炉端での話題

折々に反応し揺れる思いを語りたい

ネコの脳のシミュレータ

2009-11-20 15:54:02 | Weblog
日本の新政権のもとに、事業仕分けがおこなわれており、スーパー・コンピュータの開発を事実上凍結することになったという。僅か1時間の討議で決定されたそうである。凍結を決定した諸氏はスーパー・コンピュータのことを熟知しているのだろうか。
およそ科学技術開発に無駄はない。もしそれが失敗したとしても、無駄ではない。失敗した理由を明らかにすることで科学は進歩する。仕分け人は、日本の科学技術の進歩を停止させたといってもよい。
その同じ日にアメリカではスーパー・コンピュータの上で動作する脳のシミュレータを学会発表している。10億個のニューロンと10兆個のシナップスを扱うことのできる脳のシミュレーションであるという。米国政府の出資するプロジェクトである。この規模の脳のシミュレーションでもネコの脳程度の能力らしい。生きているネコと同等にネコの脳のシミュレータが動作するとは、とうてい思われないが、そこに科学の進歩があることだけは理解できる。
スーパー・コンピュータの上でネコの脳のシミュレーションをするなどとは、とんでもない無駄として、仕分け人はたちどころに切り捨てるであろう。
日本の科学技術の進歩は、ここにいたって確実に停止する。
(脳)