風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

オオスカシバ、土中から這い出して羽化しました!

2022年07月15日 | オオスカシバ
前回のブログでは、オオスカシバが卵から生まれて、サナギになるまでの成長記録をまとめました。
今日はサナギから羽化までの記録を書きたいと思います(#^.^#)
オオスカシバは、何年も飼育観察をしていますが
今回初めて羽化したばかりの成虫が、土から這い出して来る瞬間を見ることができました。

まずは、サナギを小さな容器に埋めなおすところからです(^m^)


土は乾いているので、容器を傾けて土を除けていくと、タワラ型をした繭が姿を現します。


取り出してひっくり返して見ると・・・
こんなふうに繭の下側は閉じられていなくて、ドームのようになっています。


他の繭も見てみると、この繭はとても几帳面に砂粒を綴り合わせてありますが
こんなのは珍しくて・・・


だいたいほとんどはこのような形です。
土の中に潜ったあと、上からの攻撃や衝撃?を防ぐための「屋根」になれば用が足りるのでしょう。


小さい容器に土を3cmくらい敷いて、その上にサナギを乗せます。


サナギの上にドーム状の繭を乗せて


ドームの周りに土を入れて、平らにして完成です(^^♪
自然界でも、地面の表面でサナギになるので、深く埋める必要はないです。
なんだか球根を植えているような気持ちになります(^m^)


サナギ(前蛹)になった日を書いたテープを容器に貼りなおし
壁面にキッチンペーパーを貼って羽化仕様(笑)にした飼育ケースに
日付順に並べていきます。


園芸店から連れてきた子を先頭に、6月19日、20日・・・


21日の、2匹同時蛹化も。


それから22日、23日と続きます(^m^)
みんな無事に羽化してくれるといいな。



蛹化から15日後、羽化ラッシュが始まりました!
最初の羽化は7月4日、6月19日にサナギになった子です。
早朝5時に、ネコのチロちゃんが目をまん丸にして飼育ケースを凝視しているので
あ!羽化したんだと気付き、見てみるともうすでに翅が透明になっていました。

「おらー!ここから早く出せー」
狭いケースの中でブンブン飛び回っているので
お別れの言葉もそこそこに、ベランダから庭へ放しました(´A`)

2匹目は同じ日の夜中、23時58分に羽化しているのを見つけました。
鱗粉はまだ付いていますが、翅はきれいに伸びています。


鱗粉を落とす瞬間が見たくて、待ちましたが・・・
「まだまだ、飛ばないよ」という顔でこちらを見ています(笑)


30分この態勢で待っても、羽ばたく気配がないので
網戸の外のすだれにつかまらせて、その夜は寝ました。
翌朝見たら、もう居なくなっていました。


3、4匹目の羽化は、7月5日午前0時でした。
オオスカシバの羽化は、どうやら夜中の0時前後に始まって
羽化後、飛び立つのは夜明けのようです。

真夜中の羽化が毎晩続き、寝不足でしたが
翌日も午前0時に飼育ケースを見張っていると、予想通り羽化が始まりました!
5匹目の羽化、容器の土の中から出てきた直後で、まだ翅が伸びていないオオスカシバです。


45分後、きれいに翅が伸びました。


新品の身体で、とても元気そう。
幼虫時代の思い出話を一緒にできたら、面白いだろうな。
でも、眠くて倒れそうです(笑)


そして6匹目、卵から育てた最後の子の羽化です。
とうとう土の中から這い出して来る様子を、実際に見る事ができました\(^o^)/

「オオスカシバ、土中から這い出して羽化」
1分15秒の短い動画です、50秒くらいのところで体内から排出された水分が
ペーパーに染み込む場面があります。良かったら見てみてください(^^♪


**
ここからは、土から出てきたオオスカシバの翅が伸びていく
0時11分から0時36分まで、25分の間の写真です(^^)/
地上に出てきた直後、小さな翅です。


2分後、長くなりそうなので、ベッドに腰かけて膝の上に乗せて撮影しました(^m^)


3分後、黒い翅脈(しみゃく)がはっきり見えるようになってきました。
羽化後したあと、蝶やセミ、トンボなどの昆虫の翅が伸びる仕組みは
体内に溜まっていた体液が少しずつ、翅脈の根元から先端まで流れ込んで
その圧力で縮んだ翅が開いていくからです。
胴体が太いのは、翅を広げるための水分が体内に蓄えられているからだそうです。


更に2分後、伸びた翅が前方にカールし始めました。


上から写真を撮ってみました。


更に3分後、微動だにしませんが、翅を伸ばす仕組みを知れば
体内では、凄まじい変化が起こっているのを感じることができます。


見られてるの、きっとドキドキだろうな(^^ゞ
昆虫の羽化は、天敵がいない夜中から明け方が多いようです。


0時24分、あと少しで翅が伸び切ります。


0時36分、たぶんこれで羽化は成功です\(^o^)/
飛び立つのは夜明けです。
それまでの数時間は、何のためなのか、今は分からないけど
きっと必要な時間なのでしょうね。


***
ところで、スカシバという種類の昆虫は、どうして羽化後に
せっかく作った「鱗粉」を惜しげもなく捨ててしまうのかな?
高速で飛べるとか、蜂に擬態しているとか理由はあるけど
なら最初から鱗粉無しでもいいのでは?と思うけど、不都合があるのかな?


