炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

終末期医療を考えること

2011-06-11 08:48:21 | Weblog
畏友である敏腕な医者と会う機会があった。そのおり「これは参考になる。読んでおくといいよ」といって読売新聞の2011年5月23日から6回にわたって連載された「医療ルネサンス:最期を選ぶ」という記事のコピーを渡された。

最初のコラムは「終末期医療を事前指示」である。尊敬する畏友の医師が、どうしてこのような新聞記事を手渡してくれたのか、記事を読み進むうちに疑問に思ったものである。
その内容は、無駄な延命治療はしない、植物状態になれば一切生命維持装置は使用せずに、苦痛のみを除去する医療を施してほしいということを前もって書類として準備しておくということである。いわば尊厳死を依頼する本人の事前通告である。思うに、医者の立場からすると、生命の危機的状態にあってどこまで医療を施せばよいのか判断に迷う事態に何度か直面したものと推察する。医者の立場から、事前通告書があってほしいとの願いがあると解釈できる。
生命の危機的状態にあるとき本人に意識はない。しかし取り巻きの家族からは、記事の中にもあるように、異なった意見がもたらされる。本人の意向を確認する手段はない。そこに事前通告書があれば、それに従って医師は医療を行うことができる。6回にわたる読売新聞記事「医療ルネサンス:最期を選ぶ」は、医者にとってもクライアントに渡したい有用な記事であることを認識させられた。

この医師は、老人ホームの嘱託医を務めている。「いままでね、このホームでは脳梗塞で死亡したケースはゼロだよ。その理由は、水分を充分補給するように介護に当たる人たちに日頃から厳しくいいきかせているからさ。高齢になると、細胞の水分が少なくなるばかりか、保水力も低下する。血液が濃縮されることで脳梗塞をひきおこすことになる」という。
そうか、日本人はよくお茶を飲むから長寿なのかも知れない、そういえば至る所にお茶を売るための自動販売機がある。これは世界に誇り得る長寿の源にもなっていると合点したものである。
「省電力のために自動販売機を撤去せよ」と石原慎太郎東京都知事はいわれるが、お茶の自動販売機は長寿に寄与していることも考慮して頂きたい。
(農)

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