今日の樹木花は、オトギリソウ科の花達です、「オトギリソウ / 弟切草」自体は、草木ですが、オトギリソウ属の樹木花も在ります。
似た様な花で紛らわしいので、再確認の為に載せました。
「オトギリソウ、「キンシバイ」(金糸梅)、「ヒベリカム・ヒドコート」
「ヒベリカム・カリシナム」(姫金糸梅)、「ビヨウヤナギ」(美容柳)にしました。
最初は、オトギリソウ科の本元「オトギリソウ」です。
<「オトギリソウ」弟切草>
集散花序から、黄色い5弁の花を咲かせます。
多数の長い雄蘂が、目立ちます。
直立する茎は、20~80cm, 細長い葉が、対生します。
オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性多年草
日本、中国、朝鮮半島に自生。
学名 Hypericum erectum 、英名 Goatweed
タンニンを多く含むので乾燥させて生薬に、利用した由、
物騒な名前の “弟切” ですが、其の由来は
平安時代、此の植物から作った秘薬の秘密を弟が他に漏らしたので、
兄が切り殺したとのこと、此れが “弟切” の名前の由来とか
恐ろしげな名前ですが、綺麗な花なのです。
次は、同じオトギリソウ科の、「ヒペリカム 'ヒドコート'」です。
<「ヒバリカム 'ヒドコート'」>
中国原産の「キンシバイ」の園芸種とかで、「キンシバイ」より花径が大きく
前者が横向きに花を咲かせるのに対して、立性の枝に、やや上向きに花を
咲かせます、華やかさが有ります、多数の花が咲き揃う様は、壮観です。
オトギリソウ科、オトギリソウ属、園芸品種、常緑低木、学名 Hypericum patulum cv.Hidcode
別名「ヒペリカム 'ヒドコート'」、「セイヨウキンシバイ」(西洋金糸梅)
<「ビヨウヤナギ」>
次は、「ビヨウヤナギ」(美容柳)です、金色の長い雄蕊が金の糸の様です。
此の雄蕊が花弁より長いのも特徴の一つです。(「ヒベリカム・カリシナム」との違いにもなっています)
“柳” の名前は、十字対生(「ヒペリカム・カリシナム」との違い)の葉が「柳」の様に垂下がるからとか
オトギリソウ科、オトギリソウ属、半常緑小低木、中国原産、学名 Hypericum monogynum
=H.chinense =H.chinense var salicifolium
別名「ビジョヤナギ」(美女柳)、中国名では、「金糸桃」の名前が付いていました。
亦、「未央柳」の名前も付いていますが、中国の未央殿の柳を美しい楊貴妃の眉に喩えて
日本で名前を付けたとのこと、“未央” が “美容” になったようですが ・ ・ ・
“美容” と “美女” 綺麗な事には間違いないようです。
<「キンシバイ」>
次が「キンシバイ」(金糸梅)です、Hypericum の中でも楚々として、花の咲き方が
半開なのも奥床しい感じがします。
名前の由来は、“金の糸を持って、「梅」の花に似ている” からとか
葉は、対生で上の「ビヨウヤナギ」等とは違います。
オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性常緑低木、中国原産、Hypericum patulum
<「ヒペリカム・カリシナム」>
オトギリソウ科の最後は、「ヒペリカム・カリシナム」です、「ビヨウヤナギ」と似ていて
間違われ易い花ですが、後で区別するチェックポイントを載せておきます。
此の花も雄蕊の長くて「ビヨウヤナギ」のカールする雄蕊に比べて、ザンギリ、モジャモジャの
感じが特徴です、オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性常緑低木、ブルガリア、トルコ原産
学名 Hypericum calycinum 、英名 Aaron´s beard (アロン(モーゼの兄)の顎鬚)
英和辞典には、<(植)オトギリソウ属>となってました。
別名に、「ヒメキンシバイ」(姫金糸梅)の名前が付いています。
最後に、似ていて見分け難い「ビヨウヤナギ」と「ヘペリカム・カリシナム」の区別のポイント
・雄蕊の数は、「ビヨウヤナギ」(左図)が約200本位に対して「ヒペリカム・カリシナム」(右図)
400本位と圧倒的に後者が多いのです。
・背丈は、前者が 100cm位に対して、後者は、100cm未満と低いのです。
・葉は、前者が細長く十字対生に対して、後者は、丸みを帯びて対生です。
・蕾は、卵型でガク片は、幅広で縁が丸みを帯びます、後者は、細長い卵型ガク片は、披針形です。
・雄蕊は、前者が花弁より長いのに対して、後者の雄蕊は、花弁と略同じ位の長さです。