風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

紅葉

2005-10-31 22:01:11 | インポート
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先週の土曜日、南小国の現場へ行く途中、山の紅葉が始まっていたので、ここ2週間ほど冷え込んできたせいかなと思っていたのですが、現場に着き配筋検査を終え、打合せしていたら寒さで思考停止してしまいました。慌てて車の中で暖房を入れ打合せ、いつも持ち歩いている温度計で測ると11.4℃を示しています。寒いはずです。
10月11日に地鎮祭をしたときも少し肌寒かったのですが、熊本市内へ下るとどんどん暑くなってきて、蒸し暑くなり温度差の大きさに驚いたのを思い出しました。
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今日は天草本渡の現場へ、天気もよく三角西港で一休み、ここでも建物の背景として紅葉が彩りを添えていました。(左端の写真は天草側から三角西港を写しています)
緑の中で紅葉はひときわ際立ってます。なぜここまで紅く色づくのかなと疑問をもつと共に改めて美しさに惹かれました。ブログを書き始めてから、今までちょっと気になるなあと思いながら通り過ぎていたものをじっくり見るようになりました。熊本で生活していると殆ど車での移動になり素通りしてしまうのですが、元々さ迷い歩くのが好きで、東京へ行った時は電車の車窓に張り付いて外を眺め、目的地へは極力徒歩、着くまでキョロキョロ、町並みや路地、民家など気になるものが無いか見るのが好きです。地方へ来るとのんびりしていいねと思われるようですが、意外と逆ですね。



「夢を語る」

2005-10-28 14:32:30 | インポート
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今日は末っ子(小6)が通う小学校でシンポジュウム「夢を語る」(6年生対象)のシンポジストとして、{夢の実現~私の仕事を通して」をテーマに話をしに行きました。元教師、看護長、サッカー監督、建築家の4人がパネラーでそれぞれが仕事の内容、仕事を選んだ動機を話して、子供たちからの質問に答え、最後に子供たちへメッセージを伝える約1時間半のシンポジウムです。子供達から沢山質問があり「仕事で学んだ事、困った事、やりがいや良かった事、心が通じたと思う事、小学校の時の夢、別の仕事だったら何になりたかったか。」答えは職業によって違いますが、自分にとって天職となる仕事に出会えるよう努力をしてほしいと伝えていたと思います。
実際私が建築へ進もうと考えたのは高校2年の時で、設計をやりたいと思ったのは大学生3年の時です。(学生時代はスキー部の活動に熱中して、建築設計はその次でしたので偉そうな事は言えませんが)
子供たちもこれから中学、高校と進み、選択の岐路に立ち考えるのですが、色んな職業の生の話を聞くのは良いヒントになり視野が広がるし、社会と触れ合う良い取組みだと思いました。
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熊本に住んでいると熊本城の石垣や建物の存在は当たり前のようですが、もし無かったらすごく淋しいものだと思います。400年前から在るものを見ている訳ですから、時間を経た揺るぎない存在に対する無意識の文化意識を持っているはずです。
ヨーロッパの町並みが素晴らしく日本の町並みはゴチャゴチャしているのは何故かと時々聞かれます。気候風土の違い?石造文化と木造文化の違い?(ヨーロッパにも木造住宅は沢山あり、茅葺き屋根もあります。)どうもそうではなくて日本が島国で他国からの侵略や征服を受けた事が無いことが最も大きな理由だと思います。フィンランドへ行った時、現地に居る日本人からこの国はロシアやスエーデンに永く征服されていて、フィンランドとしての歴史を示すものが乏しく、吟遊詩人の詩が歴史を示す大切な手掛りだと聞きました。ヨーロッパの多くの国も侵略と征服の長い歴史があり、そのことが自国の歴史や存在を示す建築や文化を非常に大切にしている理由だと思います。
今日のシンポジュウムで子供たちに熊本の歴史や風景を大切に感じてほしいと伝え、風景の良し悪しに私達が最も関係し大きな責任があると言いました。頑張らなければ彼らに笑われるかもしれません。