こんなポーズを取ってくれるのは、羽化直後だけです。
後ろ翅ってこんなに小さいの?
高速で飛んでホバリングもできる設計になっているのでしょうね。凄いな。


明日の朝飛べるようになるまで、一晩部屋に泊まっていってもらいます。
おやすみなさい(#^.^#)


****
翌朝、4時51分。
目が覚めて明るくなった窓を見ると・・・


すっかり翅が透明になったオオスカシバが、夜明けを待っていました。


うーん、鱗粉を落とすところを見たかったなぁ。
でも、無事に羽化してくれてありがとう。


ベランダへ連れていって短いお別れの会をして、庭へ放しました。
楽しい日々をありがとう「またうちに戻ってきてね」


いままで色んな種類のスズメガの幼虫を飼育観察してきましたが
卵から成虫まで育てたは初めての体験でした。
ネットや本で得た知識とは別に、実際にやってみて、初めて知ることがあるんだなと
とても良い経験をさせて貰いました。
うちは今年なぜか「オオスカシバ」の当たり年のようで
羽化を待つサナギちゃんが、あと4匹待機しています。
機会があればまた、観察のことをブログに書きたいと思います\(^o^)/

今回も長い記事になってしまいました。
終わりまで読んでいただき、本当にありがとうございました(#^.^#)

オオスカシバ、卵からサナギになるまでの日々

2022年07月12日 | オオスカシバ
ある朝、ベランダでオオスカシバの卵を見つけました!
鉢植えをグルグル回しながら、慎重に探すと全部で3粒ありました。
毎朝水やりをするとき、植物の様子をよく見ているので、昨日は卵がなかったのは確かです。
スカシバ母さん、ここのクチナシの苗木をよく見つけたなぁと嬉しくなりました(#^.^#)

毎日変化がないか卵を見張って(笑)いたら5月31日、発見から5日後のお昼に孵化していました。
朝に孵化したのかな?尾角がもう黒くなっていて、卵から出てきたばかりではないようです。
大きさは約3.5mm、葉と同じ色なので、一瞬よそ見をするたびに見失います。
黒い尾角を頼りにまた見つけますが、自然界で今のこのサイズの幼虫を狩るのは鳥でも蜂でもなく
きっと同じくらいのサイズの蜘蛛だろうなと実感しました。
写真を撮るとき葉を摘まむのに、幼虫を指で挟まないように注意します(^^ゞ


大きくなると葉の端からムシャムシャと食べるのですが
チビちゃんはこんなふうに丸くかじって、穴を開けるながら食べるようです。


そして、生まれて初めてのウンチ(≧◇≦)


小さいながら食欲は旺盛で、さすがはオオスカシバです。
葉にポツポツと可愛い水玉模様が増えていきます。


タマゴは柔らかい新芽に産み付けられているのですが
そういえば、いまは硬くなった去年の葉にも、こんな丸い食べ跡がいくつも付いていました。
でも去年はこの鉢で幼虫を見つけた事がありません。
幼虫は生まれてすぐ小さいうちに、ほとんどが狩られてしまうのでしょうね。



タマゴは3粒だと思っていましたが、幼虫は5匹いました(^m^)
みんな同じくらいの大きさで、お母さんが一緒の兄弟かもしれまん。


4mmだった幼虫が、一週間で11mmに成長しました。


6月8日、みんな揃って脱皮をしていました!生まれて8日目です。
体の皮?はもう食べてしまったようですが、顔の部分は固くて食べない(たぶん)ので
脱皮した回数を測るのによく利用されます。
大きさは約1mm、実はこれは2回目の脱皮です。
1回目の脱皮で出たお面は小さすぎて、なんとなく白いのは分かるのだけど
ホコリと見分けがつかず、取り出せなかったのです(^^ゞ


脱皮後すぐに測ったら13mm、昨日より2mmも背が伸びていました(笑)
葉も端からかじれるようになっていますね(#^.^#)


