花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

初夏に咲くー№15 「ボタンクサギ」他

2024-06-12 | 植物 花

今日も樹木花です「ボタンクサギ」と「ゲンペイクサギ」の2種です。

<「ボタンクサギ  /  牡丹臭木」>

集散花序に、小さなピンク色の花を多数着けて、半球状の花穂を作ります。

5裂した花冠から4本の雄蘂と1本の雌蘂を長く伸ばします。

蕾の時は、紅色ですが、花色は、開花するに従ってピンク色です。

葉は、「クサギ」同様、独特の匂いがしますが、花は、甘い香りがします。

<牡丹>の名前は、花穂の姿が、「牡丹」の花に似ているからとか

シソ(クマツヅラ)科、クレロデンドロン属、半耐寒性落葉低木、中国原産、学名     Clerodendrum   bungei

別名「ヒマラヤクサギ」、「ベニバナクサギ」、「タマクサギ」



<他の画像>

次は、「クレロデンドロン / 源平臭木」です。

<「ゲンペイクサギ」>

白い萼と赤い花が、源平の旗印の色からこの名前が付いた由

白い袋状の萼の間から花冠の先端が5裂した濃赤色の花が平開します。

4本の雄蘂と1本の雌蘂が、長く伸び出ます、葉は、卵形で互生します。

シソ(クマツヅラ)科、クサギ属、常緑蔓性低木、西アフリカ原産、学名    Clerodendrum thomsoniae

英名    bleeding heart vine、bag flower、glory bower

別名 「ゲンペイカズラ」(源平葛)



初夏に咲くー№ 14 「クサギ」

2024-06-10 | 植物 花

樹木花が続きます、今日は、今が盛りの「クサギ」の花を挙げます。

<「クサギ」(臭木)>

”臭木” の名前ですが、臭いのは、葉に傷つけた場合で、花は、其の分、甘い良い香りがします。

「香木」では無く、「臭木」の名前の由来のようです。

集散花序に、白く筒部が細く長い花を咲かせます、先端は、5裂して平開します。

緑色の萼が、段々に赤色に変化するのも見物です。

秋に瑠璃色に熟す果実も、赤い萼とのコントラストが美しいものです。

熟す前の実は、黄緑色ですが、熟すと紺碧に変わります。

花や実は、仲間の「ボタンクサギ(牡丹臭木)」や「ゲンペイカズラ(源平葛)」に似ています。

果実は、オクナ科の「ミキーマウスの木」の実にも似ています。

シソ(旧クマツヅラ)科、クサギ属、常緑小高木、日本、朝鮮半島原産、学名    Clerodendrum trichotomum

英名    Harlequin glory bower




他の画像

秋が、深まると、 萼の色と果実の色合いが素晴らしい実になります、ルビーの輝きです。


初夏に咲くー№ 13 「カシワバアジサイ」他

2024-06-07 | 植物 花

今日は、此の時季に咲くアジサイ科の花を挙げてみました。

「ハイドランジア ’アナベル’ 」と「カシワバアジサイ」(柏葉紫陽花)の花です。 

<「ハイドランジア ’アナベル’ 」>

「アジサイ」(紫陽花)の仲間ですが、日本原産種を改良した「アジサイ」(紫陽花)の花とは少し趣が違います。

小さな装飾花が密集して咲き、手鞠状の大きな花房(20~30cm位)を作ります。

北アメリカ原産の「アメリカノリノキ」  Hydragea arborescens   の変種を改良した園芸種とのこと

花弁の無い両性花は、手鞠状の装飾花に隠れて咲きますので、外からは、見えないのです。

花色は、白が主ですが、ピンクの花も有る様です。

花色は、淡い緑から純白、再度、緑になり最後は、乾燥して茶色に変化します、ドライフラワーにします。

アジサイ(ユキノシタ)科、ハイドラジア属、耐寒性落葉低木、北アメリカ原産(園芸種)

