漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 473

2024-08-01 04:57:03 | 貫之集

人の木のもとに休める

かげふかき このしたかぜの ふきくれば なつのうちながら あきぞきにける

陰深き 木の下風の 吹きくれば 夏のうちながら 秋ぞきにける

 

人が木のしたで休んでいる

陰深く生い茂った木の下に風が吹いてくると、まだ夏のうちなのに秋がやってきたようであるよ。

 

 「木の下風」という語は万葉集、古今集、後撰集にはない一方で貫之集には複数見られ(150、794)、躬恒にも作例があることなどから、貫之と躬恒によって創作された歌語との説もあるようです。