花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

「マンデヴィラ」”サマードレス” の季節

2020-07-16 | 植物 花

「フウラン」(風蘭)、「フウチソウ」(風知草)が、涼風を運んできました。

(過去に掲載したもの)

         <「フウラン」(風蘭)>

日本が原産の<養生種>の「蘭」です、よい香りで人気が有ります。

他には、中国、朝鮮半島にも自生している様です。

野生種は、絶滅危惧種に指定されているとか、貴重な「蘭」です。

<養生種>とは、樹木や枝に根で張り付く種類の「蘭」のことです。

空中に根が、露出していることもあります。

「フウキラン(富貴蘭)」の名前で江戸時代から多く栽育したとか

今では、多くの園芸種が作出していて、100種以上が見られる由

肉厚で堅い葉の付け根から花茎を伸ばして、白い花を咲かせます。

五弁の倒卵形の花弁が反り返り、唇形の花弁が前に突出ます。

亦、長い管の<距(きょ)>が、後ろの方に伸びて面白い形の花二なります。

花が、同じ方向に向いて咲くのも面白い物です。

ラン科、フウラン属、半耐寒性多年草、学名 Neofinetia falcata=Vanda falcata、別名「フウキラン」(富貴蘭)

 

       <「フウチソウ」(風知草)>

僅かな風に揺れる風情が、昔から親しまれた様です。

数枚の長さ15CM位の細長い葉が、多数の茎に着き垂れ下がります。

付け根の所で、葉が、ねじ曲り裏が表になり、表が裏になるので

濃い緑色で光沢が在る裏が、表になって輝きます、葉の表は白色で

すが、裏側になっているので、裏葉の緑色のみが目に付きます。

秋には、小さな小さな穂が出ます。

イネ科、ウラハグサ属、多年草、日本固有種

学名 Hakonechloa macra、別名「ウラハグサ」(裏葉草)

尚、<Hakone>は、<箱根>で、箱根地方に多く自生していたからとか

<Chloa>は、ギリシャ語で<草>の意味とのこと

亦、<Macra>は、<長い>意味で、”箱根の長い葉” の意味になる由。

「マンデヴィラ」の季節です。

園芸名「サマードレス」、白く透き通った花弁が、夏のドレスを著わします、涼風が、通り抜けます。

「マンデヴィラ・ボリビエンシス」

「マンデヴィラ」(マンデビラ)Mandevilla spp. には、品種や交雑種を含めると100種以上有るとか

原始系で、花も小さく、花の色が白色なのが特徴です。

豪華なアモエナ系の園芸種が多い中で、清楚な感じがする花です。

純白で、中心の喉部分が、黄色、花弁が、5弁で、先端が、大きく開きます。

光沢在る濃緑の葉も此の白い花を引き立てます。

 花冠の先端が五裂して、中心が橙色をしています、艶の有る葉が対生します。

キョウチクトウ科、マンデヴィラ属、ボリビア、エクアドル原産、常緑蔓性低木、学名 Mandevilla boliviensis

英名 White dipladenia 、別名 「ホワイト ディプラデニア」、「サマードレス」

園芸種には「マンデヴィラ・アモエナ ´ローズジャイアント`」M.× amoena ´Alice du Pont`)=下段左

「マンデヴィラ・アモエナ ´ホワイトデライト`」M. × amoena ´White Delight)=上段左

「マンデヴィラ・アモエナ ´ルビースター`」 M.× amoena ´Ruby Star`)=下段右 等が有りました。

八重の花も ・ ・ ・ “パッフェ” =上段右 の名前が付いていました。

下図は、其の園芸種の数々です、「ボリビエンシス」に比べて色鮮やかで華やかな雰囲気です。


<各画像は、クリックで拡大表示します>


夏の ”クリスマスツリー”

