風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

小さな倉

2005-10-12 20:37:08 | インポート
P1000094
今日は山都町(旧矢部町)の農家の小さな倉リフォームの完成検査へ、通潤橋(農業用水をサイホンの原理で谷を越え送る橋 江戸時代完成)の廻りの田んぼでは稲刈りが始まっていました。
02gaikannannsei
P1000090
P1000088
P1000083
この倉は50年ほど前に建てられ、地階はコンクリート造、1階ブロック造、2階木造(移築)と言うなんとも建築的には悩ましい構造です。傾斜地に建ち漬物や野菜の貯蔵庫として使われていた1,2階部分を改修し、宿泊可能な客間につくり替えました。母屋(築130年)は10年程前リフォームしており、今回も同じ大工さん(宮大工の修業もした腕自慢の人です)にお願いしました。難しい工事だったと思いますが、落ち着いた部屋が出来上がりました。壁にはイグサのクロス(緑と茶)を使っています。丁度建て主は稲刈りの時期で忙しかったのですが、合間をぬって帰ってきてくれました。
熊本は台風の被害は少なかったのですが、稲の実の入りは今一つで、天候の具合(天気と雨のバランス)が良くなかったそうです。
母屋の土間から農家が数軒、遠くには雄大な山々が見えます。母屋や倉はリフォームなので集落の風景はほとんど変わってないですが、見事な木組みの民家を再生したことで「農家の暮らしに自信と豊かさを感じる助けになっている」と言ってもらえることが何より嬉しいことです。天草へ行く途中でも惹かれる海岸沿いの旧い民家が幾つかあります。デザイン的にも優れていて昔の棟梁達の技に関心します。


東奔西走と歯痛

2005-10-11 16:52:28 | インポート
P1000076
P6140011
10月8日(土)南小国の現場へ、現地別荘分譲会社への挨拶と建物の位置出し。
10月9日(日)うどん店のTV撮影(地元TV局夕方番組-テレビタミン)に呼ばれ(一応社長と言うことで)、母がうどん自慢をする横で従業員の人たちと一緒に拍手する。(番組はうどん対そば自慢合戦らしい)・・・行かなければ良かった。
10月10日(月)天草の現場へ、正面外壁の色確認(リブのあるパネルを白く塗り、リブにランダムにピンクとオレンジのライン)、少し色が鮮やかなので彩度を落し再塗装見本を現場に依頼。
10月11日(火)南小国の現場(Y山荘)の地鎮祭。建て主の方は宝塚市(熊本出身)在住、定年退職され阿蘇でも生活できる拠点として山荘を計画。場所は黒川温泉のすぐ横の小高い峰の頂上にあり、温泉つきの別荘地、OMソーラーを取り入れた平屋建て、来年3月完成予定です。
熊本市から南小国は東へ車で2時間弱、天草は西へ2時間、この数日東奔西走しています。(年内は続きそう)
連休のこんな時に限って土曜日から左下奥歯が痛くなり、食べるものを選びながら左側でなるべく噛まないようにして4日間我慢しました。やっと今時間ができたので、先ほど建て主でもあるM歯科さんへ予約を入れました。(抜歯になるかもしれないので、軽く食事をして来るようにと。)


やっぱり猫が気になる

2005-10-06 20:09:43 | インポート
Pa060016
Pa060018
Pa060021
Pa060022



天草行き途中の「まねき猫の家」がやはり気になり、一人ではなんなので今回スタッフと一緒の現場定例だったので寄ってみました。猫は大きい割りにとても愛嬌があり、入口には狐に似た犬がいました。
レストランと美術館内部は撮影禁止の張り紙があり紹介できませんが、レストラン内は左官コテ塗壁と自然の丸太柱で民家風です。座式の4人掛けが8テーブル、入口廻りにはたくさんのまねき猫(たぶん数千匹?)が飾られ、トイレは広めのワンルームで棚の上に地蔵さんが置かれ、賽銭が積んであります。レストランを出た奥にはまねき猫のほこらや池、絵の描かれた塀?、地蔵美術館(有料100円)と地蔵たち、メルヘンチックでもあり迷宮に迷い込んだようでもあり、愛嬌のある猫や地蔵たちは違う世界の番人のようです。
Pa060023
Pa060028
ここの入江から西港を眺めるビアガーデンもあり、ビールでも飲みながら夕暮れ時のひとときを過ごすのも良いなと思いました。(三角駅までJRで往復するか、一泊で来なければ無理かな・・)


うどんとパブリックアート

2005-10-04 16:53:45 | インポート
Pa030007
昨日は熊本県信用保証協会八代支所(1998年完成)の7年点検を頼まれていましたので調査結果報告に行きました。八代は25年前東京から帰熊した時、父(7年前他界)から「手打ちうどんの店を始めるから見習いに言って来い」と言われ、JR(その頃国鉄)でアーケード街にある「都一うどん」へしばらく通ったことがあります。半年ほど店を手伝い、設計の仕事に戻ったのですが、そのころのアーケード街は活気があったのを覚えています。その後都一うどんの社長さん(名古屋生まれで個性的な人でした)関係の設計を八代で2軒依頼された事もあり、来る機会も多い所です。
Pa-00101
Pa-00102

八代支所は熊本県南の銀行融資保証をする所で業務範囲は広いのですが、一般の人が来る機会はほとんど無いかと思います。しかし経済活動の中での関係は大きく、当然風設計室も保証して貰っている融資があります。(設計を担当する前から)あまり表に出ない業務が多い事から、八代支所のコンセプトは町並みに対して積極的に敷地をオープンにし、内部のアメニティ向上を柱にしました。積極的な働きかけとして敷地の2ヶ所にパブリックアートの展示スペースを設置し、完成後しばらく地元の造形作家の作品を展示してもらっていたのですが、2度目の展示の時、心無い人に残念にも壊されてしまいました。
東京のファーレ立川(立川市)は再開発された街の至る所にパブリックアートが展示されています。
世界的に知られた作家の作品が意外なところに展示されていたり、時にドキとしたり、触れて楽しんだり、ちょっと笑ってしまうような作品もあります。自然は感情を豊かにしてくれますが、街の中にアートがある事で同じように豊かさを感じることがあることを知りました。