晒場と三賢堂

2005-10-23 22:19:55 | インポート
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今日は用事がありクミコの実家島崎(熊本市西部)へ行きました。風設計室からは熊本城を廻り込み金峰山へ登り始めた両側を山に挟まれた谷のような地形のところです。登って行くと3、40年タイムスリップしたような昔懐かしい雰囲気になってきます。途中、以前クミコが熊本建築士会の「守りつづけたい、とっておきの場所」コンクールで最優秀賞になった「晒場」と言われる水場(写真)があります。その時の説明によると『島崎は平安・鎌倉時代に菊池氏の一族の島崎八郎の領地であったとの記述がある。古来清泉・湧水が多く、江戸時代には多くの別荘(茶室・庭園)が作られ、その多くが残存する地域である。熊本城から西へ3キロほどの距離にありながら、バス道路は井芹川の支流である麹川に沿って曲がりくねり、竹林が多く、さながら時代のエアポケットに入ったような気持になる。「さらしば」はこの場所で木綿をさらしていたことから由来した名前であり、晒場と書く、木綿を晒す他紙漉きも行われており、この一帯は紙屋村と呼ばれた。この場所が生活を支える重要な場所であったことがその名からも分かる。』と書いています。
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晒場から少し行った道路沿いの門を入ると左側に古いお茶屋と庭園があり、右側の石段を登ると三賢堂と呼ばれる円形の建物が建っています。70年程前に建てられたものですが、木立の中に佇む姿はモダンな印象を受けます。三賢堂の由来は案内板(写真)に書いてあります。戦前は小学生が沢山訪れていたそうですが、最近はお茶屋の庭(湧水)でホタル祭りが行われ親しまれているそうです。
三賢堂を下ると道沿いに「晒場」があり、市指定史蹟の「釣耕園」「叢桂園」そして「百梅園跡」へつながっています。
城下町熊本(肥後)の奥まった静かな別荘地の面影を今も残しているのが島崎です。


丸尾焼

2005-10-21 22:14:59 | インポート
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天草の現場定例会議の日です。建物はNEO WELLNESS SPORTS CLUB AMAKUSA (略してNWSCA)少し長い名前ですが、天草スイミングスクールの移転新築工事、後一ヶ月で完成という追い込みの時期です。(12月1日オープン)
場所は本渡市北部で焼物の丸尾焼(写真)と背中合わせのお隣です。部分的に足場を解体したので周りを点検中、丸尾焼の金澤さんと会いました。「みんな完成するのを楽しみにしているよ」と声を掛けてもらい「あとで寄ってね」とのお誘いにコーヒーを頂きに伺いました。(NWSCAの起工式の後伺った時以来です)
金澤さんとは丸尾焼新築計画の相談を受けた時からのお付き合いです。(設計は上田憲二郎さん)
ご夫婦共気さくな方で楽しい話にあっと言う間に2時間も長居してしまいました。
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今日はこの2つの湯のみ(カップかな?)を欲しくて買いました。陶器(多くは持ってないですが)を集め始めたのは、20数年前神戸北野にあるローズガーデン(安藤忠雄設計)地下の陶器屋さんで買った2つのコーヒーカップからです。一つはひつじ窯、もう一つはよく分かりませんが今でもとても気に入っています。
丸尾焼も好きな陶器で見るとつい欲しくなり買ってしまうのですが、金澤さんの「使ってもらう陶器だから価格は高くしない」の言葉とおり買い易い値段で嬉しいかぎりです。我が家もその陶器たちがいつもテーブルにあり生活を豊かにしてくれています.
「いつも身近で使われること」が金澤さんご夫婦がつくり手として一番望まれている事であり、風設計室の建築に対する姿勢「永く愛着を持ち使ってもらえる建築をつくる」と相通じるものを感じます。

丸尾焼ホームページ http://www.maruoyaki.com/


風力発電

2005-10-17 23:02:51 | インポート
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阿蘇方面へ向かっていると外輪山右側に西原村の風力発電の風車が見えてきます。今年二重の峠にも3基(写真)新設されました。写真ではあまり大きく感じませんが、結構巨大なものです。高さは50m、羽根の直径は30m、発電量は場所にもよるようですが50から60万KW 130軒分の年間消費電力を発電するとの事。一基の設置費は約1億2千万円、これだけ大きい設備はメンテナンス費用も安くはないでしょう。二重の峠の左端の風車がいつ見ても回っていないのが気になります。
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実はYMCA阿蘇キャンプにも小型の風力発電が出来たのでY山荘現場の帰りに見に行きました。同じ風力発電でも縦ではなく横に回転するタイプで、高さも約8m程度(かな?)意外と可愛い感じです。西側の山手からひんやりとした風が吹いていて時々ゆっくり回るのですが、この程度では発電しないとの事、風力や太陽熱利用は自然任せです。
私達は地球温暖化(今年はいつまでも暑い!)を心配しながらも、一度手に入れた快適な生活を変えれず、冷暖房、電気、ガス、下水道が無くては困る生活をしています。未来生活の理想は通風・換気、断熱や蓄熱などの性能を高め、太陽・風・地熱・気化熱・放射冷却など自然の力をフル動員して、「少しガマンする生活を楽しむ」にしたいと思います。(もうこれ以上暑くならないと良いのですが)