風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

「夢を語る」

2005-10-28 14:32:30 | インポート
P1000252
今日は末っ子(小6)が通う小学校でシンポジュウム「夢を語る」(6年生対象)のシンポジストとして、{夢の実現~私の仕事を通して」をテーマに話をしに行きました。元教師、看護長、サッカー監督、建築家の4人がパネラーでそれぞれが仕事の内容、仕事を選んだ動機を話して、子供たちからの質問に答え、最後に子供たちへメッセージを伝える約1時間半のシンポジウムです。子供達から沢山質問があり「仕事で学んだ事、困った事、やりがいや良かった事、心が通じたと思う事、小学校の時の夢、別の仕事だったら何になりたかったか。」答えは職業によって違いますが、自分にとって天職となる仕事に出会えるよう努力をしてほしいと伝えていたと思います。
実際私が建築へ進もうと考えたのは高校2年の時で、設計をやりたいと思ったのは大学生3年の時です。(学生時代はスキー部の活動に熱中して、建築設計はその次でしたので偉そうな事は言えませんが)
子供たちもこれから中学、高校と進み、選択の岐路に立ち考えるのですが、色んな職業の生の話を聞くのは良いヒントになり視野が広がるし、社会と触れ合う良い取組みだと思いました。
kumamotojyo
熊本に住んでいると熊本城の石垣や建物の存在は当たり前のようですが、もし無かったらすごく淋しいものだと思います。400年前から在るものを見ている訳ですから、時間を経た揺るぎない存在に対する無意識の文化意識を持っているはずです。
ヨーロッパの町並みが素晴らしく日本の町並みはゴチャゴチャしているのは何故かと時々聞かれます。気候風土の違い?石造文化と木造文化の違い?(ヨーロッパにも木造住宅は沢山あり、茅葺き屋根もあります。)どうもそうではなくて日本が島国で他国からの侵略や征服を受けた事が無いことが最も大きな理由だと思います。フィンランドへ行った時、現地に居る日本人からこの国はロシアやスエーデンに永く征服されていて、フィンランドとしての歴史を示すものが乏しく、吟遊詩人の詩が歴史を示す大切な手掛りだと聞きました。ヨーロッパの多くの国も侵略と征服の長い歴史があり、そのことが自国の歴史や存在を示す建築や文化を非常に大切にしている理由だと思います。
今日のシンポジュウムで子供たちに熊本の歴史や風景を大切に感じてほしいと伝え、風景の良し悪しに私達が最も関係し大きな責任があると言いました。頑張らなければ彼らに笑われるかもしれません。