漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 495

2024-08-23 05:25:15 | 貫之集

さくらばな ふりにふるとも みるひとの ころもぬるべき ゆきならなくに

桜花 降りに降るとも 見る人の 衣ぬるべき 雪ならなくに

 

桜の花びらが降りしきっている。見る人の衣を濡らす雪であるかのように。

 

 散る桜を雪に見立てる(あるいはその逆)着想の歌は、302485 にも出てきましたね。

 

ちりがたの はなみるときは ふゆならぬ わがころもでに ゆきぞふりける

散りがたの 花見るときは 冬ならぬ わが衣手に 雪ぞ降りける

(302)

 

ゆきふれば くさきになべて をるひとの ころもでさむき はなぞさきける

雪ふれば 草木になべて 折る人の 衣手寒き 花ぞ咲きける

(485)