2020-07-12 | 植物 花

此の時季 ”クリスマスの木”  「クリスマスブッシュ」の花が盛りです。

オーストラリアのクリスマスを彩る「クリスマスブッシュ」(Christmas bush) です。

現地では、11月頃から1月頃に懸けて咲くとのこと、日本では、5月~7月の頃に懸けて咲きます。

夏に、クリスマスの話も何なんですが、原産地のオーストラリアでは、クリスマスを告げる花とか

南半球、オーストラリアの夏のクリスマスに思いを馳せて、日本で咲いた

「クリスマスブッシュ」を載せてみました。

総状花序をだして、小さな白い星形の花を咲かせます。

花が、終わると萼が、肥大して赤く色着きます、樹全体が、赤く染まり壮観です。

”南の国のクリスマスツリー” です。

クノニア科、ケラトペタラム属、常緑高木、オーストラリア、ニューギニア島原産

学名 Ceratopetalum gummiferum、英名 New South wales christmas bush

クリスマスの頃に切り花として輸入、花屋の店頭に並びます。

>亀吉

下図は、白い花が終わった後に萼が赤く色着いたものと、白い花が開花中の様子です。

萼に比べて、白い本当の花は、見栄えが、イマイチです。


<各画像は、クリックで拡大表示します>


ツバキ科の花(A)

2020-07-07 | 植物 花

今日は、「ヒメシャラ」(姫沙羅)と「ナツツバキ」(夏椿)を挙げてみました。

<「ヒメシャラ」>

似た花の「ナツツバキ」が「沙羅樹」と間違えて伝わったことから、「ナツツバキ」より葉、花とも小さいので

"姫” の名前が付いて由、葉、花の大小以外に、違いは、葉、花に白い毛が生えているので、区別が容易です。

枝の分枝が多いので、樹形が綺麗、シンボルツリーとして植栽することが多いようです。

「ツバキ」に似た花径2cm位の白い花を咲かせます。

赤褐色の樹皮が鱗状に離脱するので、模様が付いた滑らかな樹木が現れます。

ミソハギ科の「サルスベリ」の樹肌に似た様相を呈します、紅葉も美しいです。

ツバキ科、ナツツバキ属、落葉高木、日本原産、学名 Stewartia monadelpha



次は、「ナツツバキ」(夏椿)です、5弁の白く透き通るような花を咲かせています。

<「ナツツバキ」>

花径が<5cm~7cm>と大きく、雄蘂が黄色で目立ちます。

夏には、ピッタリの花の姿、色彩色彩で、涼しさを感じさせます。

透明感の有る花弁の先端には、フリルが着いた様な襞が視られます。

樹皮が、剥離し易く、現れる木肌には、薄緑色や赤茶色などの文様が、現出します。

「シャラノキ」(沙羅の木)の名前で、寺院などの庭でよく見かけますが

日本には無かった仏教の聖樹の「サラソウジュ」(沙羅双樹)に擬した物とのこと

一日花で残念ですが、”沙羅双樹の花の色” ですか

本来の「沙羅双樹」の花の形や色合いは、「ナツツバキ」とは、大分、雰囲気が違います。

ツバキ科、ナツツバキ属、落葉高木、日本、朝鮮半島原産、耐寒性落葉低木

学名 Stewartia pseudocamellia 、英名 Japanese stuartia別名「シャラノキ」(沙羅樹)



因みに、聖樹の「沙羅双樹」の花は、下図の様な花とか、大分違います。

下図は、<滋賀県草津市立、水性植物園と他の場所での撮影画像を借用>


<各画像は、クリックで拡大表示します>

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<過去に載せた記事の再掲載です>

 
ヒガンバナ科の花3種

初夏に咲くヒガンバナ科の花、「ヒメノカリス」、「ハマユウ」、「インドハマユウ」の3種を挙げます。<「ヒメノカリス・スペシオサ」>「ヒメノカリス」Hymenocallis......
 

