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知だらけ059:漢字検定試験に挑む

2018-08-08 | 新・知だらけの学習塾
知だらけ059:漢字検定試験に挑む
――第4講義:書く
本日は午前2時起床。書斎の室温29度。パソコンを立ち上げ、エアコンを入れました。机の上にある起き抜けの、3点セットを引き出します。

最初は「漢字検定2級試験問題集」(成美堂出版)に挑戦。
――次のカタカナを漢字に直せ。
長年のシフンをぶちまける。
彼女のシフンの香が漂う。

前者は正解でしたが、後者がわかりません。こんな単語を使った経験もありません。朝脳のストレッチのつもりだったのですが、かえってストレスがたまります。

次に部首の問題。「酒」の部首を間違ってしまいました。「さんずい」じゃないんです。

ちなみに第1回(60分)は、「いま少し学習を」との評価でした。正解率は63%。ウーム。
ただし、ミスした漢字は結構覚えています。いつまで覚えていられるかは、確証がありませんけれど。昨日、3級の問題集を購入してきました。ここからやり直しです。3級は中学卒業レベルです。その上に準2級があり、2級があります。私が苦戦した問題は、高卒レベルのものでした。

2級はしばらく諦め、明日からは楽しみながら3級に挑みます。

質を測る084:知のステップアップ

2018-08-08 | 営業の「質を測るものさし」あります
質を測る084:知のステップアップ
――第7章:知を磨く
「知のステップアップ」については、すでに説明しています。ここではその手順について、まとめてみたいと思います。「ライフワーク」は模索中であるという方でも、何か「小さな研究」は見出したいものです。私の小さな研究「日本昔話の謎」を例に具体的な事例をご紹介いたします。
「日本昔話の謎」に興味をもったきっかけは、川端康成『現代語訳・竹取物語』(新潮文庫)を読んだことです。「かぐや姫」ってこんな話だったのか。そんな程度で忘れていました。しばらくたったとき、星新一・訳『竹取物語』(角川文庫)を読みました。こちらは口語訳のものですが、川端バージョンとまったく異なる楽しさがありました。以来、『竹取物語』(ビギナーズ・クラッシクス・日本の古典、角川文庫)、『大庭みな子の竹取物語』(集英社文庫)、田辺聖子『竹取物語・伊勢物語』(集英社文庫)などを読みあさりました。それぞれの『竹取物語』には独特の味わいがありました。その後、「桃太郎」「舌切り雀」「花咲爺」(岩波文庫、関敬六・編)などの日本昔話に興味がうつってゆきました。それ以来ずっと「日本昔話」の研究をつづけています。
「桃太郎」の小さな研究を例に、「知のステップアップ」を説明します。

◎小さな研究「桃太郎」

1.集める
「桃太郎」本を集めることからはじめました。いまは散逸してしまいましたが、20冊ほどあったと思います。書店では何種類もの絵本を買い求めました。もちろん、芥川龍之介や寺田寅彦の書いたものも読みました。芥川龍之介が「桃太郎」を書いていることは、あまり知られていません。いまでは「青空文庫」で無料ダウンロードできます。そのうちに、それぞれの本で異なる描写があることを発見します。

2.整理する
特に本によって違いが明確な、いくつかの項目を整理します。

・流れてきた桃の数
私の記憶のなかでは、桃はひとつしか流れてきません。絵本2と絵本3は、記憶どおりでした。ところが絵本1の婆は「もうひとつ流れい、じいさんにもあげよう」と念じています。すると大きな桃がまた流れてきます。
インターネットでは、こんな文章を発見しました。大小2つの桃が同時に流れてきます。婆は大きな桃をひろいましたが、小さな桃は川下へと流れてゆきます。じつはその桃には、妹の桃子がはいっていて、鬼が島に軟禁されています。成人した桃太郎は家来を連れて、桃子奪還のために鬼が島に向かったのです。

・家来のこと
 家来はなぜ、イヌ、サル、キジたったのでしょうか。3匹はど
んな順番で登場するのでしょうか。

・キビ団子のこと
 なぜキビ団子なのでしょうか。動物たちは桃太郎が腰にさげているのがなぜキビ団子だとわかるのでしょうか(「どうか、そのお腰につけた日本一のキビ団子をひとつください、おともします」といっていることの不思議)

