寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

節分過ぎて、鬼について思うこと

2011年02月11日 23時43分13秒 | 日記・エッセイ・コラム

節分過ぎて、鬼について思うこと
 筆者の子供の頃は、季節の変わり目(といっても暦の上での季節の話であるが)には子供にとっていろいろと想い出に残る行事が行われた。その一つに立春の前日の節分がある。特に立春の前日の節分はとくに子供には忘れられない想い出の行事が行われる。それは今更いうまでもないが、鬼の面を付けた鬼に向かって巻く豆まきである。筆者の子供の頃は、この日の夕方になると各戸の家で元気な子供の声が響いてくる。「鬼は外」、「福は内」というかけ声には家内安全をひいては世の中の平和を願う人々の思いが込められている。
 鬼とは何であろう? 「鬼は外」というように、ここでいう鬼とは自分の内にいる邪な心、それは過剰ないろいろな欲望であるのかもしれない。それを心の外へ追い出して、安らかな生活をするように心がけようという習わしかもしれない。鬼の形状は大小・形が様々変化するようである。例えば、少しでも多くの「お金」をほしい。筆者ら一般の庶民のささやかな願望である。しかし、少し生活に余裕が出来ると、さらにもっと沢山のお金が欲しくなる。それは生涯使っても使い切れない程の金額かもしれない。いくら大金持ちになって大きな家に住まっても次の欲望が頭をもたげて、もう一軒の前のより大きくあるいは異なる形状の家をほしくなる。あるいは誰よりも上の役職(地位)に就きたいという願望をもつかもしれない。そのためには競争相手の弱点を探し出して、それをそれとなく臭わせて競争相手を葬る。筆者もそのようなことを見聞している。ある団体の会長を選考することになったとき、もっとも有力な同僚A氏の古い過去の傷を探り出し、A氏のロッカーにその傷のことを書いた文書を入れた。A氏は無記名の文書にどう感じたのだろうか。筆者らには、無記名氏の書いた文書の内容は噂話として伝わっているが、信憑性については信頼性がないと判断していた。しかし、A氏はその団体を直ぐに退職してしまった。その結果、無記名氏と思われる方が団体の会長になった。しかし、これもあくまでも無記名氏がA氏のことをよく知っていたという事実によって、無記名氏に疑念を持ったに過ぎなかった。
  鬼は、人の心の中だけでなくいろんな所にいる。しかし、鬼は通常は表面に出現することは少ない。出現したとしても、しばらくすると角を引っ込めることが多い。そのために他人を非難したり、誹謗したりすることは少ない。それでも時々は、数人が同じ意見であることがわかると、悪い方向へ噂話が進んでしまうこともある。その多くの場合は事実無根のことがある種の想像を呼ぶことがある。そうすると、対象となった人の日頃の言動に違和感を感じていると「嘘も百編言うとほんと?」になるというとおり、事実からそれた方向へ進んでしまうことがある。また、興味本位で話したことが雪だるまを作るときのようにどんどん大きくなって、あれは事実無根のことであることを話辛くなって成り行きに任せてしまうことがある。鬼とはこうした非常に強い欲望の現れなのかもしれない。

 いま報道を賑わしている、民主党の実力者の問題がある。O氏は、政治献金について疑惑があるとして検事の調べを受けたが、証拠不十分ということで不起訴になったにもかかわらず、またまた告発されたしまった。ここまでは民主主義の原則として当然あり得べきことである。しかし、その後、与党の中から起訴されたのだから民主党を離党するように話し合いが行われるという。筆者は、法律に詳しくないが、被告人は被告人であって犯人ではないということは知っている。O氏は、今後告発されたことについて事実関係を明らかにされていくことになり、その結果、疑惑が事実であり、それが犯罪行為と確認されたときに責任をとることになる。その時初めて、O氏の進退が問われることになる。
 いまの時点で離党するしないを議論するのは、立法府に籍を置く方々の考え方がおかしいのかもしれない。とくに民主党の首脳部の方々が離党を促す議論を急ぐのは、近々行われる統一地方選の行方を気にしてのことだろうと推測する。
 もう一つ、O氏が国会での参考人招致あるいは証人喚問に時期を考慮して応じないことについても、与野党の方々が上のような結論を急ぐ事なのかもしれない。しかし、裁判を控えて証拠ともなり得る議論に応じられないことも理解できるような気がする。
 国を動かす仕事をしている国会議員諸氏の中にも大小様々な鬼がいることがわかった。
 いま、日本国は800兆円近い借金を背負っているという。この借金は、与党が政治担当しても、野党が担当してもなかなか減少させることは困難であろう。こんな時こそ、与野党の境を一時的でも良いから埋め合わせて子孫にこの巨額な借金を残さないように協力してほしい。
 孫達と「鬼は外」と豆をまきながら思いついたことを書いた。