炉端での話題

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エントロピーとは(5) -電気エネルギーとのアナロジー-

2013-08-11 07:41:45 | Weblog
 熱エネルギーの量をQ(単位の記号はJ、ジュール)、絶対温度をT(単位の記号はK、ケルビン)としたとき、クラジュウスが最初に提示したエントロピーSを原典として引用すれば
S=Q/T
である。
 電気の分野では、電気量(電荷)Qとコンデンサー(米国ではキャパシターという、コンデンサーは蒸気を水に戻す凝水器と混同するからであろう)の持つ容量C、電圧Vとの間に
C=Q/V
の関係がある。電気の場合、この電気量Qは、エネルギーとして取り出すことができる電気エネルギーである。Vは電圧であり、ポテンシァルを表す。この電圧と温度もポテンシァルを表すので、熱学のエントロピーSと電気でのコンデンサー容量Cと同じとみなことができる。
ここに熱学分野と電気工学でのアナロジーが見いだされる。

 ただし電気で扱う電気量の単位はクーロン(時間×電流、電流は国際単位系による基本単位)と時間成分があるが、エントロピーには加速度としての時間成分しかないことは改めて指摘しておきたい。熱学のエントロピーとコンデンサー容量をアナロジーとして扱う場合、この点を注意しなければならない。別のいいかたをすれば、エントロピーには積分された時間成分がないことから、エントロピーのことを正しく理解できない原因の一つであろう。

 電気量を貯めることができるコンデンサーに関して、最近ではスーパー・コンデンサー(スーパー・キャパシター)と呼ばれる大容量のコンデンサーも出現している。電気容量は、電圧を測定することで判定できることはいうまでもない。
(応)

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