知だらけ055:名文を書き写す
――第4講義:書く
文章を上達する近道は、名文を書き写すことです。小説の場合、特に作家が魂を込めるのは書き出しの文章です。書き出しで有名な作品をいくつか拾ってみます。
――国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。(川端康成『雪国』新潮文庫、冒頭より)
――木曽路はすべて山の中である。あるところは岨(そば)づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。(島崎藤村『夜明け前』新潮文庫、冒頭より)
――祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。おごれる人も久しからず、只春の夜の夢のごとし。たけき者もついには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。(『平家物語』角川ソフィア文庫、冒頭より)
冒頭の文章を書き写す。この習慣が身につけば、たちまち文章力は上達します。朝日新聞朝刊コラム「天声人語」の書き写しも有効です。専用の書き写しノートもあります。朝日新聞の販売所で扱っています。
ネット検索をすると、「名文!胸震える文学作品書き出し50選」などにもめぐり合います。これらの文章の書き写しも、立派な訓練になります。
――第4講義:書く
文章を上達する近道は、名文を書き写すことです。小説の場合、特に作家が魂を込めるのは書き出しの文章です。書き出しで有名な作品をいくつか拾ってみます。
――国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。(川端康成『雪国』新潮文庫、冒頭より)
――木曽路はすべて山の中である。あるところは岨(そば)づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。(島崎藤村『夜明け前』新潮文庫、冒頭より)
――祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。おごれる人も久しからず、只春の夜の夢のごとし。たけき者もついには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。(『平家物語』角川ソフィア文庫、冒頭より)
冒頭の文章を書き写す。この習慣が身につけば、たちまち文章力は上達します。朝日新聞朝刊コラム「天声人語」の書き写しも有効です。専用の書き写しノートもあります。朝日新聞の販売所で扱っています。
ネット検索をすると、「名文!胸震える文学作品書き出し50選」などにもめぐり合います。これらの文章の書き写しも、立派な訓練になります。