<コメント>
昨年8月15日に不時着した軽飛行機(セスナ式R172P型)事故について原因を発表した。結局不時着の原因は「ガス欠」。以前アメリカで給油の際、単位を間違えて実際より少なかったため、ガス欠で不時着した例はあるが、今回は機長の「思いこみと勘違い」による人災だった。
事故調査委員会は、原因を以下(1)から(6)にまとめ報告している。
(1)機長が、これまでの飛行経験から、燃料をタンク一杯に給油した場合、約6時間飛行できると思い込んでいたこと
(2)機長は燃料油量計と実燃料量に対する認識が乏しく、経由地点(寄港地)で、燃料油量計の指示を適切に判断できなかったこと
(3)同機には、4名が搭乗し、各人の荷物、燃料量により、過積載の状況(松山空港離陸時約195lb 超過、種子島離陸時約48lb 超過)から、燃料消費量が増加していたこと
(4)種子島空港から小値賀空港へ向かう飛行中、向い風が強く飛行時間が長くなったことにより、燃料消費量が増加していたこと
(5)同機に搭乗していた機長ほか3名は、操縦の訓練を兼ねており、操縦の修正 操作等により、必要以上にエンジンを加速し、燃料消費量が増加していたこと
(6)僚機との飛行で、到着時間の遅れから、エンジン出力を経済出力以上に設定 したことにより、燃料消費量が増加していたこと
負傷者が出なかった事が幸いだが、自家用飛行機を操縦されるパイロットの皆さん、ガス欠には気をつけましょうね。
(西日本新聞) - 3月31日15時27分更新
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は三十一日、昨年八月に熊本県で起きた軽飛行機の不時着について「飛行中、燃料が枯渇したためエンジンが停止したと推定される」とする報告書を北側一雄国交相に提出した。
報告書によると、軽飛行機は昨年八月十五日、長崎県・小値賀空港から熊本空港に向かう途中、熊本県横島町(現玉名市)の牧草地に不時着した。乗っていた四人にけがはなかったが、事故調は事故につながる恐れのあるトラブル(重大インシデント)として調べていた。
燃料枯渇の原因について事故調は、搭乗人数や荷物などの積載重量が飛行規定を上回り、燃料消費量が増加したため、などと推定。機長は積載重量を出発前に確認していなかったとした。
また、個人のレジャー飛行をめぐり、ずさんな燃料管理によるトラブルが多発していることを踏まえ、安全確保の啓発に努めるよう国交省に求めている。
(事故調査委員会の報告)
航空重大インシデント調査報告書要旨
※写真は事故機と同型のセスナ式R172P型
昨年8月15日に不時着した軽飛行機(セスナ式R172P型)事故について原因を発表した。結局不時着の原因は「ガス欠」。以前アメリカで給油の際、単位を間違えて実際より少なかったため、ガス欠で不時着した例はあるが、今回は機長の「思いこみと勘違い」による人災だった。
事故調査委員会は、原因を以下(1)から(6)にまとめ報告している。
(1)機長が、これまでの飛行経験から、燃料をタンク一杯に給油した場合、約6時間飛行できると思い込んでいたこと
(2)機長は燃料油量計と実燃料量に対する認識が乏しく、経由地点(寄港地)で、燃料油量計の指示を適切に判断できなかったこと
(3)同機には、4名が搭乗し、各人の荷物、燃料量により、過積載の状況(松山空港離陸時約195lb 超過、種子島離陸時約48lb 超過)から、燃料消費量が増加していたこと
(4)種子島空港から小値賀空港へ向かう飛行中、向い風が強く飛行時間が長くなったことにより、燃料消費量が増加していたこと
(5)同機に搭乗していた機長ほか3名は、操縦の訓練を兼ねており、操縦の修正 操作等により、必要以上にエンジンを加速し、燃料消費量が増加していたこと
(6)僚機との飛行で、到着時間の遅れから、エンジン出力を経済出力以上に設定 したことにより、燃料消費量が増加していたこと
負傷者が出なかった事が幸いだが、自家用飛行機を操縦されるパイロットの皆さん、ガス欠には気をつけましょうね。
(西日本新聞) - 3月31日15時27分更新
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は三十一日、昨年八月に熊本県で起きた軽飛行機の不時着について「飛行中、燃料が枯渇したためエンジンが停止したと推定される」とする報告書を北側一雄国交相に提出した。
報告書によると、軽飛行機は昨年八月十五日、長崎県・小値賀空港から熊本空港に向かう途中、熊本県横島町(現玉名市)の牧草地に不時着した。乗っていた四人にけがはなかったが、事故調は事故につながる恐れのあるトラブル(重大インシデント)として調べていた。
燃料枯渇の原因について事故調は、搭乗人数や荷物などの積載重量が飛行規定を上回り、燃料消費量が増加したため、などと推定。機長は積載重量を出発前に確認していなかったとした。
また、個人のレジャー飛行をめぐり、ずさんな燃料管理によるトラブルが多発していることを踏まえ、安全確保の啓発に努めるよう国交省に求めている。
(事故調査委員会の報告)
航空重大インシデント調査報告書要旨
※写真は事故機と同型のセスナ式R172P型