つなはへて もりわたりつる わがやどの わさだかりがね いまぞなくなる
つなはへて もりわたりつる わが宿の 早稲田かりがね いまぞ鳴くなる
綱を張り巡らせてずっと守ってきたわが家の早稲田を刈り取る時が来て、今まさに雁が鳴く声が聞こえる。
第四句「わさだかりがね」は 153 にも出てきたフレーズ。あちらは、早く刈り取りの時期が来て雁が鳴かないものかという願望の歌でしたが、こちらはまさにその時期がやってきて雁が鳴いているという歌ですね。
かりほにて ひさへへにけり あきかぜに わさだかりがね はやもなかなむ
かりほにて 日さへへにけり 秋風に 早稲田かりがね はやも鳴かなむ
(153)