更に2日後、体長が20mmになりました。
一日2mmずつ大きくなっていて、これはじーっと見ていたら
伸びていくのが分かるのでは?(笑)と思うほどです。


ずっと部屋の中なので、ちょっとだけ日光浴をしました(#^.^#)
屋外で見ると体の色が鮮明できれい。


**
6月11日、3回目の脱皮をしました。
前回の脱皮からわずか3日しか経っていません。
お面の大きさは約2mm、今回も5匹揃って!仲良しですね(^m^)


2回目のお面と並べてみました。


6月14日、生まれてから2週間経ちました。
体長は約30mm!4日間で10mm大きくなっています。


でも・・・幼虫の体長って、どのタイミングで測るのが正解なのか
分からなくなるくらい、こんなに伸びるんです(笑)
思いきり伸びたときは、プラス2センチ?すごい伸長率です。


6月15日、4回目の脱皮をしました。
前回の脱皮から4日後です。
どうしてこんなに短期間に、頻繁に脱皮をするの?と思ったけど
15日間で4回脱皮したので、3~4日に1回ということになります。
幼虫でいる期間は案外短いのですね。


蝶や蛾の幼虫の脱皮回数は、種類によって違います。
前回ブログに書いた「ナミアゲハ」は通常5回脱皮した後、サナギになりますが
オオスカシバの脱皮回数は、調べてみて4回だと知りました。
タマゴから孵化した幼虫を「1齢幼虫」と呼びます。
1回目の脱皮後の幼虫を2齢、2回目の脱皮後を3齢
3回目の脱皮後が4齢で・・・最終の脱皮をした幼虫を「終齢幼虫」と呼びます。

脱皮後体長を測ると、またまた4日間で10mm増えて、40mmになっていました!


6月18日、買い物に行ったお店の園芸コーナーで、クチナシの鉢に大きな幼虫がいました。
一心不乱に葉を食べているけど、すみっこ暮らしのため、店員さんには気付かれていないようです。
一度は通り過ぎたけど、迷った末、うちに連れて帰ってしまいました。


翌19日朝、昨日うちに来た子が、飼育ケースの中で黒く変色していました。
連れ去られたショックで蛹化が促進されたのかな?
ゴメンネ(^^ゞ


小さなケースに園芸用の培養土を入れて、その上に幼虫を乗せました。
サナギ第1号です。


6月19日、他の幼虫もみんな体長が60mmほどになりました。
サナギになる日も近そうです。


この子だけ模様が派手で、他の幼虫より目立ちます。
これは自然界では天敵に狙われやすいデメリットなのか、それとも
枝につかまっていれば、カモフラージュになっているのか・・・謎です。


朝、体長を測ってからケースに新しい葉を入れて幼虫を放牧すると
人に触られたことなどまったく気にしてないように、すぐに葉を食べ始めます。
スズメガの幼虫の、そんなおおらかなところが好きです(#^.^#)


スゴイ食欲!
夕方にはもう葉を食べ尽くして、茎の皮をかじっているときもあります。
飢えさせてはいけない└(゚ロ゚;)┘急いで新しい葉を入れてまた放牧します。

大型の幼虫はどの種類もそうなのかもしれないけど、スズメガの幼虫を飼育するとき
食草を大量に調達できるかが、とても重要になります。
スズメガの種類によって、みんな食べる植物が違うので、どの葉がどこに生えているか
食草地図を作っている方をネットで見た事があって、私も真似をしています(^m^)
幸い近所にクチナシの大木があって、柔らかい葉をいつでも採ってこられるので
同時に5匹も育てる事ができ、とても有難いです。

***
翌日から、毎日1匹ずつサナギになる「蛹化ラッシュ」を迎えました(^^ゞ
20日、2匹目


21日には3、4匹目、2匹同時に!


22日、5匹目。


オオスカシバの幼虫は、地中に潜るというより、地面のごく浅い場所でサナギになります。
土がなければ、落ち葉などを綴って繭をつくります。


飼育ケースが足りないので、今回は保存してあった色んな容器を使いました。
もし寄生されていても、その個体判別できるよう1匹ずつ別々の容器で蛹化させます。
土は園芸用の培養土です。
硬い土やサラサラ過ぎる土では、上手に繭をつくれないので培養土はちょうど良いようです。
土の上に幼虫を置いて、キッチンペーパーをちぎったものを被せておくと
安心して繭が作れるみたいなので、今回から試しています。


23日の朝、最後の6匹目も体の色が黒くなって・・・


サナギへの旅へ出て(潜って)いきました。


サナギの容器は、昼間は風通しの良い窓辺に置いて、夜はネコが登れないタンスの上に乗せています。
10日ほど経ったら土の中からサナギを取り出して、観察しやすいように小さな容器に埋めなおします(#^.^#)


