風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

東京散策

2010-07-06 17:01:00 | インポート

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7月3、4日は「多摩の家」の一年点検でした。一泊二日の慌しいスケジュールでしたが、木材を内外装に使って話題になった木材会館(日建設計)を見ようと思い、下調べをせずに江東区あたりをウロウロ、依然調べた住所と混乱して迷子になってしまいました。自宅へ電話しインターネットで調べてもらいどうにかたどり着き、土曜日で内部見学が出来ないので、外周りやガラス越しに覗き込んだりして見てきました。

杉小幅板出目地のコンクリート打ち放し、外部の桧の格子、亜鉛メッキ処理(+拭取り処理)の建具などルイスカーンのソーク研究所やキンベル美術館に通じるディテールが多く、ルイスカーンが好きな設計者だなと思いました。日本の高温多雨な環境で剥き出しの木材が何時まで美観的に耐えれるのか、メンテナンスをマメにやらないと折角の木材普及をアピールする目的が逆効果にならないかと心配になります。すでに黒い雨だれ跡もあり、もう少し雨対策を考えたディテールは出来なかったかなぁと (デザインはぬるくなるなぁ...余計な心配かな)

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次に新国立美術館の「オルセー美術館展」へ、土曜の午後だから当然人が多いのですが、大きな吹抜けホールの為か美術館全体に一体感があって、5回ほど来ているうちに段々この美術館が好きになってきました。各作品の前には20人ほど居るのでじっくり見ることは出来ないですが、音声ガイドを借り印象派の初期から後期までの流れに沿った展示は解り易く楽しめました。

夜は大学時代の友人と銀座で会食、東京の建築状況も厳しい話が多く考えさせられました。

次の日午前中建設会社の一年点検に立会いました。まだ一年なので当然ですが、ソーラー関連の調整はありましたが、内外とも何も問題はありません。アメリカ製の掃除ロボットを使っていたのにはチョットびっくり、初めて見ましたが円盤のようなロボットが自在に動き回り、椅子の狭い空間や階段の段差も感知しながら、住宅内を動き回り、終わると自分で充電ボックスに戻ってきます。いつの日か掃除ロボットが当たり前になる日が来るのでしょうか。

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午後は丸の内界隈へ、友人から最近丸の内周辺の再開発も終わり、新丸ビルの裏通りが人気スポットになっていると聞いたので、飛行機の出発時間までぶらぶら散策をしました。歩道は以前の2倍ほどに広くなり、車道も歩道も石畳が敷かれ、街路樹とベンチ、パブリックアートが置かれ、通りに面する1階は店舗やレストランが多く、以前の事務所街の雰囲気は一新されて、ヨーロッパの町並みのようです。中庭を持つビルは人で一杯でした。周辺ビルの多くを占める三菱が街区のイメージ戦略として開発したそうです。

GHQに接収された明治生命館(重要文化財 設計:岡田信一郎)も保存改修され、内部(1、2階)を見学できるようになっています。竣工時の内装や家具もほとんど残っていて、記録や写真展示と共に、パソコンで詳細図面まで見ることが出来ました。

以前のようなファサードだけの保存ではなく、古い建物の機能を保ちながら全体を保存する意思があり、文化としての建築認識が一歩進んだことを感じる楽しい散策でした。

でもさすがに歩き疲れました。携帯の歩数計は二日合わせて四万歩になり、膝と股関節が痛くなってきたのは...年齢か歩き過ぎか。