
夜行性の蛾の目は「モスアイ」と呼ばれる特殊な構造をしていて
ほぼ光を反射しません。
究極の黒、漆黒です。
月の光を頼りに、闇夜の中を飛び回る様子を想像すると
同じ地球で違う世界を生きている・・・そんな不思議な気持ちになります。


***
もう夜もふけてきました。
いつまでも指から離れないのは嬉しいけど、眠い・・
そろそろお別れです。
網戸を開けて窓の外へ、元気でね、ありがとう。


うーん、まったく離れない(^^ゞ
名残り惜しいというより、タイミングじゃない感じ(笑)
仕方ないので、窓の外のスダレに止まらせておきました。


翌朝、ちゃんと居なくなっていました。
2年前は羽化不全で悲しい思いをしましたが
今回は無事に羽化してくれて、本当に嬉しかったです。
飼育ケースの土から、サナギの抜け殻とマユを取りだしました。


地中に作られたクロメンガタスズメのマユは
ドーム型というより、サナギを覆う上部だけの形でした。
細い糸で繊細に綴られていて、手で持ち上げても崩れないくらい強度がありました。


羽化した日からずいぶん時が過ぎて、今夜は寒いくらいですが
窓を開けて夜空を見ると、しっとりした暗闇に
スズメガが飛んでいる姿が思い浮かびます(#^.^#)
以上、クロメンガタスズメの飼育記録でした。