学名    Hydragea arborescens 'Annabelle' 、別名「アナベル」、「ハイドラジア・アルボレッセンス’」

「アメリカノリノキ ’アナベル’」、<アナベル>の名前は、諸説有る様ですが

原種の発見地、北アメリカ、イリノイ州、アンナ市に因るとのこと

次は、「 カシワバアジサイ」の花です。

 <「カシワバアジサイ」柏葉紫陽花>

「紫陽花」  Hydrangea macrophylla  より華やかさでは、少し劣りますが

品種に依っては、装飾花の大きさ、形が、より豪華にみえるものがあります。

ただ、花色が、白一色なので、物足りなさは残りますが

一重や八重も有って、秋の紅葉も愉しめます。

一重咲きの「スノークイーン」、八重咲きの「スノーフレーク」、大きな房の「ハーモニー」等々が人気です。

名前の由来は、「柏」の葉に似た葉を着けるので「カシワバ」が付いた由

大きな葉で、切込みが在り、比較してみると、「柏」より「楢」(オーク)の葉に似てるとは、思いますが

穂状で、円錐形に花を着けます、其の花穂が、直立したり、下垂します。

ユキノシタ(アジサイ)科、アジサイ(ハイドランジア)属、落葉低木、北アメリカ原産

学名   Hydrangea quercifolia、英名   Qak leaved hydrangea


葉は、秋になると紅葉しますが、花も白からピンク色になり、色の変化をを愉しみます。


初夏に咲くー№ 12 「カズラ / 葛」

2024-06-05 | 植物 花

今日の樹木花は、キョウチクトウ科の「テイカカズラ」にしました、”白い風車”  が、初夏の空に回ります。

 <「テイカカズラ」(定家葛)>

 葉脇から房状の花序が出て下垂し、花は、筒状で、先端が五裂します。

各花弁は、捩じった様に角度が付きますので、プロペラ状の花になります、白色から淡い黄色に変化して

ジャスミンの香りがします、葉は、光沢が有る緑色ですが、抒徐々に黄、赤と変色するので、観葉植物としても愉しめます。

茎から気根をだして、周りのものに絡み付きます。

「定家葛」の名前の由来は、歌人藤原定家が、愛した女性の死後、葛に変身して、女性の墓に絡み付いたからとか

墓に絡み付くとは、凄いことですが、有毒植物なので注意も必要です。

熟した実は、裂開して、綿毛が付いた種子を放出します。

園芸種に、葉がピンクや白色の「ハツユキカズラ」(初雪葛) Trachelosprmum asiaticum ´Hatsuyuki  kazura`  が有ります。

キョウチクトウ科、テイカカズラ属、蔓性常緑低木、日本、朝鮮半島原産、学名   Trachelospermum asiaticum

英名   Yellow star jasmine、別名 「マサキカズラ」、「ケナシテイカカズラ」



次は、同じキョウチクトウ科の園芸種「テイカカズラ 'ハツユキカズラ’」です、斑模様が美しい葉を着けます。

若葉のピンク、白い葉、緑の葉と葉の色の変化を愉しみます、初夏の頃に「テイカカズラ」の花に似た小さ花を咲かせますが

花よりカラーリーフとして一層愉しめます。

"初雪葛”  の名前は、葉に積もった雪が、斑で、最初に積もった様子を著わした為とか

確かに、何回も降り積もった雪の場合は、斑では無く、全面を覆います。

キョウチクトウ科、テイカカズラ属、常緑蔓性低木、学名  Trachelospermum asiaticum


花は、「テイカカズラ」の花に似た小さな花です。


尚、”雪”  の名前が付いた「ナツユキカズラ」や「ハツユキソウ」も来月頃から開花します。

亦、その時期、此等の花々を載せてみます。

初夏に咲くー№ 11

2024-06-02 | 植物 花

今日の樹木花は、オトギリソウ科の花達です、「オトギリソウ  /  弟切草」自体は、草木ですが、オトギリソウ属の樹木花も在ります。

似た様な花で紛らわしいので、再確認の為に載せました。

「オトギリソウ、「キンシバイ」(金糸梅)、「ヒベリカム・ヒドコート」

「ヒベリカム・カリシナム」(姫金糸梅)、「ビヨウヤナギ」(美容柳)にしました。

 

最初は、オトギリソウ科の本元「オトギリソウ」です。

 

