はなうたまじりにひとりごと

私視線で、観て聴いて♪素直に気ままに我儘に。主に宝塚の舞台のこと、その他諸々?についてお喋りを。

'01仏旅記~電車を停める

2007-07-05 13:01:45 | フランス旅行記
パリ郊外へ行く場合、
目的地に基づいて大きい駅へ行き、窓口で切符を買います。
今回は北駅だったみたいです。

シャンティイまで、大人2枚。
ぱー、シャンティイ、どぅ。
…か何かでもいいし、英語でもいい。

その切符が、これ(写真)。
無事に切符を買った私たち、きょろきょろと見渡すと、
コンピエーヌゆきの電光掲示板を発見。

今思うと、コンピエーヌが、シャンティイの先にある、ということを知っていたことが敗因だった。
じゃあ、この電車だ!と、乗り込む私たち。
向かい合わせの座席に着席して、いよいよ旅のスタートです。

いやいや順調順調。
順調だって思いもしないくらい、順調な気持ちでいっぱい。
呑気にくつろぐ私たちの元に、車掌さんがやって来ました。
切符を拝見~。

はいはいどうぞ♪
と切符を差し出す私たち。
が、それを見た車掌さんは固まりました。
別の車掌を呼んで何やら言い始める。
君らは何処へ行くんだ?
とか聞かれたかもしれないな。

何処ってシャンティイだよ?
首を振る車掌。
とうとう、何やらファイルを開いて、私たちに見せる。
どうやら、この電車の運行表であるようでした。

大変に見易くて、
1本の線の上に、四角で囲われた駅の名前が並んでいて、
到着時間なんかが書き込んであったんじゃないかと思う。
とにかく、それが真ん中にどん、とあって、
上下にはたっぷり空間があるページのイメージが残ってます。

車掌さんは、一生懸命説明してくれました。
この電車は、コンピエーヌゆきで、途中のシャンティイには停まらない。
つまり、
こだまに乗らねばならないのに、
のぞみに乗ったようなものです、
…大袈裟に言えばね。
停まらない、小田原へ行くのにのぞみに乗ったような。。。

ガーン!!
コンピエーヌはいいんですよ、ガイドブックに載ってる観光地。
コンピエーヌに行くしかないなら、それでも仕方がないじゃない。
旅は冒険だし、それはそれで出会いだから。

だけど、私の頭の中は、
「罰金」
のことでいっぱいでした。

日本では、普通に乗越精算のシステムがあるでしょ?
だけど、向こうは乗り越したら罰金だって、ガイドブックに書いてありました。
何倍ものお金をとられるって。
ひぇー、一体どんなに請求されちゃうんだろうか?

ああ、もう困った外人だなぁ…
って車掌さんが思ってるのは明らかでした。
でもね、困るのは普通、私たちだけじゃない?
降りたい駅で降りられず、遠くまで行ってしまい、
幾何かの罰金を支払い、時間が足りなくなって……
まぁ、それは自己責任で仕方がない。
車掌さん、ご親切に…どうも有難う。

しかし、どうにも、それでは済まないようで、
ごにょごにょ話し合う車掌さんたち。
一体何だろう?
顔を見合わせたまま、キョトンとする、私たち。

やがて、車掌さんは、
さっきの運行表をもう一度示して言いました。

君たちの行きたい、シャンティイは、ココね?
仕方が無いから、シャンティイの次の駅で、電車を停めるから、
君たちは、この駅で降りて、一駅戻りなさい。

…って言ったのが、何故かちゃんと私たちに理解できました。
英語でゆっくり説明してくれたんでしょうね。
「OK?」
と聞かれて、とにかくびっくりしたまま頷く私たち。

私たちを降ろす為に、電車が停まる?
あまりのことに、車掌さんたちが、私たちの元を離れると、
Pちゃんと私は顔を見合わせて笑いました。
いや…笑ってる場合じゃないんだけどね、日本なら!
日本で電車を停めたら……それこそ、いくら請求されちゃうやら(汗)。
罰金どころの騒ぎじゃないでしょ。

だけど…
私たちは、電車を停めました。遠く異国の地で。

フランス旅行の話をする時には、まず、
「21日も行ったんだ」
って言うと、みんな、
「ふうん、随分長く行ったんだね」
って言うでしょ。
「で、電車を停めたんだ!」
って続けると、誰もがギョッとして身を乗り出してくれます。
今となっては、最高の経験、最高のネタですね。

さて、へらへら変な笑いを浮かべながら居ると、
そのうちにシャンティイを通り過ぎて(笑)、
車内放送が入りました。

多分、
緊急停車をするけど、みんなは降りないでね
って言ってたんだろうと思われます。
それで、降りる準備をしていると、車掌さんが私たちを迎えに来ました。
はいはい、降りさせていただきますよ?有難う。

しかし、車掌さんは、
電車が停車する時になって、またやってきました。
どうやら、言葉が何処まで通じてるか怪しい私たちが信用おけないようで、
私たちの様子をじぃっとみつめている(苦笑)。

停車。
ドアが開きました。
階段を降りて、ホームに降ります。
そのときまで、車掌さんは、油断ない表情で私たちを監視…
そう、まさしく監視し続けたのでした。

以上、「フランスにて電車を停める」事件のいきさつでした。
皆様は、お気をつけ下さいね。
今も変わってないんじゃないかとは思うのですが、
郊外行きの電光掲示板には、停車駅が全部表示されています。
一番大切なのは、何処行きか、ではなく、
その一覧の中に、目的地があるか?ということ。
…だということを私たちはココで学びました。
だから、もうその失敗はしなかったよ?

…当たり前だ、そう何回も電車を停めてはいけません!(笑)