大好きな絲山秋子の長編小説。
私の中では絲山秋子さんは、絲山秋子Aさんと絲山秋子Bさんが居る。
逃亡くそたわけは絲山秋子Aw。
絲山さん節があちらこちらにある。
躁うつ病で精神病院に入院した福岡大の女子が、同じく入院していた「なごやん」という慶応卒の男子と
病院を脱走して、昔のルーチェで九州の国道を南へ逃げながら、各地を巡る話。
絲山さんは実際に行ったような感じ(いや行ってるかも)で書くので、リアル感がある。
二人の会話が絲山さんらしく、方言や地方都市に関しての描写がいつも通り鋭いし、
男女の意識の違いや、起伏を書くのが上手い小説家なのだ。
その辺を味わいたい人に向いている。
この辺の細かい機微や雰囲気をTVや映画であらわすのは難しいと思うのだが、
この小説は何と映画化されている。
見てみたい気持ちがする。
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