 このようにたくさんの項目について、あぶりだしをおこなうのが「整理する」というステップになります。

3.磨く
どんな世界にもその道の先駆者がいます。図書館に行って、「桃太郎の研究」本を読みあさり、そこに自分のひらめきを重ねます。
イヌ、サル、キジの登場する順番はどうなっているのか。その必然性は何か。浮かび上がった疑問を、偉い人の書いた本で、少しずつ解き明かしてゆきます。これが「知を磨く」のステップになります。

4.自説をまとめる
どの評論を読んでも、私の疑問「家来がイヌ、サル、キジであることの必然性」に言及していませんでした。ある日ひらめきます。
――そういえば日本猿も日本犬も存在しているよな。ほかに日本の冠がついた動物はいないだろうか。ニホンカモシカというのもいたな。でも昔話の時代だし、これは舶来ものだから除外してもいいか。ほかには日本とついている動物はいないだろうか。いないぞ。二匹までは説明がつけられそうだな。ではキジはなんだろう。そうだ、キジは国鳥ではないか。
こんな具合に、3匹の家来をくくってしまうと、自説の完成ということになります。

5.発信する
 当時私はサラリーマンと文芸評論家という、二足のわらじをはいていました。PHP研究所のメルマガ「ブックチェイス」では、書評以外に「藤光伸の文芸界ウォッチ」というコラムも執筆していました。「日本昔話の謎・桃太郎」の連載を開始しました。

「知のステップアップ」のゴールは、発信することです。第三者の目にさらすと、ますます小さな研究は加速しはじめます。一般的な「発信する」は、ブログやフェイスブックなどになります。そのうちにメールマガジンを発行したくなり、自費出版したくもなります。

 ずっと継続できる楽しい研究を、ぜひ見つけてください。ちなみに、太宰治に『お伽草紙』(新潮文庫)という著作があります。そこでは「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」しか書かれていません。もしも太宰治が「桃太郎」を書いたなら、こんな具合になるだろうな、とパスティーシュ(作品の模倣)に挑戦したこともありました。パスティーシュでは、清水義範が現在の第一人者です。『永遠のジャック&ベティ』(講談社文庫)を読んで、大笑いしない人はいないと思います。そんなパスティーシュに再度挑戦したい、というのがいまの夢です。

みんなが見守っている:めんどうかい136

2018-08-08 | 営業リーダーのための「めんどうかい」
みんなが見守っている:めんどうかい136
――第10章:発展する同行
 営業リーダーが、「集中同行」を宣言します。この時点で、チームには緊張感が走っています。眠れる獅子が眼を覚ました、という感じになるわけです。チームが変わります。メンバーには、希望に満ちた予感が広がります。
 
 上司は「選択と集中」といった。自分は対象外だけど、チームのためには最善の方法だろう。そう納得してくれます。チームのベクトルが、営業リーダーの同行パワーに向けられる世界が具現化します。

◎ショートストーリー

 営業担当者が2人、午後7時のオフィスにいます。営業リーダーが「同行宣言」をしてから1ヶ月になろうとしています。2人は、半期の同行対象者にはなっていません。Aは営業リーダーより年上の平均的な営業担当者。Bは最も業績の悪い営業担当者です。2人の会話から、営業リーダーの「同行宣言」の意味を考えてみましょう。

A「リーダーは、がんばっているな。いつもならオフィスにいるのに、最近は帰りが遅い」
B「自分は同行してもらえないけれど、リーダーの『選択と集中』という意味は理解できます。残念ながら、いまの自分では、教える価値がないのでしょう」
A「教えるのではない、育てるのだとリーダーはいっていた。おまえが育つには、時期尚早。そんなことで、おまえは外れたのだろう」
B「でも、寂しいですね。何か見放された感じになります」
A「力はないけれど、おれが見守ってやるよ。オフィス中心だったリーダーが、現場で汗を流すと宣言した。これは尊重してあげなければならない」
B「やりますよ。リーダーが身体を張ってやりはじめたのですから、自分も1人でやりとげます」
A「すごいチームに変身する予感がある。おまえのがんばりに期待するよ。おれもやる。今月は、150%までやってみせるぞ」