ベランダでクチナシの花が咲きました。
甘い香りで、目より鼻が先に気付きました。


****
覚え書きとして、孵化から蛹化までをまとめてみます。
●卵(発見)から孵化するまで、約5日。
●1齢から4齢になるまでの日数は15日。
●終齢になってから前蛹になるまでの日数は5日。
●前蛹からサナギになる様子は地中なので、観察できなかったけど機会があればまた。

幼虫が大きくなるにつれ、3日おきにエサの葉を採りに行く忙しい日々でしたが
過ぎてしまえば、あっという間に子育てが終わってしまったような感じでさみしいです。
次々とサナギになったスカシバ兄弟たちはこの後、連日羽化することになります(#^.^#)
それも夜中に(^^ゞ
その様子はまた次回書きたいと思います(^^)/

貰ってきたオオスカシバのチビちゃん

2020年08月21日 | オオスカシバ
夕方、用事があって近所の友達のうちに行きました。
ピンポーンと押して、友達が出てくるのを待つあいだ
玄関脇にあったクチナシの鉢植えをみていると
あ!・・・
小さな虫が、小さな口で葉をパリパリ食べているのを
見つけてしまいました。
オオスカシバの幼虫です(^^ゞ

用事を済ませて帰り際に、思い切って聞いてみました。
「ねえ、この鉢に虫がいるの知ってる?」
「えーやっぱり!葉っぱがなにかに食べられてるんだよね」と。
私が小さな幼虫を3匹、葉から剥がして
「これ、もらってもいいかな?」と聞くと
私の虫好きを知っていて、いいよ、じゃあ入れ物にいれてくるねって
お豆腐の空き容器にいれて、持たせてくれました(笑)


最近、スズメガの幼虫を見つけても
サナギになる直前の、終齢幼虫ばかりで
連れてきた翌日には、土に潜っていってしまう事が続いていたので
こんなチビさんたちを育てるのは久しぶりで、嬉しくなります(#^.^#)


貰ってきた日は、7月27日で、それから葉を食べまくって
最初の子の羽化は、8月18日でした。

うちに来た日。
つま楊枝の上で(^-^)だいたい2.5㎝くらいあります。


3日後、見た目にももう違う!
大きくなってきました。


この頃、一番小さかった幼虫が突然グッタリとして
夕方には動かなくなり、死んでしまいました。
原因は・・あるのでしょうが分かりません。
更に、2匹のうちの、小さい子が網をすり抜けてケースから脱走しました(ll゚д゚)
部屋を探しまくっていたら、ケースから2メートル以上も離れた場所を
歩いているのを見つけました。踏まなくて良かった~(。・Д・)ゞ
ケースのフタに、細かい網をかぶせました。


葉を食べて、ウンチをして、またモリモリ食べて・・・
写真の下の子が、脱走した子です。
その間、食べなかった半日分だけ、もう一匹の事比べて
身体が小さいのがわかります。
おたまじゃくしの時もそうでしたが、
成虫になる前の幼虫時代に、どれだけ大きくなれるか!が勝負だそうで
やっぱり成長期の生き物にとって「食べるのは仕事」なのでしょうね(^-^)


お尻の角が白くなっていて、脱皮したみたいです(#^.^#)


この後、脱皮した皮は食べてしまったようです。


うちに来てから、たった1週間で
こんなに大きくなりました。

人間なら、小学生くらいかな(笑)(なんとなく)
イモムシの1日は、人の1年と同じくらいの時間なのかも。

食べて出す、ときどき休んでまた食べる。
毎日を有意義に大切に生きないと・・・そう思うけど
生きるって、こういうことなのかなと
虫を見ていると思えてきます(^_^)

*****************

成長記録










早いなー
この子は、セスジさんがサナギになっている
飼育ケースの土に潜ってもらいました。


半日後、本当に寄り添うように
セスジさんのマユの隣に小さいマユを作って
その中で、サナギになりました。


*******************
もう一匹は、網の中でサナギになっていました。
敷いていた、キッチンペーパーの下でひっそりと(^^ゞ




1週間後、サナギが固まった頃、飼育ケースにそっと移動しました。


1匹目、羽化!


まだ翅に黄色い鱗粉が付いています
翌朝、外へ放しました。


2匹目も、無事に羽化しました\(^o^)/
この子は明け方、もう翅は透明になっていました。




今回は、2匹とも
飼育ケースを開けるとすぐに
振り返りもせず、飛んで行ってしまいました。
名残惜しい気持ちは、こちらだけ。片思いです(笑)
手元に残った、セスジさんと隣あわせのベッド。

楽しい時間をありがとう。
もしまた庭で会った時に、この子だとわかるといいのに・・
いつもそう思います(笑)