ちはやぶる かみのたよりに ゆふだすき かけてやひとも われをこふらむ
ちはやぶる 神のたよりに ゆふだすき かけてや人も われを恋ふらむ
神を祭るおりに木綿襷をかけるように、人も私をここにかけて恋してくれるであろうか。
「ちはやぶる」は「神」にかかる枕詞。第四句「かけて」は、木綿襷を「掛ける」と人が自分を心に「かける」の両義で、021、393 など、しばしば登場する手法です。
この歌は、続古今和歌集(巻第十四「恋四」 第1231番)に入集しています。そちらでは第二句が「神のたむけの」とされていますね。