キツネノマゴ科の花(A)

2020-07-05 | 植物 花

キツネノマゴ科の花に、今回は、「アカンサス・モリス」、「ペロペロネ」を挙げてみました。

<「アカンサス・モリス」(ハアザミ/葉薊)>

数十種有る中で、此の「アカンサス・モリス」と「アカンサス・スピノサ」が一般的です。

花は、上部に覆い被さる様な萼、下部に苞、其の間から花弁が舌の様に突出ます、苞には棘が生えています。

最初の「アカンサス・モリス」は、古代ギリシャ、ローマ時代のコリント建築の彫塑

装飾モチーフとして此の「ハアザミ」の葉が、モデルになったとのことです。

特に、コリント建築の石柱の飾り模様に多く採用された由、ギリシャの国花にもなっているとか

日本の一万円札の図柄にも描かれています。

紫色の萼と白い色の花弁のコントラストが見事で、長い茎に穂状に着いた筒状花が咲きます。

羽状に深く込みが有る艶やかな葉や、特徴有る花の形や萼に入る紫色の筋(脈)に人気が有るようです。

亦、花後の萼は、其の儘残りますので、長い間愉しむ事ができます。

種々種類が有る中で、此の「ハアザミ」(アカンサス・モリス) が 一番知られている様です。

キツネノマゴ科、ハアザミ属、耐寒性多年草、南ヨーロッパ原産、学名 Acanthus mollis

英名  Bear's Breech”熊の尻”、何、似ているって ・ ・ ・ 、別名「ハアザミ」(葉薊)



「アカンサス」の葉が、モデルになった古代ギリシャの石柱の彫塑、文様 <画像借用>

苞には、名前の由来の長く鋭い棘が生えています。

 下図は、更に長く太い棘を生やした、「アカンサス・スピノサス」です、葉にも棘が視られます。

 

「ペロペロネ」もキツネノマゴ科の植物です、花期が長いので、充分愉しめます。

ベロペロネ(コエビソウ、小海老草)」>

花より赤褐色の葉の様な苞が、目立ちます、鱗状になった苞が、湾曲して海老の様に見えるので

別名「小海老草」の名前が、付いた由、花は、白く長い筒状花で、花弁には、紫色の斑点が入ります。

ベロペロネ属から今は、ジャスティシア属になったとのことで、学名も旧と新が、併記され場合が有ります。

 「ベロペロネ」は、ギリシャ語で<ベロス(矢)>、<ペロネ(帯)>

雄蘂の先端で、二本の葯が、矢の様な形になるからとか

キツネノマゴ科、ジャスティシア属、非耐寒性常緑低木、メキシコ原産、学名 Justicia brandegeana

=Beloperone guttata、英名 Shrimp plant、False hop

尚、False hop は、形が、ホップの花の形に似ているための命名、”偽のホップの花” ですね。

「ペロペロネ」の名前の由来のギリシャ語の<ペロス pelos(矢)>、<ペロネ perone(帯、留め金)>からとか

雄蘂の先端から突出る2本の葯が、矢の様な形からですかね ・ ・ ・ 


「クサギ」(臭木)の花3種

2020-07-02 | 植物 花

初夏に咲くツツジ科の花「カルミア」(アメリカシャクナゲ)と「ベニサラサドウダン」(赤更紗満天星)が

開花期を終えました、長期間、愉しむことが出来ました。

<「カルミア」>

アメリカに寄贈した「桜」の返礼として入ってきた由

五角形の皿型の様なユニークな形の花です、雄蘂10本、雌蘂1本、雄蘂は、花弁の中に在って

昆虫が、蜜を吸いに来ると飛び出して、花粉を散らすとのこと、面白い仕掛けです。

花弁の模様もユニークで、斑点や折線の様な筋模様が、鮮やかです。

「カルミア」は、何種か有るようですが、一般に、ラティフォリア種を「カルミア」と呼んでるようです。

蕾の形が、金平投の様なのも、興味深を引きます、開花すると花弁が、皿の形になります。

名前の由来は、スェーデンの植物学者の名前 Pehr Kalm からとか

ツツジ科、ハナガサシャクナゲ(カルミア)属、耐寒性常緑低木、北アメリカ、キューバ原産

学名 Kalmia latifolia、英名 Mountain lourel、別名「アメリカシャクナゲ」(亜米利加石楠花)



