「水滸伝」を読了。後世の多くの物語に影響を与えたというのがよくわかった。なるほど痛快な勧善懲悪型の活劇だが、それだけではなく多くの教訓も含んでいる。詩も見事だ。これを読まずに人生終わってはいかんな。
「中国鍼灸院」さんで呉先生に諸葛孔明の詩を習った。これは孔明が子孫のために書き残した戒めの詩らしい。実に素晴らしい詩だ。シンプルだが、生きていく上で人が守るべきポイントがしっかりおさえられている。
「誡子書」
諸葛亮
澹泊にあらざれば志明らかならず、寧静にあらざれば遠きに至らず。
その学は須らく静なり、才須らく学なり。
学ばざればもって才広からず、志あらざればもって学成らず。
滔慢すなわち励精にあたわず、険躁すなわち治性あたわず。
年時とともに馳せ、意日とともに去り、遂に枯れ落ち、世に接せず。
窮盧を悲しみ守る、まさにまたなんぞ及ばん。
(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)
よぉでけた人は、穏やかな心で自分ば鍛えて、倹約して自分ば磨くと。
欲を捨てにゃ志ははっきりせんし、穏やかな心がないと目標に到達できんと。
学ぶには静かな心がなけらにゃでけん、才能ちゅうとは学んで身につけると。
学ばんどってから才能が広がるもんか、志がないで学んだことが身につくもんか。
うぬぼれとったら真面目になれんと、短気でおったら自分ば抑えれんと。
年は時といっしょに走っていってから、思うとることはなーんもでけんで、とうとう枯れっしもーてから、世に出ることもなか。
後で後悔して悲しんでん、なーんもならんとばい。
なんとわかりやすい人生訓だろうか。ワシも今後、これを戒めとしよう。呉先生に書にしてもらおうかな。
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
盲腸
「住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。女官のF井が昼餉の後に苦しそうにしておりました。
「いかがなされました」
「えしぇ蔵様、けふのねたにしてください。わたくし盲腸になりましてございます」
わたくしは驚きをかくせず、「それはお痛ましいことで」と申しました。
店長の后様はさほど心配しておられぬ御様子で「痩せたでありましょう」とおっしゃいました。
「一日食をとりませぬと、2キロ痩せましてございます」
「それでは十日ほどでかなりの減量になるのではございませぬか」
わたくしがそう言いますと店長の后様も「まことそのやうにいたすべし」とお笑いになります。
「これは痩せるべしという天の思し召しでございましょう」
わたくしが申しますと再び店長の后様も「しかり。それに相違ありませぬ」と申されます。
F井はわき腹を抑えつつ、「どなたもわたくしを心配して下さいませぬ。げに悲しきことにございます」と申しておりました。
盲腸で おもふように 食とれず
天はF井の 体重減らせり
まこと天の思し召しは不思議なものにございます。
夕方からえらく寒くなってきた。天気も心配。明日山登れるかな?
「蒲団」
霜月の たそがれはやく 風寒く
蒲団一枚 重ねおくかな
蔵
「中国鍼灸院」さんで呉先生に諸葛孔明の詩を習った。これは孔明が子孫のために書き残した戒めの詩らしい。実に素晴らしい詩だ。シンプルだが、生きていく上で人が守るべきポイントがしっかりおさえられている。
「誡子書」
諸葛亮
夫君子之行、静以修身、倹以養徳。
非澹泊無以明志、非寧静無以致遠。
夫学須静也、才須学也。
非学無以廣才、非志無以成学。
滔慢則不能励精、険躁則不能治性。
年与時馳、意与日去、遂成枯落、多不接世。
悲窮盧守、将復何及。
澹泊にあらざれば志明らかならず、寧静にあらざれば遠きに至らず。
その学は須らく静なり、才須らく学なり。
学ばざればもって才広からず、志あらざればもって学成らず。
滔慢すなわち励精にあたわず、険躁すなわち治性あたわず。
年時とともに馳せ、意日とともに去り、遂に枯れ落ち、世に接せず。
窮盧を悲しみ守る、まさにまたなんぞ及ばん。
(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)
よぉでけた人は、穏やかな心で自分ば鍛えて、倹約して自分ば磨くと。
欲を捨てにゃ志ははっきりせんし、穏やかな心がないと目標に到達できんと。
学ぶには静かな心がなけらにゃでけん、才能ちゅうとは学んで身につけると。
学ばんどってから才能が広がるもんか、志がないで学んだことが身につくもんか。
うぬぼれとったら真面目になれんと、短気でおったら自分ば抑えれんと。
年は時といっしょに走っていってから、思うとることはなーんもでけんで、とうとう枯れっしもーてから、世に出ることもなか。
後で後悔して悲しんでん、なーんもならんとばい。
なんとわかりやすい人生訓だろうか。ワシも今後、これを戒めとしよう。呉先生に書にしてもらおうかな。
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
盲腸
「住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。女官のF井が昼餉の後に苦しそうにしておりました。
「いかがなされました」
「えしぇ蔵様、けふのねたにしてください。わたくし盲腸になりましてございます」
わたくしは驚きをかくせず、「それはお痛ましいことで」と申しました。
店長の后様はさほど心配しておられぬ御様子で「痩せたでありましょう」とおっしゃいました。
「一日食をとりませぬと、2キロ痩せましてございます」
「それでは十日ほどでかなりの減量になるのではございませぬか」
わたくしがそう言いますと店長の后様も「まことそのやうにいたすべし」とお笑いになります。
「これは痩せるべしという天の思し召しでございましょう」
わたくしが申しますと再び店長の后様も「しかり。それに相違ありませぬ」と申されます。
F井はわき腹を抑えつつ、「どなたもわたくしを心配して下さいませぬ。げに悲しきことにございます」と申しておりました。
盲腸で おもふように 食とれず
天はF井の 体重減らせり
まこと天の思し召しは不思議なものにございます。
夕方からえらく寒くなってきた。天気も心配。明日山登れるかな?
「蒲団」
霜月の たそがれはやく 風寒く
蒲団一枚 重ねおくかな
蔵
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