営業リーダーが同行宣言をすると、オフィスは変わります。私たちは「CP」受講者から、劇的に変わったという報告を受けています。

町おこし200:アネックスの初日

2018-08-08 | 小説「町おこしの賦」
町おこし200:アネックスの初日
――『町おこしの賦』第7部: 心のハンディキャップ02
オープンの式典が終わるのを待ちかねていたかのように、洗面道具を抱えた親子連れが続々とやってきた。午前八時半から二時間を町民限定の、無料温泉開放としている。
標茶町温泉郷は藤野温泉ホテルを含めた、五棟の浴槽が廊下でつながっている。それぞれのホテルは、独特の個性を持った浴槽になっている。宿泊客は自由に、露天風呂、打たせ湯、寝転び湯、ジェット噴流の湯、薬湯、アロマスチームサウナなどを楽しむことができる。さらに憩いの場「おあしす」に新設された、温水プールへも無料で入館できる。
藤野温泉ホテル・アネックスは、三種類に強さを分けた打たせ湯とサウナを目玉としている。打たせ湯は温泉の落下場所が異なるので、好みの水量を選ぶことができる。

恭二と詩織はロビーでコーヒーを飲みながら、つめかけてくる町民を暖かく見守っている。結婚式直後から、アネックス建設の所用に追われた。そのため新婚旅行へは、まだ行っていない。ロビー脇の喫茶は、風呂上がりの親子で一杯だった。
「さっきコウちゃんから、今夜八時ころに『ミユ』に顔を出してくれって頼まれたわ」
「誰がくるんだい?」
「そこまでは聞いていない。でも忙しいだろうけど、二人揃ってちょっと顔を出して欲しいっていわれた」

 フロントの電話が、鳴り始めた。二人は弾かれるように立ち上がり、詩織はフロントへ恭二は外へと向かった。玄関前には、宮瀬町長と斉藤観光課長がいた。
「町長、斉藤課長、標茶町温泉郷オープンおめでとうございます」
 近寄って、恭二は二人に頭を下げた。
「恭二くん、ついにこの日がきたね。ワクワクしてきたよ」
 宮瀬町長は目を細めて、うれしそうにいった。
「さっき、全部の浴槽を見てきた。渡り廊下でつなげたのは、画期的なアイデアだね」
 斉藤は満足げに、うなずいてみせた。恭二たちの結婚式のとき、「標茶の活性化のために不可欠な夫婦が誕生しました」とスピーチしたのは、斉藤だった。

 ホテルに戻ると、フロント前に従業員の責任者が整列していた。宿泊部門責任者・フロント担当の坂口、料飲食部門の責任者・レシェプショニストの内藤、宴会部門責任者の中村、営業部門の責任者の安井、管理部門責任者の桧垣というメンバーである。詩織はこれらのメンバーを、足を棒にして集めてきた。
「ではあと三十分で、営業開始となります。それぞれがしっかりと部下とともに、立派なスタートを切ってください」
 恭二は詩織の声を聞きながら、美人女将の誕生だと思った。電話のベルは、ひっきりなしに鳴っていた。
「ありがとうございます。藤野温泉ホテル・アネックスでございます」
 大きな声が、詩織の声にかぶさった。恭二は自分の心臓が、高く鳴りはじめたのを感じた。

妙に知180808:哲学お勧め本

2018-08-08 | 妙に知(明日)の日記
妙に知180808:哲学お勧め本
▼昨日、国字について書きました。「あっぱれ」にも国字があてがわれています。古語の感動詞「あはれ」が促音化して意味が強調されたもの(日本語語源辞典)とあります。「天晴れ」は当て字です。正式な国字では「遖」と書きます。▼日経おとなのOFF特別編集『西洋日本の哲学超入門』(雑誌)がユニークです。たとえば、こんな悩みを九鬼周造が答える形式になっています。「Q・同窓会で初恋の人と再会。昔の思いを伝えたいのですが」。いろいろな哲学者がこのような質問に、答える形式は斬新でした。お勧め。
山本藤光2018.08.08