                  <「オトギリソウ」弟切草>

 集散花序から、黄色い5弁の花を咲かせます。

 多数の長い雄蘂が、目立ちます。

   直立する茎は、20~80cm, 細長い葉が、対生します。

   オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性多年草

 日本、中国、朝鮮半島に自生。

 学名 Hypericum erectum 、英名  Goatweed

   タンニンを多く含むので乾燥させて生薬に、利用した由、

 物騒な名前の “弟切” ですが、其の由来は

 平安時代、此の植物から作った秘薬の秘密を弟が他に漏らしたので、

 兄が切り殺したとのこと、此れが “弟切” の名前の由来とか

 恐ろしげな名前ですが、綺麗な花なのです。   

 

 次は、同じオトギリソウ科の、「ヒペリカム 'ヒドコート'」です。

<「ヒバリカム 'ヒドコート'」>

中国原産の「キンシバイ」の園芸種とかで、「キンシバイ」より花径が大きく

前者が横向きに花を咲かせるのに対して、立性の枝に、やや上向きに花を

咲かせます、華やかさが有ります、多数の花が咲き揃う様は、壮観です。

オトギリソウ科、オトギリソウ属、園芸品種、常緑低木、学名 Hypericum patulum cv.Hidcode

別名「ヒペリカム 'ヒドコート'」、「セイヨウキンシバイ」(西洋金糸梅)

Cimg99472

 

<「ビヨウヤナギ」>

次は、「ビヨウヤナギ」(美容柳)です、金色の長い雄蕊が金の糸の様です。

此の雄蕊が花弁より長いのも特徴の一つです。(「ヒベリカム・カリシナム」との違いにもなっています)

“柳” の名前は、十字対生(「ヒペリカム・カリシナム」との違い)の葉が「柳」の様に垂下がるからとか

オトギリソウ科、オトギリソウ属、半常緑小低木、中国原産、学名 Hypericum monogynum

=H.chinense =H.chinense var salicifolium

別名「ビジョヤナギ」(美女柳)、中国名では、「金糸桃」の名前が付いていました。

亦、「未央柳」の名前も付いていますが、中国の未央殿の柳を美しい楊貴妃の眉に喩えて

日本で名前を付けたとのこと、“未央” が “美容” になったようですが  ・ ・ ・ 

“美容” と “美女” 綺麗な事には間違いないようです。



<「キンシバイ」>

次が「キンシバイ」(金糸梅)です、Hypericum  の中でも楚々として、花の咲き方が

半開なのも奥床しい感じがします。

名前の由来は、“金の糸を持って、「梅」の花に似ている” からとか

葉は、対生で上の「ビヨウヤナギ」等とは違います。

オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性常緑低木、中国原産、Hypericum patulum



<「ヒペリカム・カリシナム」>

オトギリソウ科の最後は、「ヒペリカム・カリシナム」です、「ビヨウヤナギ」と似ていて

間違われ易い花ですが、後で区別するチェックポイントを載せておきます。

此の花も雄蕊の長くて「ビヨウヤナギ」のカールする雄蕊に比べて、ザンギリ、モジャモジャの

感じが特徴です、オトギリソウ科、オトギリソウ属、耐寒性常緑低木、ブルガリア、トルコ原産

学名 Hypericum calycinum英名 Aaron´s beard (アロン(モーゼの兄)の顎鬚)

英和辞典には、<(植)オトギリソウ属>となってました。

別名に、「ヒメキンシバイ」(姫金糸梅)の名前が付いています。

Cimg99372

 

最後に、似ていて見分け難い「ビヨウヤナギ」と「ヘペリカム・カリシナム」の区別のポイント

・雄蕊の数は、「ビヨウヤナギ」(左図)が約200本位に対して「ヒペリカム・カリシナム」(右図)

 400本位と圧倒的に後者が多いのです。

・背丈は、前者が 100cm位に対して、後者は、100cm未満と低いのです。

・葉は、前者が細長く十字対生に対して、後者は、丸みを帯びて対生です。

・蕾は、卵型でガク片は、幅広で縁が丸みを帯びます、後者は、細長い卵型ガク片は、披針形です。

・雄蕊は、前者が花弁より長いのに対して、後者の雄蕊は、花弁と略同じ位の長さです。