風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

肥後國分寺 秋の夕べ

2010-10-23 20:23:22 | インポート

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水前寺公園電停の南側に肥後國分寺があります。国分寺は天平時代(740年代)に聖武天皇が全国に国分寺と国分尼寺を一つづつ置いたことを歴史の授業で聞いた程度で、現在熊本に国分寺があるとは思ってもいませんでした。昨年、住職さんがギャラリーに来られ、話を聞いてそんな有名なお寺があったことを知りました。先日本堂改修の相談に見えたのでお寺に伺いました。予備知識も無く行く訳もいかないので調べると、国分寺は律令体制の弛緩で財政支援が無くなって全国的に衰退したありますが多くのお寺が全国各地に残っています。国分寺、国分尼寺の総本山は東大寺、法華寺現在も健在です。肥後國分寺は曹洞宗で薬師如来が本尊、昔は全国で4番目に大きく七重塔も建っていたとのことです。

現在、出水ふれあい通りから入った場所に本堂と庫裏と墓地があり、そこから南東100Mの熊野神社に巨大な塔礎石が残っているとのこと、神社にお寺の礎石があるのも不思議です。水前寺公園西側付近の住宅建設の時必ず遺跡調査があり、礎石跡や陶器片が発掘されますがそれは国分尼寺の遺跡とのことなので、昔、水前寺界隈は国分寺と国分尼寺が隣接した九州でも最大級の仏教伽藍があったことになります。見てみたかったですね。

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今日は「國分寺 秋の夕べ」のお誘いがあったので打合せから帰り、すぐ行きました。最初の歎佛(たんぶつ)には間に合いませんでしたが、県立大の学生のギターとウクレレの弾き語り、若い住職さんのウクレレの口語体般若心経、日本舞踊、最後に巫女舞がありました。お寺の本堂での催しとしては少し意外な感じで、神道の巫女舞がお寺の本堂であるのは不思議な気もしましたが、日本の神仏混合思想からは良いそうなので、日本の宗教観のおもしろさを改めて感じました。巫女舞は3人の女性が雅楽?喜太郎サウンドのような音楽に合わせ、ゆったりした動きで舞います。見ていると「大気」を表しているようで、引き込まれるものを感じました。全国で活動していて、当然神社での奉納が中心だそうですがジャズとの競演もされるとのこと。

最近仕事に追われているので、「國分寺秋の夕べ」はチョット不思議な癒しのひとときでした。