ツツジ科の二題目は、「サラサドウダン」(更紗満天星、更紗灯台)の花です。

<「サラサドウダン」>

 「ドウダンツツジ」(灯台躑躅)に<更紗>の様な筋模様が入った「サラサドウダン」です。

枝の先端に総状花序をだして、数個の花を下垂させます。

釣鐘型の花冠の先端が、浅く五裂します、花冠の先端が、淡い紅色、基部は、淡い黄色で

緑色の縦筋が、入ります、葉が出るのと同時に花を咲かせます、葉が、先に展開する「ツツジ」などと違っています。

ツツジ科、ドウダンツツジ属、落葉低木、日本原産、学名 Enkiathus campanulatus

別名「フウリンツツジ」(風鈴躑躅)、学名 Enkiathus は、ギリシャ語の enkyos(妊娠)と

anthos (花)に因るとか、膨らみを持った花の形からのようです。

下図は、「サラサドウダン」の変種で淡い紅色の「ベニサラサドウダン」(紅更紗満天星)です。

花弁に濃い色の縦筋が入って、「サラサドウダン」の変種なのが解ります。

<ドウダン>」に<満天星>の文字を宛てるのも、多数の花が、満天の星をイメージしたものでしょうか


「サラサドウダン 」の赤色系「ベニサラサドウダン」(紅更紗満天星)Enkianthus campanulatus var.rubicundus

も初夏に空に映えます、「サラサドウダン」の特徴<筋入り>も微かに現れています。

今日の本題 、”今、「クサギ」の花3種” は、「クサギ」、「ボタンクサギ」、「ゲンペイクサギ」です。

<「クサギ」(臭木)>

”臭い話” で恐縮しますが、臭いのは、葉を傷つけた場合で、花は、其の分、甘い良い香りです。

集散花序に、白く筒部が細く長い花を咲かせます、先端は、5裂して平開します。

花弁は、萼から遠く離れます、4本の雄蘂と、1本の雌蘂が長く突出ます。

緑色の萼が、段々に赤色に変化するのも見物です。

秋に瑠璃色に熟す果実も、赤い萼とのコントラストが美しいものです。

シソ(旧クマツヅラ)科、クサギ属、常緑小高木、日本、朝鮮半島原産、学名 Clerodendrum trichotomum

英名 Harlequin glory bower


秋が、深まると、 萼の色と果実の色合いが素晴らしい実になります。

次は、「ボタンクサギ」(牡丹臭木)です。

集散花序に、小さなピンク色の花を多数着けて、半球状の花穂を作ります。

5裂した花冠から4本の雄蘂と1本の雌蘂を長く伸ばします。

蕾の時は、紅色ですが、花色は、開花するに従ってピンク色です。

葉は、「クサギ」同様、独特の匂いがしますが、花は、甘い香りがします。

<牡丹>の名前は、花穂の姿が、「牡丹」の花に似ているからとか

シソ(クマツヅラ)科、クレロデンドロン属、半耐寒性落葉低木、中国原産、学名 Clerodendrum bungei

別名「ヒマラヤクサギ」、「ベニバナクサギ」、「タマクサギ」


蕾の時の色は、ショッキングピンク、鮮やかな紅色です。

最後に「ゲンペイクサギ」(源平臭木)で終わります。

<「ゲンペイクサギ」>

白い萼と赤い花が、源平の旗印の色からこの名前が付いた由

白い袋状の萼の間から花冠の先端が5裂した濃赤色の花が平開します。

4本の雄蘂と1本の雌蘂が、長く伸び出ます、葉は、卵形で互生します。

シソ(クマツヅラ)科、クサギ属、常緑蔓性低木、西アフリカ原産、学名 Clerodendrum thomsoniae

英名 bleeding heart vine、bag flower、glory bower

別名 「ゲンペイカズラ」(源平葛)



<各画像は、クリックで拡大表示します>

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過去の記事の再掲載です、ゴマノハグサ科の「ブットレア」の花を載せていました。

 
ゴマノハグサ科の花(4)
緑道の休み処を過ぎると ・ ・ ・ 滝が現れます、滝風が爽やかです。今日のゴマノハグサ科の花は「ブットレア」です。<「ブットレア」Buddleja × ......