花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

早春の樹木花(2)

2022-03-02 | 植物 花

”早春の樹木花(2)には、「アオモジ」、「ダンコウバイ」、「サンシュユ」を選びました。

<「アオモジ」青文字>


 

「アオモジ (青文字)」も早春に咲く "春告げ花” です。

花は、黄白色で、散形花序に着きます、亦、葉が展開する前に咲く

ので、枯れ木に花が、咲いた様に見えます。

雌雄別株の花は、花弁状の白い総苞片が目立ち、黄白色の小さな

花の花冠が、6裂します。

同じ科属の「クロモジ」が、葉と同時に花が、咲くのとの違いが有り

日本では、近畿地方以南が、生育地で3月頃に一斉に開花します。

鮮やかな緑色の葉が、互生して、秋には、黄葉して綺麗です。

枝や葉には、芳香が有り、<爪楊枝>に加工されています。

「青文字の名前は、樹皮が、緑色の故で、「クロモジ」の黒色のとの違いです。

果実は、球形で、秋には、紫黒色に熟します、レモンの香りがして、薬用にすることが多いようです。

クスノキ科、ハマビワ属、落葉小高木、日本、台湾、中国、インドネシア原産、学名    Litsea cubeba 

別名は、辛味が有るので、「ショウガノキ(生姜の木)」、「コショウノキ(胡椒の木)」




次は、「ダンコウバイ」です。

<「ダンコウバイ(檀香梅)」>


 

花は、前回に載せた「アブラチャン」に似ていますが

花数や花の着き方が、多少違います。

互生する葉は、楕円形で、先端が3裂して、秋には、黄葉します。

果実は、球形で秋に赤から黒色と熟します。

葉や幹、種子には、香りが有り、「クロモジ」、「アオモジ」

同様<爪楊枝>の材料になります。

クスノキ科、クロモジ属、耐寒性落葉高木、日本、朝鮮半島、中国原産

学名 Lindera obitusiloba 、別名 「ウコンバナ」

「壇香花」の<檀香>は、「白檀」の意味で、葉、幹、種子に香りが在るので

この名前が付いた由

尚、英名の  Lindera は、スウェーデンの植物学者に由来するとか

 

両者の違いを簡単に列挙しますと、(1)「ダンコウバイ」の葉は、楕円形で葉の先端が、

3裂し、花は、花柄が在って、散形花序が枝に着きますが(2)「アブラチャン」は、葉が、炸裂せず、楕円形で先端が尖っています。

花は、花柄が無く、散形花序が、直接枝に着きます。

下図は、「ダンコウバイ」の花序と葉です。

下図は、「アブラチャン」の花序と葉です。

最後は、「サンシュユ」(山茱萸)の花です。

<「サンシュユ」>

”春告げ花”  の一つで、早春、葉に先立って集散花序をだして

鮮やかな黄色の小さな花を枝一面に咲かせます、4弁花で4本に雌蘂が目立ちます。

花序全体が、黄金色に輝きます、別名「ハルコガネ」(春黄金)の名前は、此の姿を著わしたとのこと

九州宮崎の民謡<稗搗節>に謳われている<サンシュユ>は、「サンショウ」(山椒)のことで

この地方では、「山椒」を「サンシュユ」と呼ぶとのことでした。

美味しそうに見える実も、生食は、不味くて、不向きです、果実酒や生薬として利用されているようです。

ミズキ科、サンシュユ属、落葉小高木、中国、朝鮮半島原産、学名 Cornus officinalis

別名「ハルコガネ」(春黄金)、春に花が、黄金色に輝くから、「アキサンゴ」(秋、珊瑚)

秋に、珊瑚の様な赤い実を着ける故の命名のようです。

また、”ヨーグルトの木” と称されて、実際、ヨーグルトが作れるそうです。

ブルガリアには、「ヨーグルトの木」が、在り、此の木に近い「サンシュユ」の木の枝でも作れるそうです。

暖めた牛乳に「サンシュユ」の木の枝を入れて保温、一晩置くとヨーグルトが出来るとのことです。

確かに、ネット上には、沢山の作り方が、載っています。

 






秋に、赤い艶やかな「茱萸」に似た実を着けます、「秋珊瑚」、「山茱萸」の名前の由来です。

 


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