障がい者福祉サービスきおうが3月完成しました。
依頼主は風設計室の作品第一号となった喫茶店DECOYのオーナーです。
1985年(昭和60年)完成、鉄骨造ですが外装、内装杉板張りで妻型のフレームが南北に貫通し、天井の高い吹き抜け空間になっていました。両サイドの妻型フレームからの光に包まれた洞窟的な雰囲気がお客さんに愛されていたようですが、残念なことに2011年に焼失してしまいました。
一年後の2012年(平成24年)同じ場所にDECOY2の設計依頼を受けて、新しい喫茶店を完成させました、V型の屋根を持つ建物は最初のDECOYの自然光コンセプトを受け継ぎ、外壁は杉板の黒塗壁、内部は杉張りとして、なるべく以前の雰囲気を継承しました。
そして新しく3月完成したのが、障がい者福祉サービス きおうです。
初代障がい者福祉サービス きおうはDECOYの東側に鉄骨造店舗を改装し運営されていましたが、手狭であったこともあり、DECOY西側に新たに障がい者デイサービス施設を建てることになりました。
約50坪の木造平屋建て、食堂・談話室と機能回復訓練室は杉の梁現した吹き抜けとし、利用者に伸びやかな木の空間の中で過ごすことで、此処に来る楽しみが少しでも増えてほしいと願い設計しました。
大きな空間にするとその室内温熱環境を快適にする工夫が必要です。ここでも太陽熱空気集熱システム「そよ風」を採用しました。玄関に入ると建物全体がほっこり温かく、新鮮空気がどんどん入って換気しますので、感染予防や臭気除去にも役立ちます。
障がい者福祉サービス きおうでも初代DECOYの空間に親しみ育たれた子供さん達が看護師や理学療法士になり運営されます。御領の家と同様世代を超えて使っていただく建物の設計をする喜びを力に替えて取り組みました。
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