風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

緑のカーテン

2012-06-30 18:51:19 | インポート

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6月29日(金)、水俣第一中学校エコ改修の全校生徒向け「学校の夏のすごし方」セミナー講師のため3ヶ月ぶりに水俣行きました。

エコ改修は冬の寒さと夏の暑さ対策に重点を置いて設計しています。冬対策は断熱性能の向上と太陽熱空気集熱暖房により、経験でどの程度の効果があるかほぼ解っていました。しかし一番期待される夏の暑さ対策がどの程度の効果を発揮するかは実ところ良く解りません。それは夏対策が自然の風や緑のカーテンや夜間の窓の開閉まかせだからです。断熱性能は高くなっているので、室内の熱環境は改善されますが、遮熱、通風、ナイトパージなどの効果は先生や生徒達が緑のカーテンを上手に育ててくれるか、夜間の窓の開閉を上手に活用してくれるか次第です。

特に南側のバルコニーに設けた17列の竪型緑のルーバーは「水俣第一中学校エコ改修」でエコとデザインの一番大切な要素として設計しました。学校は四月から育て始めると言われていたので、どんな具合に育っているか気になって仕方なかった部分です。水俣に近づくにつれて期待と心配でドキドキしてきました。

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最初見た印象は少し疎らな感じでしたが、よく見ると2階部分よく育っていて、全体を斜めから見ると新緑の列が校舎のやさしいアクセントになっていて、感動でした。特に校長先生の窓際から見えるアサガオの葉を通した緑の光が室内から見ても清々しく綺麗でした。ゴーヤのつるの誘引を上手くやればもっと広がって、密集もしてくるだろうと言われていました。夏はこれからが本番ですが「校舎が涼しく感じる」言って頂き、ホッとしました。

授業中のクラスルームは廊下間仕切を全面開放してオープンで授業が行われて、風のながれが感じられます。セミナーはあまり話しなれない講師なので、生徒達に内容が上手く伝わったかどうか自信はありませんが、蒸し暑い屋内体育館で熱心に聴いてくれました。

これからは環境負荷を減らしながら、自然エネルギーを利用する暮らす工夫が必要です。それには昔の暮らしの知恵と新しい技術を組合せて快適な環境を作りだすしかないと思います。その未来は彼らに託すしかありません。そのベースに「第一中学校エコ改修」をしてほしいと伝えたかったし、伝えたつもりですが....伝わっていたら嬉しいです。