漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 491

2024-08-19 05:58:43 | 貫之集

おなじいろに ちりまがふとも むめのはな かをふりかくす ゆきなかりけり

同じ色に 散りまがふとも 梅の花 香を降りかくす 雪なかりけり

 

同じ色で散って雪と見分けがつかない梅の花であるが、その香りまで隠す雪はないのだなあ。

 

 目で見て雪と区別はつかなくても、その香りまでは隠せないという着想は、古今集0335 の小野篁(おの の たかむら)の歌と同じですね。

 

はなのいろは ゆきにまじりて みえずとも かをだににほへ ひとのしるべく

花の色は 雪にまじりて 見えずとも 香をだににほへ 人の知るべく