ニワトリ怒りの鉄拳

2011-07-01 01:00:00 | 独り言&拾いもの

 金曜日は渋谷のアップリンクで『セヴァンの地球のなおし方』と『100,000年後の安全』を見て、夜にはピアニストの上村容子さんらのトリオ『十五夜』のライブに出かけるのでサクサクと書くことにするけれど、東京電力の清水正孝社長(一番大事なときに病院へ逃げ込んだネズミ男)は、このたびの原子力人災の引率責任をとって代表取締役を辞することになったが、福耳の枝野官房長官に「私にも老後の生活がありますから」と呟いて、退職金5億円と役員報酬9千万円を有難く頂戴することにしたそうだ。

 ニワトリさんの目下の関心は、「ニュース9」の井上あさひアナ&徐子柵さんと、政府が再稼動を促している玄海原子力発電所だった。玄海原子力発電所の1&2号機は事故を起こした福島第一原子力発電所の原子炉と同じくらい老朽化していて、比較的新しい3号機は福島第一3号機と同じようにプルトニウムの混じったMOX燃料による「プルサーマル」運転を行なっている。この発電所のどこが「安全」なのだろう?
 4基ある原子炉の2基が引退間近で、1基が危険なプルサーマル運転をしているということは、本来ならば真っ先に運転停止してもよい原子力発電所だ。なのに、なぜ?
 経済産業省は実に巧妙だ。他の発電所よりも危険度の高い発電所に「安全」のお墨付きを出したのは、全国に先駆けて玄海原子力発電所の原子炉が再稼動すれば(調整運転をしているということは実質稼動しているのだが)、日本の全ての原子力発電所の原子炉が再稼動しても何ら問題はない、と宣言したも同然になる。

 ところで、4月の電気料金から「太陽光促進付加金」という項目が従来の電気料金に上乗せされられていることにお気づきだろうか?
 「太陽光促進付加金」は、一般家庭が太陽光発電などで作った電力の余剰分を電力会社が買い取る制度が始まったことに伴い、その買い取りにかかる費用を電力使用量に応じて利用者に転嫁するものだ。つまり東京電力は、身銭を切って電力を買い取っていないのである。
 経済産業省は、「これ以上『脱原発』を口にすれば電気料金が上がりますよ、それでもいいのですか?」という脅し文句を口にするようになったが、燃料費高騰の名目で電気料金はすでに上がっている。
 そもそも電気料金とは、発電所の建設費や人件費、燃料費など全ての費用に一定の利益を乗せる「総括原価方式」という特殊な計算式で定められていて、電力会社は絶対に損をしない仕組みになっている。
 さらに電気料金には、各家庭がどれくらい負担しているのかわからない「電源開発税」が課せられている。
 本年度予算だと、3640億円の「電源開発税」が計上されており、標準家庭で年間1200円程度の「電源開発税」を払っている計算だ。
 実は、この「電源開発税」の大半が、原子力発電所のある自治体へ立地に対する見返りとして交付されていたのだ。

 ニワトリさんは、この仕組みに感心するあまり「怒り」をどこかに置き忘れてしまったが、電気料金が現在の計算式で定められている限り、東京電力は賠償金を払うために電気料金を値上げすることも可能だ。国民が全員「痛み」を分かち合うために(所得税で来るのか消費税で来るのか)「復興税」を徴収され、燃料費高騰につき、太陽光など自然エネルギー買取のため、賠償負担金を拠出するため「電気料金」が上がり、「電源開発税」も今までどおりしっかり納める・・・となると、やらずぶったぐりもいいところだ。せめて清水君たちには、退職金&報酬をあきらめてもらいたい。私にも老後があるので・・・。
 トーンが若干下がりましたが、本当は『ドラゴン怒りの鉄拳』のブルース・リーのように、居並ぶ警官隊の前で「アチョ~~~」とジャンプ一閃、巨悪(背後に君臨する会長の勝俣)を討つ!ぐらいの怒りを覚えてます。
 あっ、もう寝ないと・・・。