flight2005

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航空マニアが見た映画「フライトプラン」

2006-02-05 | 業界ニュース
映画「フライトプラン」を見ましたレビュー。

☆今から「フライトプラン」を見に行かれる予定がある方は、決して下の記事を見ないでくださいね☆

勝手な評価:★★★☆☆(星3つ)・・・微妙な表現でゴメンなさい

<レビュー>
総括としてこの映画の印象は「飛行機という密室で行われた誘拐(失踪)サスペンス映画」。フライトプランのエラーやコンピューターエラーで飛行機がトラブルとなるような期待を込められている方は、見ない方が良いかもしれません・・・
画面はいきなり回想シーンから入り、遺体霊安室が映し出されている。どうやら主人公の夫の遺体。後日ベルリンからニューヨークへ遺体とともに移動する航空機内でトラブルが発生する。
主人公の彼女には1人娘がいるが、父親の死のショックなのか自閉症の様子。その娘を連れベルリン空港へと向かう。空港内で一時娘がいなくなり、主人公はパニック。後に見つかり優先搭乗で主人公と娘は機内へ。
静かにシートへ2人は座る。そして離陸。
[ここで、使用された機材は「A380」。総2階建ての巨大機だ。]

主人公の母親は元この機の設計に携わっていた。これが今後の展開に活かされている。離陸後しばらくして2人は空席となっている後部座席に移動し仮眠する。そして3時間経った頃主人公が目をさますが、娘がいない!必死で探すが見つからない。そして機長に話をさせて!とコクピット外のドアを叩いているところで機に乗務している警官に確保される。
[a380のコクピット]

必死で主人公は機長に娘を捜して欲しいと嘆願する。そして機長はクルー全員に創作指示を出す。しかし見つからない。機に詳しい主人公は貨物室なども調べるように願うが聞き入れられない。
機長は会社に娘のデータ参照を行う。が驚く答えが・・・娘は搭乗していないのだ。データが消されている。いったい誰が何のために・・・
そして新たなデータが・・・何と娘はすでに亡くなっているとの情報が!
機長以下クルーは主人公があまりのショックのため、「死んでいる娘」と同乗したと信じている妄想と結論づけた。
機内乗務の警察官に手錠をかけられてしまった主人公。しかしこの警察官が黒幕。娘を密かに連れだし、事もあろうか「圧力隔壁」に隔離してしまった。そして主人公が機体に爆発物をしかけ、身代金を要求していると機長に伝えるのである。その後指定された口座に振込されたと警察官に伝える。
この警察官はキャビンアテンダント1人と共謀し、この身代金奪取を実行したのだった。さらに事故死と思われていた主人公の夫も実はビルから突き落とされ殺されていたのだ。なぜ、こんな手の込んだ事を・・・実は死体を運ぶ棺桶(コフィン)に銃・爆薬などを隠していたため、「死体」が必要だったのだ。
機は予定を変更し、別の空港へ緊急着陸。すでにFBIが待機している。乗客とクルーが降機し、機には主人公と犯人の警察官だけになった(娘も機内にいる)。主人公は探していない機内を探し、ついに圧力隔壁にいる娘を発見し保護した。そこへ犯人が・・・爆発物の無線誘導装置を奪っていた主人公は犯人がその場に来た事を確認し、スイッチを入れた。後部が吹っ飛んだのだ。
そしてすべてのカラクリが解り、共同犯のキャビンアテンダントも逮捕された。目出度しめでたし・・・

では、ないだろう~。疑問が多く残りました。
疑問1:主人公と犯人、共犯のクルーが同便に乗り合わせる事が簡単にできたのか?
疑問2:娘の搭乗券が発行されたのに、クルー1人で簡単に削除ができるのか?
疑問3:病院へ照会した際の「死亡」データは誰が作ったのか?共犯は?
疑問4:2月3日のブログに貨物室に閉じこめられ離陸してしまったクルーが3時間のフライトで凍傷になった記事を書いたが、今回の様な長時間であれば、確実に死亡しているのでは・・・
疑問5:爆発した際、近くにいた主人公と娘は無事だった。なぜ?圧力隔壁が破壊され、爆風や熱がそちらへ向かったとでもいうのだろうか?
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まだまだ疑問はありますが、サスペンスとして見るならば、それなりの映画だったのかも知れませんね。ただし、航空マニアの方は、あまり期待しないで見てくださいね~。

<エアバスA380データ>
エアバスA380(Airbus A380)は欧州エアバス・インダストリー社によって製造される世界初の総2階建て、ターボファン4発の超大型旅客機である。ロールアウト(2005年1月17日)時点でボーイング747を抜いて世界最大の旅客機となった。2005年4月27日、フランスのトゥールーズで初飛行した。15ヶ月間のテストののち、2006年末に商業運行が開始される予定である。この機の開発が行われているあいだ、この航空機はエアバスA3XX型機として知られていたが、初期の構想から初飛行まで、16年の歳月を要した。